こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
最強の殺し屋、最大のミッションーー
誰も殺さず、希望を守れ。
二回目のコロナワクチン接種から二週間、遂にこれで「コロナ抗体」が付いたはず。(多分)
という事で、長かったAmazonプライム鑑賞三昧の生活を抜け出し、ケイコとともに『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』に足を運んでまいりました。
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ザ・ファブル 殺さない殺し屋
(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会 |
本来なら今年2月5日(金)に封切られるはずが公開延期となり、6月18日(金)にようやく解禁。
今回は悪の巨魁宇津帆を芸達者の堤真一が演じたり、キーウーマンとなる車椅子の少女佐羽ヒナコを欅坂46の元メンバー平手友梨奈が演じるなど話題も豊富。
しかし、何と言っても、どんな仕事も6秒で済ます最強の殺し屋のクセに猫舌で笑いのツボが他人とは違うあのヘンなファブル、佐藤アキラをきっちり演じる岡田准一君にもう一度会いた~い!
ということで、さっそく本編でございます。
映画の冒頭からいきなり「殺し屋」だった頃の佐藤アキラ(ファブル:岡田准一)が管理売春組織のメンバーを鮮やかに殺しまくるシーンが連続します。
1人、2人・・そして5人目は車で逃げようと立体駐車場の車に乗り込んだターゲット。突然現れたアキラが車のガラスを叩き割り、首をかき切って瞬殺。
ところがアクセルを全開に踏み込んだまま絶命したので車が暴走。しかも助手席には捉えられた少女ヒナコ(平手友梨奈)が乗っていた!
車は駐車場の4階からガードを突き破って転落。その刹那、アキラは助手席からヒナコを救出して空中で車からダイブ。二人は下に停めてあった車の屋根に激突します。
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ザ・ファブル 殺さない殺し屋
(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
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いやぁもう、必殺仕事人シリーズのクライマックスを冒頭に持ってきたようなド派手なオープニング・・このパターン、「ミッション・インポッシブル」か「ジョン・ウィック」か。こういう、観客をいきなり引き込む展開は大好物です。
今回の映画で悪の黒幕は、この売春組織の6人目のターゲットであった宇津帆(堤真一)。アキラが「仕事」にかかろうとしたところで、何故かボスからストップがかかる。
この宇津帆、実は5人目のターゲットの兄で、いつか組織を壊滅させられ弟を殺された恨みを晴らそうと、ファブルを狙っている。
宇津帆(堤真一)
表の顔は興信所の所長で青少年健全育成の社会運動家。しかし、裏では誘拐・ゆすり・タカリ・殺しと何でもありの極悪非道人。
手下は三人。プロの殺し屋スズキと手配師の井崎、そして車椅子の少女ヒナコ!?
そう・・ヒナコは立体駐車場から転落した事件で下半身不随となり、宇津帆の計略で両親を惨殺されて天涯孤独の身に。そこへ篤志家の顔をして接近した宇津帆の庇護を受ける形で一緒に暮らすことになったのです。
宇津帆の四人チーム
現在は大阪のデザイン企画会社「オクトパス」で普通の従業員として働いているアキラが公園を通りかかると、そこの鉄棒で車椅子から立ち上がる練習をしているヒナコに遭遇。
それが数年前、立体駐車場の一件で救出した少女だと分かり、命は救えたものの歩く機能を失った事に責任を感じたアキラはヒナコをサポートしようとする。
ヒナコ(平手友梨奈)
それが切っ掛けでアキラと宇津帆は再び相まみえることとなり、宇津帆は復讐の炎を燃やす。
さて、大がかりなファブル抹殺計画を巡らす殺人軍団を相手に、"殺してはいけない殺し屋"アキラはどう闘うのか?
はたまた、そこに巻き込まれたヒナコの運命や如何に!?
