こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
ーーーすべて、終わらせる。
スター・ウォーズ・サーガ全9作の完結編「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」をケイコと観てまいりました。
第一作「Episode.4 新たなる希望」が1978年に日本公開されてから42年。その頃の僕はまだ弱冠23歳。若かったなぁ・・(ウルウル)
ついにこれで完結。まことに感慨深いものを禁じ得ません。
しかあしっつ!!
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
(C)2019 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
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この最終作に関して、いろんなことが言われています。ネットで目に付くのは否定的な感想でしょうか。Wiredに書かれていたものなど、もうボロクソ。
いわく「J.J.エイブラムスの器用さをもってしても、傷つけられたシリーズの名声を回復するのは不可能だった」。
また「誰も望んでいなかった結末に向けて疾走し始めた」、「期待外れの結末」等々。
いやぁ、そんなに酷かったですか??
ということで、今回はいつもとスタイルが変わり、あちらこちら脱線する予定なので「雑考」と銘打ちました。
作品のストーリーは、今どきネットを見れば丁寧なネタバレ解説がいくらでもあるので、詳しくはたどりません。
さて、前作のEpisode.8「最後のジェダイ」までで、いつくか大きな謎が残されています。
その最大のものは、新たなる主人公レイの出自に関するもの。
レイ(デイジー・リドリー)
両親は名もない庶民とされていましたし、宿敵カイロ・レンからスカイウォーカー家とは関係ないとダメ出しされていたけれど、果たして本当なのか?
しかし、あの陰気なルーク(失礼!)が子を作ったとは思えないし、元々遊び人のハン・ソロがレイア姫にナイショで隠し子を作ったのはありそうだけれど、さすがにそれでは英雄伝説台無しだし・・。
この点について、世のスター・ウォーズファンから議論百出で、有力と思われたのはオビ・ワン・ケノビの子孫だったという説。(ありそうだ・・)
「ネ、ケイコ、どう思う?」
「多分アレよ、ヨーダの娘!」
「ええ~ 身体つきが違いすぎるだろ!?」
「ええい、フォースの力を信じないのかっ!」
ええ~!! ヾ( ̄0 ̄; )ノ
ヨーダ
そしてもう一つの謎は、ハン・ソロとレイアの子でありながらダークサイドに落ちたカイロ・レン(ベン・ソロ:アダム・ドライバー)はライトサイドへ帰って来るのか?
まあ、こちらの方はバッド・エンディングでNHK朝ドラの黒歴史を作ってしまった「純と愛」ではあるまいし、サーガ・ファンが許すはずもなく必ず良心を取り戻すはず。
しかしそこで大問題が。
Episode.7でカイロ・レンはファースト・オーダーの首魁スノークを殺害し、自らレジスタンスの敵であるファースト・オーダーの指導者となったはず。
最初の三部作Episode.6「ジェダイの帰還」では、良心を取り戻したダースベイダー(アナキン・スカイウォーカー)がルークと協力して巨悪のパルパティーンを打倒しましたが、もはや自分自身がラスボス。
「いったい誰を倒すんじゃい!」との大疑問。
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
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この二つの疑問に関し、Episode.9は誰も予想し得なかった答えを用意していました。
すなわち、旧三部作で死んだはずの帝国軍指導者パルパティーンの復活。厳密に言えば、シス卿パルパティーンはアナキン&ルーク親子に殺されたけれども、シスの秘技によって新たな肉体で魂が蘇ったというもの。
さらに、ファースト・オーダーの首魁スノークは、そもそもパルパティーンが造ったもので、クローンから何回でも蘇らせられるという魔回答まで。
しかも・・主人公レイはパルパティーンの孫娘で、レイをダークサイドに導き、自分の後継者とすることが真の目的だった。(ええ~!何ですとっ!!!?)
この筋立てには驚きました。・・うむぅ、そう来たか。
パルパティーンとレイ
この設定だけでも、ファンの期待を十分に斜め上に裏切った名回答と思うのですがどうか?
