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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2021.5.22】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 お前の人生、
 このまま俺がもらうぞ。

 これは2012年公開、内田けんじ監督の「鍵泥棒のメソッド」を演劇集団キャラメルボックスが2017年に舞台化した時のキャッチコピー。

 映画版のキャッチコピーは後から出てまいりますが、こちらの方がシンプルで好みです。

 さて、続いてまいりましたカリスマ彰の『絶対に観てはいけないシリーズ』ですが、今回は本人から「たまには傑作を紹介させて下さい」と泣きが入ったので(笑)、傑作映画の二本立てでございます。

鍵泥棒のメソッド

(C)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会

 それぞれの元原稿のタイトルは以下の通り・・

1 大傑作映画「鍵泥棒のメソッド」をまたまた見て笑い転げる

2 ショーン・ヤングの大熱演や大どんでん返しあり大満足の映画「追いつめられて」

 ではカリスマ彰、よろしくお願いします。

岸波さま、次回シネマアラカルトネタです。 たまには傑作を紹介させて下さい。

1.「鍵泥棒のメソッド」(2012年 内田けんじ監督 2時間8分)

 入れ替わった人生、大金の行方、そして結婚――
 その先にはなんと、
 史上最高に爽快でトキメくラストが待っている!?

 TV放映された「鍵泥棒のメソッド」に偶然出くわした。既に見ている映画なのに最初から見てしまった。

鍵泥棒のメソッド

(C)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会

 この映画、なかなかよく出来た映画である。2回目なのに吸い込まれるように見てしまった。

 というか1回目に見た内容を殆ど覚えていないのだった。これ、個人的にはちょっとヤバい傾向で笑えない。

 その個人的認知症的危惧はともかく、「絶対に見てはいけない映画」を選んで見ているのでは?と思われてもなんなんで、この大傑作映画を大推薦しておく。

 なんで殺し屋(香川照之)が銭湯に入ろうと思ったのか?これがこの映画の発端である。そしてあの日本映画史に残る名場面が銭湯内で起こる。 ここで笑わない人はいないはず。

 個人的には、その銭湯にいた貧乏劇団員(堺雅人)がその後買って着ることになる「ユニクロ」のネイビーギンガムチェックのボタンダウンシャツを見て、このシャツを私は6枚も大人買いしているので、大笑いした。

 堺雅人の貧乏劇団員ぶりがいい味出してます。

 そう言えば、香川照之と堺雅人はこの1年後、「半沢直樹シリーズ」でまたまたホームランをかっ飛ばすのだった。

 とにかく脚本が素晴らしい。キャスティングが素晴らしい。もうこの2つだけで映画はまず成功するということを改めて実感。

 凄腕殺し屋が記憶を取り戻すキッカケになるのはベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調作品131の冒頭。

 ひょんなことから、凄腕殺し屋は雑誌編集長(広末涼子)と知り合い、その自宅の亡き父のオーディオルームでこの曲を聞くことになる。

 なんでこんな難しい曲を選んだのだろうか。個人的に好きなクラシック曲のベスト10に入る曲なのでその選択に驚く。

 ヌーヴェルバーグの開祖ジャン=リュック・ゴダール監督が映画中でよく使っていた曲だが、内田けんじ監督はそれを知っていたのかな。

鍵泥棒のメソッド

(C)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会

 それはともかく、とにかく見どころ、聞きどころ満載で伏線回収の見事さもあきれるばかりの映画である。

 さらに広末涼子の天然ボケぶり、ヤクザの情婦役の森口瑤子の不貞腐れぶりもいい。ただし荒川良々のヤクザの親分はちょっと若いかな。

 とにかく「アフタースクール」など内田けんじ監督の他の映画は早急に見なきゃならんと心に誓ったのだった。

◆allcinema ONLINEの解説から引用

「運命じゃない人」「アフタースクール」の内田けんじ監督が、堺雅人、香川照之、広末涼子を主演に迎えて贈る痛快コメディ。ひょんなことから人生が入れ替わってしまった対照的な2人の男と婚活中の女性が巻き起こす奇想天外な物語の行方を、内田けんじ監督ならではの予測不能の展開と巧みな構成で軽妙かつスリリングに描き出していく。

