こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
漂流宇宙船プロメテウスの罠!
人類は終末へと向かうのか。
今週も劇場に足を運ばず、Amazonプライムで見た(アメリカTVドラマシリーズ以外の)鑑賞作品は駄作ばかり。惨憺たる週になりました。
ということで、今回はダメダメだった映画二本をご紹介です。
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スターシップ・インベージョン
(最終兵器ヘラクレス)
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今回ご紹介するのは以下の二本。
1 スターシップ・インベージョン(2012年アメリカ映画90分)
2 キャビン(2011年アメリカ映画95分)
さて、さっそく内容に行ってみましょう。
(以降、ちょっと文体が変わります。)
1 スターシップ・インベージョン(2012年アメリカ映画90分)
漂流宇宙船プロメテウスの罠!
人類は終末へと向かうのか。
原題は『Prometheus Trap』(プロメテウスの罠)。こちらの方が作品の内容をよく表している。
それが何故か、付けられた邦題が『スターシップ・インベージョン STARSHIP INVASION』(宇宙船侵略)で、まるで原題がそうであったかのように、英語スペルも付いている。
この時点でバッタもんの匂いがプンプン(笑)
しかも、全く同じ邦題の映画が1977年に公開されており、こちらは名優クリストファー・リーやロバート・ボーンが出演しながら、悪の宇宙人を迎え撃つ友好派宇宙人が、壊れた円盤のコンピュータの代わりに電卓で軌道修正するという、ハチャメチャな描写で有名になったトンデモ作品。
よりによって、そんな作品の邦題をマネなくてもねぇ(笑)
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スターシップ・インベージョン
(救援に向かうローズ軍曹)
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で、2012年作品のストーリーが酷いかと言えばそんなでも無い。
地球外植民者人類と在地球人類の戦争が勃発した遠い未来、地球外人類の宇宙船ヴェノム号に、漂流宇宙船プロメテウスの荷の回収命令が下る。
そこへ向かうヴェノム号のクルーは男女2名とアンドロイド1体(男性体:フィン)の3名のみ・・かなり巨大な宇宙船なのに乗組員3名!(笑)
プロメテウスに接近すると、その周囲空間だけ粒子の半減期が異常に早いことが観測される。
うん、この辺のツカミはばっちり。
警戒しながら3名全員でプロメテウス号に移乗すると、ミイラ化した乗組員の死体がゴロゴロ。それでも捜索を続けると、生命維持装置の中に男女二名の生存者、そして、何故か行動しようとしていない女性体のアンドロイドが一体。
回収を命じられた「荷」について調査すると、それは「ヘラクレス」と名付けられた最終兵器で、起動させると時間軸が折れ曲がり、無限にタイムループさせるというスグレモノ。
どうやら地球に撃ち込んで、実質的に地球軍を無限ループに落とし込むという作戦らしい。
ところが調査中に突然、ヘラクレスが起動して宇宙船ごと大爆発。・・で、ヴェノム号の三名がプロメテウスに乗り込むシーンに逆戻り。(あらららら・・)
要するに兵器ヘラクレスに何らかの異常が発生して自爆し、プロメテウスを含めた周囲空間だけが地獄のタイムループを繰り返している・・そこに巻き込まれた3名は果たして無事生還できるのか、というお話。
ここで活躍するのがアンドロイド・フィン。むしろコチラが主人公。アンドロイドの記憶機能は遠くにあるクラウドに格納されており、第三者の「目」を持っているためタイムループを知覚できている。
そうそう・・プロメテウス側の女性アンドロイドは、既に何万回のループを繰り返しており、一切の努力はムダだと達観している。だから行動するのを諦めているのだ。
アンドロイド・フィンは、タイムループから抜け出すために孤軍奮闘する・・ココが見所ですね。
登場人物は少ないものの、演技もそれなりにしっかりしている。構成も悪くない。それなら、何がダメなのか?