宇宙戦のCGが今までとそんなに変わらない? そんなことはどーでもいいんです。既にCGは完成の域に近づいているんですから。
そんなことより、デススターが堕ちた残骸の荒海の上でレイとカイロ・レンが闘ったシーン、素晴らしいと思いませんか? あの荒波の描写は凄かった。
また、激闘の末、カイロ・レンを打ち破ったレイが彼の一縷の良心を信じ、フォースで傷の手当てをするところ・・最凶の敵を味方に。まさに日本RPGの王道。燃えませんか、こういうところで。えーい、どうなんだ!(笑)
レイ vs カイロ・レン
はたまたラストシーンで絶体絶命・孤立無援のレジスタンス軍に、ハン・ソロの盟友ランド・カルリジアンが味方の大軍を引き連れて現れるところ・・これなんか「エイリアン2」でエイリアンクイーンに屋上の端まで追い詰められたリプリーの背後から、死んだ(壊された)はずのアンドロイドが上半身だけで飛行艇を駆って救出に来る・・あれに匹敵する名シーンだと思いませんか?
しかも、ランド・カルリジアンを演じたのはEpisode.5「帝国の逆襲」と同じビリー・ディー・ウィリアムズですよ。
この出演は「アメリカ映画史上、同一の役を同一の俳優が演じた、最もインターバルの長いケースの1つ」(Wiki)だそうです。
ランド・カルリジアン新・旧
僕の盟友Pie造さんが「ミステリ&シネマ・パラダイス」で、こう書いています。
スターウォーズにそれほど思い入れはないから 素直に楽しめたよ👍 この大団円は良いと思います! ◆補足 血統は関係ないって言っていたのにとかあるけど、関係ないからこそスカイウォーカーって名乗ったんじゃないのかな? そこ、そんなに気にするところ? 今年一本目。ファーストデイ。素直に面白かった。アベンジャーズよりは間違いなく良い。そもそも昔からこういう映画でしたよ。神格化しすぎなだけ。確かに同じようなことの繰り返しだけどね😅
「ミステリ&シネマ・パラダイス#671」by Pie造 |
そうなんです。期待値上がりすぎ、神格化しすぎなだけだと思います。
それともう一つ。Episode.8「最後のジェダイ」で登場したローズ・ティコ (ケリー・マリー・トラン)がベトナム系アメリカ人であったことに対する誹謗中傷・・これは許せません。
スター・ウォーズの主要キャストにアジア系俳優が抜擢されたこと、果ては彼女自身に対してまで散々なヘイトスピーチが浴びせられました。
ローズ・ティコ
これって、英王室ヘンリー王子のメーガン妃が有色人種系の血を引いているためバッシングを受けたことと重なりませんか。
あちらは、世論の人種差別意識に怒ったヘンリー王子の王室離脱まで行っちゃったし。
こうした欧米に未だに残る人種差別意識・・オバマ大統領の登場でずいぶん変わったと思っていたのですが、こういう事件を見るとまだまだだと感じるのです。
今回の「スカイウォーカーの夜明け」では、前作のバッシングを考慮して、ローズ・ティコの出演シーンを減らしたとの話もありますが、そうであったとすれば可哀そうなことだと思います。
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
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上の写真でレイとレイア姫が抱き合うシーンがありますが、まさか前作のクランク・アップ前に亡くなったキャリー・フィッシャーが再び登場するとは思いませんでした。
聞くところによれば、これらはCGではなくEpisode.7と8で未使用だった彼女の登場シーンをつなぎ合わせて作られたとのこと。全く違和感を感じませんでした。
死んだはずのハン・ソロも重要な回想シーンで登場しましたので、レイアが再登場したのは嬉しい限り。それにしてもよく繋いだものだ(笑)
ソロに抱かれるレイア
また、映画のパルパティーンとの最終決戦で危機に瀕したレイに、歴代のジェダイたちが声で励ますシーンがありました。
ルークはもちろん、ヨーダ、メイス・ウィンドゥ、クワイ=ガン・ジンにアナキン・・。(アニメ版で登場したジェダイも加わっていたそうです。)
まさに最終版にふさわしいサービス。全作品を(ほぼ)封切り初日に劇場で観てきた僕にとって、感慨深いものがありました。
ところで、歴代9作のスター・ウォーズシリーズに外伝の「ローグ・ワン」と「ハン・ソロ」も含め、最も営業成績が良かったのはどの作品だったか解りますか?