 自殺願望のある売れない役者・桜井武史。ある日、銭湯で羽振りのいい男が転んだはずみに頭を強打して記憶を失う現場に居合わせる。とっさにロッカーの鍵をすり替え、彼になりすます桜井。ところが、その男が誰も顔を見たことがない伝説の殺し屋コンドウだったことから窮地に陥ってしまう。一方、自分を貧乏役者の桜井だと思い込んでしまったコンドウは、真面目に演技の勉強に取り組み始める。すると、そんなコンドウの姿に女性編集者の水嶋香苗が好意を持ってしまう。やがて、婚活に必死な彼女からプロポーズされてしまうコンドウだったが…。


2.「追いつめられて」(1984年 ロジャー・ドナルドソン監督 1時間54分)

 この愛は罠か
 真実を追えば
 逃げ道がなくなる

 TV放映された映画「追いつめられて」を見た。

 最近良い作品に当たらず、慎重に選んだら80年代前半のサスペンス映画になってしまった。

追いつめられて

 ケビン・コスナーが主役で海軍の英雄の中佐役で、ジーン・ハックマンがその上司の国防長官役。

 なんと、なんとコスナーは国防長官の愛人(ショーン・ヤング)と愛しあってしまうのだ。

 ジーン・ハックマンは1997年の「目撃」(クリント・イーストウッド監督)では、似たような役で米国大統領を演じている。

 映画人が抱く米国権力者のイメージに近い役者のようだ。

 ヒロイン役のショーン・ヤングは映画「ブレードランナー」(1982年)のレイチェル役でブレークしたが、2017年の「ブレードランナー2049」でもレイチェル役で再登場しているが、これが見事な脱ぎっぷり!

 参りましたわ。ハイ。もうこれだけでお腹一杯なんですが(笑)、コスナーとチュッチュッチュッと雀のロングロングラブシーンで、オイちゃんと仕事せんかい状態!

 さらに、ちょっと国防長官が嫉妬からありえない蛮行に出る!そしてとんでもない展開を経て、え、それありなの?の大どんでん返し!

 これはなかなか見事なエンターテインメント&サスペンス映画だ。大推薦します。

◆allcinema ONLINEの解説から引用

 主人公の連絡将校と恋におちた女が殺された。彼女が国防長官の愛人だったために事件の捜査を任された将校は、次々に出てくる物的証拠が全て自分を犯人として指し示す物である事を知る……。容疑者に仕立てられた本人が自分を捜索するというプロットがユニークな作品だが、これは舞台が雑誌社だった'48年の「大時計」をリメイクしたもの。国防省に舞台を変え、軍事スリラーの要素を盛り込んだのは正解だったようだ。

 ある日、国防長官ブライスの就任パーティーに招かれた海軍将校のトムは、そこでスーザンという美しい女性と出会い恋に落ちる。やがて、国防長官の部下となったトムは、スーザンの部屋で愛し合っていたところ突然ブライスの訪問を受け、身を隠す。実はスーザンはブライスの愛人だったのだ。しかし、トムの存在に感づいたブライスは嫉妬に狂った末、スーザンを殺害してしまう。そして秘書のプリチャードへ処理を託し、殺人事件としてトムがその捜査を任されることに。ところが、出てくる証拠の数々は全てトムが犯人であることを指し示していた。こうして窮地に立たされていくトムだったが…。

 

/// end of the “cinemaアラカルト252「鍵泥棒のメソッド+1”///

 

(追伸)

岸波

 ですよね~ 出たらめに観たって、中には”当たり”もあるはず。駄作だけ選んで観ているわけではありません。

 しかも「半沢直樹」前の堺雅人ですか。彼が出ている映画・ドラマでつまらなかったモノは無いように思います。

 まあ、キャラが強すぎるので、どの作品でも似たようなキャラに見えてしまうのは仕方がないとして(笑)

 面白そうなので、amazonプライムで・・を!あった! 無料視聴できるので、今夜観てみるよ。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

「鍵泥棒のメソッド」舞台挨拶で

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Give the author your feedback, your comments + thoughts are always greatly appreciated.

 

To be continued⇒  “cinemaアラカルト253” coming soon!

 

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