こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
仕組まれたイラク戦争、
その真実を追い続けた記者たちの
揺るぎない信念の物語。
これは2017年公開、ロブ・ライナー監督『記者たち/衝撃と畏怖の真実』のキャッチコピー。
今回はカリスマ彰の当番で、アメリカの社会派映画2本をご紹介。
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記者たち/衝撃と畏怖の真実
(C)2017 SHOCK AND AWE PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
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ということで、元々のブログ・タイトルは以下の通り。
1 ちょっとばかり白けたイラク戦争阻止を訴えた敏腕記者たちの奮闘
2 ドキュメンタリーにした方が良かった映画「JFK(ディレクターズカット版)」
ではカリスマ彰、よろしくお願いします。
岸波さま 次回シネマアラカルト原稿です。よろしくお願いします。
◆「記者たち/衝撃と畏怖の真実」(2017年 ロブ・ライナー監督 1時間31分)
真実は、
誰のためにあるのか?
TV放映を録画していた映画「記者たち/衝撃と畏怖の真実」(2017年 ロブ・ライナー監督 1時間31分)を見る。
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記者たち/衝撃と畏怖の真実
(C)2017 SHOCK AND AWE PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
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2001年9.11から2003.3.6のイラク戦争開戦までに醸成されたイラクの大量破壊兵器保有の政府見解に疑念を持って戦争阻止を訴えたナイト・リッダー紙の記者(ウディ・ハレルソンとジェームス・マースデン)や編集長(監督のロブ・ライナーが自ら出演)の奮闘を描いている。
9.11以降のアメリカの愛国主義の盛り上がりと政府の世論誘導というのが本当にこうであったなら恐ろしい。
結局イラク戦争はネオコンと軍事産業主導による誤った強行で核兵器はなかったという結論になっている。
ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNNなどの大手マスコミはその煽動役になり、後には謝罪した媒体もあったとエンドロールにはある。
1時間31分の映画で、記者たちの奮闘に加えて、中年記者の夫婦愛、若い記者の恋愛、イラクで地雷に吹っ飛ばされて車椅子生活になった青年のエピソードが盛り込まれている。
退屈させることなしに映画はスイスイと進む。さすがロブ・ライナー監督である。
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記者たち/衝撃と畏怖の真実
(C)2017 SHOCK AND AWE PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
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またまたアメリカはベトナムの二の舞をやらかしたわけだ。
しかし勧善懲悪という色分けはこんなに単純ではあるまい。
なんとなく「アメリカ」はちゃんと落とし前をつけているんだぞ!という安っぽい良心を見せつけられているようでちょっとばかり白けた。
◆allcinema ONLINEの解説から引用
「スタンド・バイ・ミー」「恋人たちの予感」のロブ・ライナー監督が、大衆の愛国心をあおり、根拠なき大義でイラク戦争へと突き進むブッシュ政権に対して、大手メディアが軒並み迎合する中、地道な調査報道とそれによって掴んだ真実のみで対抗した実在の中堅新聞社ナイト・リッダーの記者たちの信念と矜持を描いた社会派ドラマ。出演はウディ・ハレルソン、ジェームズ・マースデン、トミー・リー・ジョーンズ。またライナー監督自らも取材チームを率いるワシントン支局長役を熱演。
2002年、新聞社ナイト・リッダーのワシントン支局長ジョン・ウォルコットは、9.11同時多発テロの首謀者ビンラディンを追っているはずのブッシュ政権が、イラクへの攻撃を計画しているとのにわかには信じがたい情報に当惑する。イラクとテロ組織に繋がりなどあるはずもなく、疑念を抱いたウォルコットはジョナサン・ランデーら部下の記者たちに徹底した取材を命じる。やがて政府が掲げた“イラクによる大量破壊兵器の保持”というイラク侵攻の根拠がねつ造されたものであることを突き止める。しかし大手新聞社が軒並み政府発表をそのまま報じ、愛国心がかつてない高まりを見せていく中、次第に孤立していくナイト・リッダーだったが…。 |
◆「JFK (ディレクターズカット版)」
(1991年 オリバー・ストーン監督 3時間26分)
ケネディ暗殺の真相に迫る、
今世紀最大の陰謀ミステリー。
TV録画していた「JFK (ディレクターズカット版)」(1991年 オリバー・ストーン監督 3時間26分)を2日がかりで見た。
社会派監督オリバー・ストーンの1990年代の代表作のひとつだろう。
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ディレクターズ・カットJFK/特別編集版
WarnerBrothers/Photofest/ゲッティイメージズ
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1986年「プラトーン」、1987年「ウォール街」に始まったストーンのアメリカ合衆国告発シリーズの1作ということだろう。
JFK(ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ)暗殺事件の真相解明に挑む地方検事(ケビン・コスナー)を描いた現代史ミステリーということだが、今となっては語り尽くされている内容だ。長い割に結末が煮え切らない。
こういう映画はドキュメンタリーにした方がいいのではないだろうか。
というか、ストーンの映画はやはり映画としては アイデアが先行して、作り込みが足りないという印象をいつも受ける。
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ディレクターズ・カットJFK/特別編集版
WarnerBrothers/Photofest/ゲッティイメージズ
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キャストは充実しているのだが、妻(シシー・スペイセク)とのやりとりのワンパターンな表現など無駄が多い。
◆allcinema ONLINEの解説から引用
全世界が震撼した1963年11月のケネディ大統領暗殺事件を、最も真相に近いと言われる解釈でO・ストーンが映画化したポリティカル・サスペンス。オズワルドという男の単独犯として処理されたケネディ大統領暗殺事件。だが、地方検事のジム・ギャリソンは事件に矛盾と疑問を抱き、独自に調査を開始するが……。監督の手により、9箇所のシーンが追加された約17分長いディレクターズ・カット版。 |
/// end of the “cinemaアラカルト282「記者たち/衝撃と畏怖の真実+1」”///
(追伸)
岸波
う~ん、”これは実話である”と言いながら創作される作品って、確かに制作者側のいろいろな意図が透けて見えたりするので、ドキュメンタリーの方がまだ見れる。
特に日本の社会派実話ストーリーでは、どうしても過度な「反権力」や左翼思想が混ぜ込まれることが多くて、好きじゃないんだな~。
実際、自分が(政治ではないけれど)行政の一定の責任を担ってきた経験からして、そんないい加減な気持ちでやってないよ、こっちだって真剣なんだよ、分かれよと言いたくなる(笑)
今回のイラク戦争やJFK暗殺事件のディテールは、すでに散々報道されているので、特に目新しさはないかな。
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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記者たち/衝撃と畏怖の真実
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