こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
読み返せ。真実は、この中にある。
これは2019年のフランス/ベルギー映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』のキャッチコピー。
"「ダヴィンチ・コード」シリーズ出版秘話に基づく本格ミステリー"と銘打たれたこの映画、カリスマ彰の「絶対に観てはいけないシリーズ」ではなく「絶対に観た方がいいシリーズ」でもなく、第三の『もう少しで傑作になったかもしれない惜しい映画シリーズ』でございます(笑)
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー
(C)2019 TRESOR FILMS - FRANCE 2 CINWMA - MARS FILMS - WILD BUNCH -
LES PRODUCTIONS DU TRESOR - ARETMIS
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今週の映画も2本。それぞれの元原稿のタイトルは以下の通り・・
1 なんで日本人はいないの?それに6人でよかったんじゃないか?映画「9人の翻訳家」
2 ロバレの俳優業引退映画「さらば愛しきアウトロー」は暇つぶしにはいいが微妙な出来
ではカリスマ彰、よろしくお願いします。
岸波さま もう少しで傑作になったかもしれない惜しかった映画2本を紹介。
1.「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」(2019年 レジス・ロワンサル監督 1時間48分)
あなたは、この結末を「誤訳」する。
TV録画していた映画「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」を見た。
評判作らしく、確かに面白かったが、いろいろと疑問点があり、スキのない傑作というわけにはいかなかった。
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー
(C)2019 TRESOR FILMS - FRANCE 2 CINWMA - MARS FILMS - WILD BUNCH -
LES PRODUCTIONS DU TRESOR - ARETMIS
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第1巻、第2巻がベストセラーになり、完結編となる第3巻の出版権をセリ落とした出版社社長は、 10カ国語での同時発売を考え、9人の翻訳家と契約し外部との接触を断たせ、厳重警戒の地下シェルターで9人に翻訳をさせていた。
しかし、その原文がなぜか外部に漏洩し、出版社社長は8000万ユーロを支払わなければ原文を公開すると犯人から脅迫される。 犯人は9人の中にいるはずだが....。
1.なぜ日本語翻訳はなされないのか?不愉快だ!
2.デンマーク語、ポルトガル語、ギリシャ語の翻訳なんて要るのか?そもそも10カ国(原語のフランス語を含め)同時発売になんの意味があるのか?その結果9人も翻訳家がいるためにキャラクターの描き分けが十分でない不満がある。「6人の翻訳家」で十分ではなかったか。
3.あまり知られていないつまり信用できない無名翻訳家を起用するものなのか?などの疑問がすぐに浮かぶ。
4.極めて重要な冒頭シーンの本が燃えるシーンがなんのことか分からない!
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー
(C)2019 TRESOR FILMS - FRANCE 2 CINWMA - MARS FILMS - WILD BUNCH -
LES PRODUCTIONS DU TRESOR - ARETMIS
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ネタバレなので書けないが、さらにもっと大きな疑問・矛盾もある。
それに出版社社長はヤクザじゃないんだから、こんなに簡単にピストルぶっ放しちゃいけないですよ!
しかし面白かった。細かいことを言わなければ、そこそこには楽しめる設定・骨格のある映画なのだ。だから本当に惜しいのである。
◆allcinema ONLINEの解説から引用
世界的ベストセラー3部作の完結編が世界同時出版されることになり、機密漏洩防止のため9ヵ国の翻訳家が1ヵ所に集められ、完全隔離で翻訳作業に当たる中、脅迫メールとともに原稿が流出する事件が発生し、社長自ら犯人探しに奔走するさまを描いたミステリー・サスペンス。主演は「神々と男たち」のランベール・ウィルソン、共演にオルガ・キュリレンコ、リッカルド・スカマルチョ、アレックス・ロウザー。監督は「タイピスト!」のレジス・ロワンサル。
世界的ベストセラー『デダリュス』3部作の完結編『死にたくなかった男』の出版権を獲得した出版社社長エリック・アングストロームは、世界同時出版することを大々的に発表する。さっそく各言語の翻訳者9人がフランスの豪邸に集められ、一斉に翻訳作業を始めることに。しかしそれは、情報流出を防止するため、携帯やPCなどの通信機器を没収された上、広大な地下室に監禁され、完全監視の中で行わなければならなかった。ところが、そんな厳重な漏洩対策が施されていたにもかかわらず、ある日ネットに作品の冒頭10ページが流出する。そしてアングストロームのもとには“24時間以内に500万ユーロを払わなければ、次の100ページも公開する”との脅迫メールが届く。ごく限られた者しか原稿にアクセスできないことから、翻訳者の中に犯人がいると確信し調査に乗り出すアングストロームだったが…。 |