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ザ・ファブル 殺さない殺し屋
(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
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原作の『ザ・ファブル』は、南勝久が2014年から「週刊ヤングマガジン」に連載し2019年に第一部が完結した劇画作品。
僕が最初に出会ったのはAmazonのKindleプライムで最初の数巻が無料配信されていたのを見つけたもの。
これできっちりハマりまして、以後、22巻まで全巻購読することになったのです。(途中から有料・・またやっちまった。)
タイトルの「ファブル」というのは「寓話」という意味。決して仕事(殺し)に失敗しないので、誰も正体を知らず都市伝説とされているため。
原語の fable(寓話) は、本当は「フェイブル」と発音するのだけれども。
ま、そもそも「ファブル」というのは、裏の業界がその仕事人軍団を勝手に呼びならわしているもので個人を指すものでなく、佐藤アキラのパートナーであり妹役の佐藤ヨウコ(偽名)もまた「ファブル」の一員と言えます。
実写映画化された第一作『ザ・ファブル』は2019年6月に公開。
育ての親であるボスから"一年間、殺し屋を休業して普通の人間として暮らす"ことを厳命され、妹設定のヨウコとともに大阪で暮らし始める物語序盤が描かれました。
ヨウコ(木村文乃)
もちろんそこで様々な事件に巻き込まれ、「もし殺しをやったらボスが二人とも消す(殺す)」と制限された中、どうやって窮地を乗り切るかというのが最大の見せ場となります。
この設定こそが「ファブル」の肝。クライマックスでは殺せば簡単に済むものを"手加減しながら"何十人もの殺し屋軍団を相手に立ち回るド派手なアクションが繰り広げられました。
今回の「殺さない殺し屋」は単行本の10巻から13巻までの『宇津帆編』ですが、原作には”何十人もの殺し屋軍団”は登場しません。そうなると第一作で描かれた集団戦のクライマックスは描けません。
そこでストーリーを大胆に改変し、改修中のマンションの上階に住む耳の聞こえない少女に爆弾(らしきもの)を入れたリュックを背負わせ、工事作業員に化けた多数の殺し屋たちと共に幾重もの罠を張り巡らせ、「リュックには時限装置を入れてある」とファブルに通告。
タイムリミット・サスペンスです。
本来、アキラとは何の関係も無い少女ですが、絶対に見捨てられないアキラの性格を見抜いた卑劣な手段。それでもアキラとヨウコはその死地に赴くのです。
崩壊する足場を駆けるファブル
ココは凄いですよ、序盤の立体駐車場も凄かったけど。絶体絶命につぐ絶体絶命・・だけど一人でも殺したら自分たちがボスに消される(笑)
もう、握りしめた拳に、痛くなるほど力が入る事ウケアイ(笑)
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ザ・ファブル 殺さない殺し屋
(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
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この作品の魅力ですが、殺し屋稼業という殺伐とした内容でありながら、非常にユニークで笑える人物がたくさん登場するところでしょう。
まずアキラ(ファブル)自身ですが、大阪に移住して普通の生活を送る中でも敵に襲われないためにベッドでは寝ずに浴槽の中で眠る。だから夜は必ず素っ裸。
親しい知人が訪ねてきても、その素っ裸のまま登場する(笑)そして、その頭には唯一の同居人(鳥?)であるオウムが乗っている(大笑)
自宅でのアキラ(岡田准一)
また、極端な猫舌で熱いものが苦手・・なのに大好き(笑)
猫舌のアキラ(岡田准一)
デザイン会社で無理やり描かせられたイラストは下手だけれど、実にハートウォームで顧客から絶大な支持がある。
ハートウォームなイラスト
「なんで俺もやね〜ん」が決め台詞のお笑い芸人ジャッカル富岡(宮川大輔)が大好物で、クダらないギャグなのに彼だけがツボにはまり、笑い転げる。
ジャッカル富岡(宮川大輔)
普通の勤め人モードからファブル・モードに切り替わる時、思い切り「変顔」してスイッチを入れる。
これを望遠鏡で窺い見た組織の殺し屋スズキは「発作か!?」と(笑)
モード・チェンジ~♪
と、まあ、とにもかくにもヘンな最強兄さん。
僕はもともと岡田准一という役者がカッコつけの役柄ばかり振られて「このままでは大成しない」と危惧を抱いていたのですが、ファブルを演じた彼を見て評価が一変。大好きになりました。
また、色っぽさ全開の妹(設定)のヨウコ(木村文乃)は大の酒豪。オトコを前後不覚に陥るまで飲み勝負で圧倒し、ヘロヘロな姿を見て「カワイイ~♪」とのたまうドS女子。
色っぽいドS女子ヨウコ
