こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
恋に落ちる。
世界が変わる。
これは2007年、松山ケンイチと永作博美主演の『人のセックスを笑うな』のキャッチコピー。
今回の執筆当番はカリスマ彰氏。珍しく二本とも「なかなか良い映画」だったようでございます。ふむぅ・・。
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「人のセックスを笑うな」
(c)2008「人のセックスを笑うな」製作委員会
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今週の記事、それぞれ元原稿のタイトルは以下の通り・・
1 タイトルだけは秀逸!主役の永作博美はミスキャストだが田舎美大に昭和の懐かしさ
2 サミュエル・フラー監督の映画「裸のキッス」に度肝を抜かれる
ではカリスマ彰、よろしくお願いします。
岸波さま、次回シネマアラカルト、タイトルは「なかなか良い映画2本を紹介」 まず1本目です。2本目すぐ送りますので原稿をまとめて下さい。
1.「人のセックスを笑うな」(2007年 井口奈己監督 2時間17分)
19歳のボクと39歳のユリの
いかれた冬の物語。
TV録画していた映画「人のセックスを笑うな」を見る。
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「人のセックスを笑うな」
(c)2008「人のセックスを笑うな」製作委員会
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北桐生だか西桐生あたりにある田舎の美大の、リトグラフ科の講師(永作博美)と学生(松山ケンイチ)の恋愛映画。
山崎ナオコーラ(1978.9.15〜)の原作(2004年文藝賞)だが、雰囲気は昭和というか、1970年代後半の感じだなあ。
ある種の懐かしさを感じてシッカリみてしまった。
最近はサラ金のアコムのCMに出ているぐらいではないかと思うが、永作博美はミスキャストだなあ。
「ねえ、モデルになってくれない」と男子学生を自宅に引っ張りこんで裸にさせたり、フラッとインドに行っちゃったり、煙草プカプカ、酒を浴びるほど飲む自由奔放な美大講師という柄ではない。
松山ケンイチや蒼井優はいかにも田舎の美大の学生にピッタリのキャスティングなのに残念。
あがた森魚、温水洋一、桂春團治などの脇役も面白いだけにもったいない感じ。
とにかく小説も映画もタイトルが秀逸!
◆allcinema ONLINEの解説から引用
第41回文藝賞受賞、第132回芥川賞候補作となった山崎ナオコーラのデビュー作を永作博美、松山ケンイチ主演で映画化した恋愛ストーリー。奔放な年上の既婚女性と恋に落ちた結果、振り回されてしまう青年を巡る切なくも瑞々しい恋愛模様を綴る。共演は蒼井優と忍成修吾。監督は「犬猫」の井口奈己。
19歳の磯貝みるめが通う地元の美術学校に、新任としてやって来た非常勤講師、猪熊ユリ。彼女の教室を足繁く通うようになったみるめだったが、ある日、彼女から絵のモデルを頼まれ、訪れたアトリエで2人は関係を持ってしまう。以来、すっかりユリに夢中のみるめ。一方、彼に秘かな恋心を抱いていた同級生の女の子えんちゃんは、親しくするみるめとユリの姿を目撃して大きなショックを受けてしまう。そんな矢先、ひょんなことからみるめはユリが結婚していることを知る。愕然とし、ユリとの関係を終わりにしようと固く誓うみるめだったが…。 |
2.「裸のキッス」(1964年 サミュエル・フラー監督 1時間31分)
異常な感覚の世界フラー最高傑作の日本初公開!
TV(ザ・シネマ)録画していた映画「裸のキッス」を見た。
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フラー(1912〜1987は、ゴダールの映画「気狂いピエロ」でワンシーン出演して、戦争について語っているのが有名だ。
とにかくフランスのヌーヴェルバーグの連中に圧倒的支持をうけた監督だ。
この「裸のキッス」も変わった映画である。とにかく冒頭のシーンに度肝を抜かれる。
この主演のコンスタンス・タワーズという女優がちょっと凄い。
この売春婦が、身障の子ども達を介護する病院の看護士になるという展開に唖然とする。
ストーリーは、フラー自身が裏社会と人間の本性を知り抜いた男らしく、ふたりひねりぐらいした風変わりなものだ。
カメラワーク(モノクロ)も、よく動きまた意味ありげに静物を長回しで取り続けたり、ハリウッドの正統派にはないインディペンデントでトリッキーな面白さがある。
こういうアンチ・ハリウッドに、パリのヌーヴェルバーグの連中が引かれたのはよく分かる。
今まで、フラーの存在は知っていたが、映画を見るのは初めてで面食らった。もうちょっと見てみたい。
幸い7月には、フラーの「ショック集団」(1963)と「チャイナ・ゲート」(1957)がザ・シネマでTV放映されるので是非視聴したい。
この「裸のキッス」というタイトルに引かれてなんとなく見たスケベ野郎には残念な結果になったと思うが、原題も「The Naked Kiss」である。
この説明は映画の最後の最後にある。
そう言えばつんくの曲に「裸の裸の裸のKISS」があってJuice=Juiceというのが歌っていたな。
◆allcinema ONLINEの解説から引用
度胆を抜く開幕である。C・タワーズの娼婦がいきなりカメラに向かって殴りかかる。無論、その先に相手はいて、それは彼女の金をごまかしていた淫売屋の主だ。興奮した彼女がカツラを飛ばすと、坊主頭が観客の目に飛び込んでくる。この印象的な出だしが、映画の後半では、若干かたちを変えて繰り返される。ある時、孤独な娼婦に意外な来客があった。町の信望を一身に集める、警察官のグリフである。彼は、彼女ケリーに同情的で、また彼女も彼を愛するようになり、独立記念日に娼婦を辞めようと決意する。おりしも、町では子供の行方不明事件が多発し、グリフは憤りを彼女に洩らすのだが……。
複雑なグリフの役を、初めは、監督フラーの友人ロバート・ライアンが望んでいたという。結局、病気で断念したそうだが、もし実現していれば、より膨らみのある作品となっただろう。タワーズの迫力だけとっても、とんでもない映画である。小さな町の閉鎖性に虐げられてきた娼婦は、最後に一転、聖女扱いされる。ここに至って、フラーの描きたかったのは、病的な小児愛の衝撃ではなく、アメリカン・モラルの抱える偽善の問題であると明らかになる。様々な人種の子供たちが一緒になって走る、娼婦の夢のシーンも、その点を際立たせる。しかし、興行的には完敗し、以後、フラーの製作ペースは極端に落ちることになる。 |
/// end of the “cinemaアラカルト262「なかなか良い映画2本を紹介」”///
(追伸)
岸波
「人のセックスを笑うな」とはタイトルが秀逸だけど、中身は切なさ100%の恋愛映画なんだよね。
確かに普段、永作博美が演じているキャラとは全くかけ離れているけれど、そこはさすがに役者、実際に居そうな女性のように思えてくる。
今まで演じたキャラのイメージに引きずられなければ、これはこれでよく演じていると思います。
「裸のキッス」は冒頭のカメラをぶん殴って来るシーンでぶっ飛ぶよね。しかし、興行的には失敗したとある。
監督にとっては自信作だったんだろうな。この失敗以降、メガホンを取れなくなるほどのショック・・これも切ない話だ。
逆にこの後で代表作となるような作品が撮れれば、きっと遡って評価を受けるようになっただろうに。実に残念だ。
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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「人のセックスを笑うな」
(c)2008「人のセックスを笑うな」製作委員会
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