最上位だったのは実は続三部作のEpisode.7「フォースの覚醒」で、世界歴代4位という成績を残しています。
1位は「アベンジャーズ・エンドゲーム」2位は「アバター」3位は「タイタニック」。統計によっては「フォース」が「タイタニック」の上というのもありますが、根拠は確認できませんでした。
ルークとレイア姫
そして、第2位は同じく続三部作のEpisode.8「最後のジェダイ」で歴代11位。その次が外伝の「ローグ・ワン」で27位、4番目が新三部作のEpisode.1「ファントム・メナス」で歴代32位。コアなファンが支持する旧三部作のEpisode.4「新たなる希望」はぐっと下がって歴代83位に過ぎません。
「フォースの覚醒」からの続三部作は、コアなファンからは叩かれ通しですけれど、公平な数字から見れば最も支持されているという事実があるのです。
今回の最終作「スカイウォーカーの夜明け」もネット上ではディスる意見が目につきがちですが、多くの映画ファンは満足しているのではないかと思うのです。
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
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さて、良心を取り戻したベン・ソロが最後にどうなるか、という件ですが・・。
終盤のレイ+ベン・ソロとパルパティーン卿の闘いで、先にベン・ソロが倒され、奈落の底に落ちて行きます。
これに激オコとなったレイがスーパーサイヤ人と化し(笑)、二刀流でパルパティーンを打ち破るのですが、レイの方も力を使い果たして死んでしまう・・。
と、そこに奈落から這い上がったベン・ソロ(まだ生きていたんだ!)が、自分の命のフォースを燃やしてレイを生き返らせ、代わりに自分が消えて行きます。
レイにフォースを使うベン
このシーン・・驚きました。だってタイトルが「スカイウォーカーの夜明け」なんですよ。ベンはスカイウォーカー家最後の一人なのに!?
姿が消えただけで実際は生きているのではないか? ・・映画が終わってからもそう考えて調べまくりました。
すると・・オビ・ワン・ケノビがダースベイダーに敗れた時も姿が掻き消えた事に思いが至りました。
あれは、生命エネルギーが大きなフォースの一部となって肉体は消滅する・という演出だったのですね。
ベン・ソロが好きになりかけていたのに残念でした・・。
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
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ならば「スカイウォーカーの夜明け」というタイトルの意味は?
ご安心ください。映画の最後の最後でレイに語られるセリフがすべてを回収しています。
ある人に姓名を問われたレイは「レイ・・スカイウォーカーです」と名乗るのです。
これに関しては、ベンの命(フォース)をもらった時にレイは妊娠したんだ・という穿った見方もあるようですが、どうなのか?
結局・・「スカイウォーカーの夜明け」でJ.J.エイブラムスが伝えたかったメッセージとは何なのか?
それは、志を嗣ぐ者が次代を創っていく・・血統や才能ではなく・・そういう事ではないでしょうか。
志とそれにふさわしい精進があれば夢は叶えられる・・ある意味のアメリカン・ドリームと言えるかもしれません。
いずれにしても、スター・ウォーズ・サーガは我々に多くのものを残してくれました。ずっと語り継がれて行く物語だと思います。
スター・ウォーズよ永遠なれ。
/// end of the “cinemaアラカルト232「スカイウォーカーの夜明け・雑考」”///
(追伸)
岸波
これで、紆余曲折はあったもののルーカスが当初から構想していた全9部作が完結しました。
特に続三部作が二年おきに上映されるその間には「ローグ・ワン」と「ハン・ソロ」のスター・ウォーズストーリーも作られて、毎年愉しませてくれました。
これで42年にわたる一大叙事詩もおしまい・・と思ったら、あにはからんや!
何と、次なる三部作の制作が発表されました。(ええ~!!?)
米ウォルト・ディズニー・カンパニー/ルーカス・フィルムの発表によると、第1作目が2022年12月16日、2作目が2024年12月20日、3作目が2026年12月18日に公開される予定だそうです。
新三部作の監督は「最後のジェダイ」でメガホンを取ったライアン・ジョンソンが務めるということも公表されています。
なんだ「すべて、終わらせる。」じゃなかったのか(笑)
また「新たなる希望」が生まれてきましたね(大笑)
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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