全く金がかかってない。低予算SF映画なのです。
最初のシーンで乗員二名が目覚めるコールド・スリープ装置たるや、透明な布団袋にパンツ一丁で入って、口にホースを加えているだけ。
巨大な宇宙船のはずなのに、古びたロッカールームと操縦席の二か所のシチュエーションしか出てこない。このロッカーたるや、その辺の工場にある汎用型の錆びたスチール・ロッカー。
実は、ヘラクレスの異常を誘発させたのは、プロメテウス側の女性クルーで彼女は地球軍が送り込んだスパイ。彼女と他の人間クルーは船内で殺し合いをするのだが、その武器はバール。最終兵器を巡る闘いなのに武器はバール。
大事なところなのでもう一回言った(笑)
宇宙船の外観は、ミニチュア・モデルに意味のない電飾を付けただけのオモチャそのもの・・とにかくチープなのだ。
極めつけは、プロメテウス乗り込みからヘラクレス発見、爆発、タイムループで最初に戻るの映像が、はっきりと分かる使い回し。どんだけフィルムを節約したものか(笑)
結末がまた酷くて、何度目かのループの末にアンドロイド・フィンがヘラクレスを船外に放出して破壊すればいい事にようやく気づく。(もっと早く気づけよ!)
で、破壊が相打ちになり、プロメテウス号は人員ごと消滅し、ヘラクレスが単体でタイムループを繰り返すことで決着。誰も救われない。それで終わり。
これ、どんでん返しって言えないよね?
ギリシャ神話のプロメテウスはゼウスの怒りに触れて、鎖に繋がれたまま鳥に内臓を喰われる苦痛を味わうが、翌日には完全体で復活して、また鳥に喰われるという無限の苦痛を与えられるが、そのモチーフだけを使ったストーリー。
だから何なの? やはり映画は感動や爽快感がないとダメ。カリスマ彰じゃありませんが、怒りの鉄槌を与えたい映画でした。
しかもこれ、昭和のSF映画じゃなく2012年作品ですよ。2012年!!
◆AYA PROの解説から引用
遠い未来。宇宙植民者たちからなる同盟軍と、地球軍との間で戦争が行われていた。同盟軍に属する宇宙探査船ヴェノムにある命令がくだる。それは、任務遂行中に消息を絶った巨大宇宙貨物船プロメテウス号の発見と貨物の回収だ。
グロリア大尉率いる乗員たちは大宇宙を漂うプロメテウス号を発見、船内を捜索するが、そこには全乗員8人の内、6人の遺体と女型アンドロイド・アルテミスが発見される。調査を進めるうち、積まれていた貨物は人類の命運を左右する最終兵器と判明する!多くの謎と脅威をはらんでプロメテウス号は未知なる領域に突入しようとしていた! |
2 キャビン(2011年アメリカ映画95分)
あなたの想像力なんて、
たかが知れている
奇しくも、もう一本の『キャビン』もほぼ同じ時代2011年のアメリカ映画。長さもほぼ同じ。
こちらはホラーに分類される映画でしょうか。デイナら5人の大学生が主人公。
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キャビン
(C)2011 LIONS GATE FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED
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彼らは週末バカンスを楽しむために、近郊の森にあるキャビン(小屋)を借りて過ごすことに。
ところが小屋の中には怪しげな地下への階段があり、地下室へ降りて行くと、この小屋の持ち主だったパックナー一家の娘の日記を発見。
そこにはパックナー一家が過去に犯した恐ろしい罪の数々が記されており、最後にはラテン文字の文章が。
ラテン文字が分かる大学生の一人が、周りが止めるのも聞かずに声に出して読み始めると、一家の墓から死体がムクムク起き上がり、彼らを襲ってくる。
なんだ、ゾンビ映画かと思うとさにあらず。
突然場面が転換して、大学生たちの様子をハイテク機器ひしめく管制基地で監視している謎の一団が。どうやら小屋のあちこちに監視カメラが仕込んであるらしい。
しかも、誰が先に死ぬかで賭けをしている模様。何と不謹慎な!
