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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2021.10.9】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 空前絶後のハイテンション・ノンストップ・ミステリー誕生

 これは2019年公開、ライアン・ジョンソン監督の『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』のキャッチコピー。

 ライアン・ジョンソンは、かねてより「アガサ・クリスティのの推理小説を思わせるようなミステリ映画を撮ってみたい」と表明しており、約8年をかけてこの映画を制作。

 アメリカ衣装デザイナー組合賞(現代劇部門)を受賞するなど、話題になった作品です。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

(C)2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 今週のご紹介は二本。個別のタイトルは以下。

1 私の採点で3.0。映画「ナイブズ・アウト」は見ても見なくてもいい映画

2 ジャームッシュの映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」は見ても見なくてもいい出来栄え

 ではカリスマ彰、よろしくお願いします。

岸波さま 次回のシネマアラカルトです。「見ても見なくてもいい映画2本」です。よろしくお願いします。

1.「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」
 (2019年 ライアン・ジョンソン監督  2時間10分)

 殺したのは誰だ!?
 この騙し合いに世界が熱狂!!

 TV放映を録画していた映画「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」を見た。

 こういう古典的密室殺人事件の映画には一定の需要があるようで何年かおきに製作される。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

(C)2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 yahoo!映画で3.90(5点満点)というレビュー者たちの平均採点なので、ミステリー映画ファンの私は安心して見始めたのだが、見終わった私の採点は、3点だ。

 私の採点基準について書いておく。

 5点:見たほうがいい。推薦。
 3点:見ても見なくてもいい。暇つぶしにはなる。
 1点:特別な目的がない限り鑑賞はやめた方がいい。
 という5段階評価(4点、2点はその中間)だ。

 それでいうと今回の映画はズバリ3.0という映画だった。

1.容疑者が嘘を言うと嘔吐してしまうという習性を持っていてしらけるとか、
2.とても有り得ない遺言内容とか、
3.名探偵にはとても見えないダニエル・クレイグの一挙手一投足とか、
4.容疑者の数が多すぎてきちんと描き分けができていないとか、
5.殺されるクリストファー・プラマーと容疑者たちの関係はもっと丁寧に描くべきだったとかの不満がある。

 しかし、及第点をギリギリあげられるトリック、やはりギリギリ許せる犯人像などそれなりの体裁は保っているのだ。

 とにかくギリギリ見ても後悔はしないし、見逃したからといって気にする映画ではないのだ。

 ところで題名の「ナイブズ・アウト」とは、むき出しになったナイフのことだそうだ。

 被害者が住む広大な邸宅に100本ほどのナイフが突き刺さったアクセサリーが置いてあって重要な役割を果たすのだ。副題が付いているのはそのため。

 しかし相変わらず芸の無い日本語の題名である。

◆allcinema ONLINEの解説から引用

 「LOOPER/ルーパー」「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン監督がオリジナル脚本を手掛け、ダニエル・クレイグ、クリス・エヴァンス、ジェイミー・リー・カーティス、クリストファー・プラマーをはじめとする豪華オールスターキャストで贈る本格群像ミステリー。ベストセラー作家の富豪が謎の死を遂げ、一癖も二癖もある家族全員に容疑がかかる中、謎めいた名探偵が事件の真相へと迫っていくさまを、現代的な社会問題を盛り込みつつ二転三転するストーリー展開で軽妙に描き出していく。

 世界的ミステリー作家にして富豪のハーラン・スロンビーが85歳の誕生日を迎え、ニューヨーク郊外にある彼の豪邸では家族が集いパーティが開かれる。ところが翌朝、ハーランは遺体で発見される。一見自殺かに思われた彼の死だったが、そこへ匿名の人物から依頼を受けた名探偵ブノワ・ブランが現われ、殺しと確信して調査を開始する。容疑者は家族や家政婦、ハーランの看護師といった屋敷にいた全員。そして調べが進むほどに、家族の秘密や嘘が次々と暴かれていくのだったが…。


2.「ナイト・オン・ザ・プラネット」(1991年 2時間9分)

 LA発、ヘルシンキ行
 地球の夜の十字路で
 5都市同時のタクシードライブ
 “活気最高、ジャームッシュの傑作!”

 ジム・ジャームッシュという映画監督は普通に良い映画監督で、それ以上ではないようだ。なんか過大評価されているように思う。

 彼の監督作品では比較的上位の評価である「ナイト・オン・ザ・プラネット」をTVで見た。

 5つの都市のタクシードライバーをめぐる5編からなるオムニバス映画だ。

ナイト・オン・ザ・プラネット

(C)1991 Locus Solus Inc.

 全て面白かったわけではないし、かと言って飛び抜けた作品があるわけではない。各話を評価してみた。

【第1話 ロサンゼルス】

 2人の名女優(ジーナ・ローランズとウィノナ・ライダー)の演技を楽しむ話だが、とてもあり得ない話で馬鹿らしい。評価C


【第2話ニューヨーク】

 まあ笑える話だが少々騒々しい。評価B

【第3話パリ】

 これはなかなか渋い。しかし、作中の「盲人はサングラスをかけるのが普通だよね」の一語は不要だろう。評価A

【第4話ローマ】

 ありそうな話。ロベルト・ベニーニのひとり芝居を楽しむ話。評価B

【第5話ヘルシンキ】

 話がまどろっこしいし、泣けないなあ。評価C

 まあ見ても見なくても良い映画だと思う。私の採点でまさに3.0という映画。

ナイト・オン・ザ・プラネット

(C)1991 Locus Solus Inc.

 もう少し上手い監督だと、もっと人生の哀感が色濃く滲み出てくるものである。これならNHKのドキュメント72hの方がまだ見応えがある。

 ジャームッシュの映画では初期では「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(1984年)、最近では「パターソン」(2016年)がまずまずの出来の映画だと思う。

◆allcinema ONLINEの解説から引用

 地球という星の、ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキという5つの都市で、5人のタクシー・ドライバーが乗客を乗せた。同じ夜にそれぞれに繰り広げられる5つの物語。

 本作はジャームッシュの作品に共通して見られる奇妙な可笑しさ、卓越したセンスが冴える会話に加え、背景に広がる空しさに満ちた荒涼感は健在であり、その独自の雰囲気で好き嫌いがハッキリと二分される彼の作品にしては割りと門戸が広く、様々な人が楽しめる作品に仕上がっている。特に、ニューヨークが舞台の話と、ロベルト・ベニーニ主演によるパリの話がお勧め。

 

/// end of the “cinemaアラカルト272「見ても見なくてもいい映画2本”///

 

(追伸)

岸波

 確かに『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』はアメリカ衣装デザイナー組合賞(現代劇部門)を受賞しただけあって、登場人物の衣装がどれも見事ですね。

 この映画は観ていないけれど、ダニエル・クレイグが探偵ものに出ていることにビックリ。

 そして、この映画は批評家ウケする作品のようで、映画批評集積サイトのRotten Tomatoesで批評家支持率が97%という高い評価を得ていました。

 ただ、日本での公開成績は初登場の週末で2位までしか行っていないので、「見ても見なくてもいい映画」かもしれません。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

(C)2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト273” coming soon!

 

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