2.「さらば愛しきアウトロー」(2018年 デヴィッド・ロウリー監督 1時間34分)
ポケットに銃を、
唇に微笑みを、
人生に愛を。
ロバート・レッドフォード(1936.8.18〜)の俳優業引退作品ということでTV放映された映画「さらば愛しきアウトロー」を見た。
なかなか評判も悪くなくて、1時間34分なら見てもいいかと、視聴してしまったが、暇つぶしにはなったが、見なくてもよかったなあという微妙な出来だった。
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さらば愛しきアウトロー
(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved |
ロバート・レッドフォードこと「ロバレ」ももう84歳なんですなあ。彼とポール・ニューマンが主演した「明日に向かって撃て」の主題歌「雨にぬれても」を歌ったB・J・トーマスが5月29日に亡くなったことも視聴を後押したのかなあ。
「ハリウッドの伝説」の俳優業引退であるから、なかなか豪華なキャスティングだ。
シシー・スペイセク、トム・ウェイツ、ダニー・グローバー、ケイシー・アフレック、デイヴィッド・キャラダインなどが出演しているが、もったいない使い方だった。
顔は皺だらけになったが、ロバレは相変わらずカッコ良くて、クサイ芝居をやっているのだった。芝居の味わいや深みはあまり感じない。
むしろロバレの恋人役の老嬢を演じたシシー・スペイセク(「キャリー」の主役)や刑事役のケイシー・アフレック(「マンチェスター・バイ・ザ・シー」でアカデミー賞主演男優賞)がいい味出していた。
「この映画はほとんど事実である」という冒頭の文字の出し方なんかも「明日に向かって撃て」と同じだとか、ところどころにロバレの過去の映画の、パロディが出てくるようだ。
俳優ロバレの代表作としては、いろいろ上がるだろうが、結局「明日に向かって撃て」(1969年 ジョージ・ロイ・ヒル監督)と「スティング」(1973年 ジョージ・ロイ・ヒル監督)ということになるのかな。
いわゆる「スター」であって、私にはあまり興味のない存在だった。
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さらば愛しきアウトロー
(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved
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最後に、この邦題はなんとかならんのかなあ。頭に「さらば愛しき」と付けるとなんかイイ事あるのかね?
原題はヘミングウェイの「老人と海」を文字って「老人とガン」だが、これだと「老人と癌」みたいなのでせめて「老人と銃」かな。これもやっぱりおかしいか(笑)。
「フォレスト・タッカーの素晴らしき強盗人生」もやっぱりダメか(笑)。
◆映画.comの解説から引用
ハリウッドを代表する映画スター、ロバート・レッドフォードが本作を最後に俳優業からの引退を宣言し話題となった犯罪伝記ドラマ。銀行強盗を繰り返しながらも決して誰も傷つけず、常に紳士的に振る舞い続けた74歳の伝説の銀行強盗フォレスト・タッカーの驚きの実話を映画化。共演はケイシー・アフレック、ダニー・グローヴァー、トム・ウェイツ、シシー・スペイセク。監督は「ピートと秘密の友達」「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」のデヴィッド・ロウリー。
1980年代初頭のアメリカ。74歳のフォレスト・タッカーは、そのダンディな佇まいとは裏腹に、なんと現役の銀行強盗。しかしその手口はどこまでも紳士的で、誰一人傷つけることはなかった。そして、お金以上に銀行強盗そのものを楽しんでいたのだった。事件を担当するジョン・ハント刑事も、そんなフォレストの生き様に魅了されていく。一方フォレストは銀行強盗の傍ら、偶然出会った未亡人ジュエルとのロマンスも満喫していくのだったが…。 |
/// end of the “cinemaアラカルト256「9人の翻訳家 囚われたベストセラー+1」”///
(追伸)
岸波
なるほどなぁ、いずれも観てみたい映画ですな。
しかし・・久しぶりに見たロバート・レッドフォードだけれど、さすがに老け込んだなぁ・・今年84歳かな?
本人が"俳優引退作"と宣言したようだけど、とっくに引退したものと思ってたよ。
正直、ここまで老いぼれた彼を見たくは無かった。老優でも目の力が強い人たちはたくさん居るんだけれど、その「目力」が感じられないんだよね。
を! Amazonプライムに「無料」であった。どうしようかな?(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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さらば愛しきアウトロー
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