手駒の怪物はゾンビ一家だけでなく、ロボットやら半魚人やらサラマンダーやら幽霊やら、ターゲットを全滅させるまで放出できる模様。
彼らの意図は、地下深く眠る「いにしえの神々」の怒りを鎮めるため、生贄の血を捧げる事。
驚くべきことに、この殺人儀式は世界各国で同時進行しており、生贄が逃げ出すなどして次々に失敗。最後に残ったのが日本とアメリカだったが、遂に日本も失敗。
世界を救うためには、何でかんでアメリカの5人を殺さなければならないというトンデモ・ストーリー(笑)
最後に残るのが「処女」と呼ばれるデイナだった場合、全滅させなくともOKという裏ルールがある。
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「処女」デイナ
(C)2011 LIONS GATE FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED
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ようやくデイナを除いて殺害コンプリートということで歓声が上がるが、その時、管制室の電話のベルが鳴る・・。
それは「上」からの叱責で、殺したと思っていた大学生の一人マーティがカメラ外で生存している事が告げられる。
マーティはデイナを救い、二人で、地下室の更に下に向かうエレベーターを発見して管制基地まで降りてくる。
途中の各階には、様々なタイプのモンスターが格納されていることを知った彼らは、管制基地の警備隊と闘うために、全てのモンスターを解き放つ。
いやもう、あたりは阿鼻叫喚の巷。(そりゃそうだ。)
さて、二人の学生は無事生還することができるのか? その場合「いにしえの神々」の怒りはどうなる? はたまた人類の命運や如何に・・というストーリー。
これはもう、かなり評価が難しい映画。モンスター総出演のアベンジャー映画と思えば、終盤のモンスターによる虐殺のお祭り騒ぎもそこそこに楽しい。
ホラー映画と思って見始めたのに、最後は何を見せられているのか分からなくなる(笑)
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キャビン
(C)2011 LIONS GATE FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED
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しかもラスボスとして登場する「上の声」の主、モンスター管制チームのトップが何とリプリー・・じゃなかったシーガニー・ウィーバー。
どう考えてもB級ホラー映画なのに、こんな大御所が出て来たことに二度見してビックリ。
どうオトシマエを付けるのかと見ていたら、リプリーはあっさりと退場して、管制基地メンバーが全滅。本当のラスボス「いにしえの神々」の一体である巨大な手が地中から這い出すところで終わり。(大学生二人はあっという間に潰される。)
何だよコレ。
バッド・エンドはホラー映画のハッピー・エンドとか、そういうシャレなの!?
繰り返して言うけど、映画は感動や爽快感が無いのはダメ。
う~ん・・今週は酷い映画ライフになってしまった。やっぱり『マトリックス』の新作に期待するしかないか(大笑)
◆allcinema ONLINEの解説から引用
若者たちが人里離れた山小屋で戦慄の恐怖に見舞われるという従来のホラー映画のお約束を踏まえた、巧妙かつ予測不能のストーリー展開が映画ファンから絶賛された異色のホラー・サスペンス。「クローバーフィールド/HAKAISHA」やTV「LOST」の脚本で知られる新鋭ドリュー・ゴダードが、TV「バフィー~恋する十字架~」などでタッグを組んだ「アベンジャーズ」のジョス・ウェドンと共同で脚本を執筆、自ら初メガフォンをとり映画化。出演は恐ろしい目に遭う若者たちに「マイティ・ソー」のクリス・ヘムズワースのほか、アンナ・ハッチソン、クリステン・コノリー、フラン・クランツ、ジェシー・ウィリアムズ、そしてベテランのリチャード・ジェンキンス、ブラッドリー・ウィットフォードが脇を固める。
男女5人の大学生がバカンスにやって来たのは山奥に建つ古ぼけた小さな別荘。その夜、5人は地下室の入り口を見つけると、さっそく中へと入り古いノートを発見する。それは身の毛もよだつ殺人鬼が綴った日記だった。いい感じに盛り上がった5人は、調子に乗ってそこに書かれていた復活の呪文とやらを読み上げてしまうのだったが…。 |
/// end of the “cinemaアラカルト279「スターシップ・インベージョン+1」”///
(追伸)
岸波
これら2本を含めて最近、連続して4~5本の駄作映画を見た気がします。
こりゃもう、カリスマ彰の"絶対に観てはいけないシリーズ"を笑ってはいられないレベル。
で、「どうしてこうなった?」と考えてみましたら、アレですよアレ。
Amazonプライムの鑑賞映画の下に出てくる『この映画を観た人が次に観た映画』のランダム・リスト。
駄作の後にはそれに相応しいレベル・内容の作品がリストアップされるので、気になって次々とポチっちゃっていたんですね。
あ~くわばらくわばら!(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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キャビン
(C)2011 LIONS GATE FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED
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