デザイン企画オクトパスの社長田高田(タコウダ)は、いつも社員を気に掛ける優しい上司ですが、佐藤二朗が演じる以上、どう見ても佐藤二朗にしか見えない(笑)
また、アキラに思いを寄せる同僚のミサキ(山本美月:いずれアキラと結婚する)は、とにかくキュートで仕草が可愛い。
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田高田(タコウダ)とミサキちゃん♪
(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
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さらに今回は(演技はまだまだだと思いますが)、元欅坂46センターの平手友梨奈の新鮮で力一杯の熱演や悪の巨魁宇津帆を怪演した堤真一が光ります。
堤真一の怪演についてはネットに「リアルっぽくない」という非難も見受けられますが、「ファブル」の悪役はみんな「壊れて」いるのです。あの原作の雰囲気を演じられる役者は日本にそう居ないでしょう。
今回の映画の中で(原作にも登場しますが)記憶に残ったシーンを一つ。
宇津帆は、デザイン企画のアキラの同僚でミサキのストーカーをしている貝沼をユスリのターゲットに定め、選んだ理由を手下の井崎に言います。
「あの過保護なバカ親なら一億でもイケたろうよ。公園のブランコにしろ人生にしろ同じさ。ケガしながらケガしない方法を学んでく・・」
(井崎)「宇津帆さん・・人生のケガってなんですか?」
「恥と屈辱さ・・そうして自尊心が育つ」
悪党の言葉ですが、これはまさに真実。一切のケガをさせない過保護な親の愛情のために、むしろ人生をスポイルされていく子供たちの如何に多いことか・・。
ヒナコと宇津帆
さて本編では、逃げた宇津帆らを追ったヨウコが殺し屋スズキの罠に嵌って捕えられます。
磔にされたヨウコ。救出に向かうアキラ。そして、手りゅう弾や地雷の完全武装で待ち受ける宇津帆、スズキ、ヒナコ。
宇津帆はヒナコに「お前の両親の首をかき切って殺した仇はアキラだ」と嘘を教え、銃を隠し持たせて「お前がアキラを撃て」と命じます。
最終・最大のクライマックス。殺さない殺し屋ファブルは、どうやってこの危機を乗り越えるのか!?
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ザ・ファブル 殺さない殺し屋
(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
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クライマックスの果てには、大いなるドラマが用意されているのですが、そこは触れないでおきましょう。
この第二作、既に興行収入は20億円を越えて第一作を上回る事は確実とか。間違いなく、シリーズ三作目も作られるでしょう。
そうなるとラストはファブル同士の対決、そして裏切り・・いやがうえにも期待は高まります。
そうそう・・原作の方では間もなく第二部『ザ・ファブル The second contact』も連載開始の予定です。
/// end of the “cinemaアラカルト257「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」”///
(追伸)
岸波
原作のキャラと映画のキャストに関してですが、ヨウコと木村文乃は実にウリ二つ。そしてヒロイン役ミサキを演じる本業ファッションモデルの山本美月ちゃんも非常に原作キャラと雰囲気が似ています。
逆に、全然似ていないのが主人公アキラを演じる岡田准一クン(笑)
まあ、イケメン過ぎるという事なんですが、そのイケメンをぶち壊して変キャラを演じ切った准一クンは、この役で一皮剥けました。
原作のファブルに似ている役者って誰だろう??
原作のファブル(アキラ)
あ、もしかしてお笑い芸人のみやぞんが真面目な顔すれば近いかも!(笑)
ジャッカルとファブル?(笑)
そしてもう一つ・・変顔の話。
主人公アキラのモードチェンジの変顔も上出(↑)のとおり凄まじいですが、第一作では、ヨウコとミサキの美女コンビがコレに挑戦。
ヨウコとミサキ
まずはヨウコがこちら。
ヨウコの変顔チャレンジ
いやぁ、よくやるよ!
で、ミサキがこちら。
ミサキの変顔チャレンジ
いやいやいや、コレやり過ぎでしょう~!!?
さすが「女優魂」と感心した次第でございます。(大笑い)
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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To
be continued⇒ “cinemaアラカルト258” coming
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