こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
江戸時代、
本当にあった
”お引越し”
前回の配信から一か月余り。この間、3本の映画を劇場で観てまいりました。
ということで、cinemaアラカルトの方でも総集編。「ドラゴンクエスト/ユア・ストーリー」の前に観た2本と合わせて都合5本の映画を二回に分けてレビューしたいと思います。
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引っ越し大名!
(C)2019「引っ越し大名!」製作委員会
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それらの映画は…
「ザ・ファブル」
「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」
「引っ越し大名!」
「記憶にございません!」
「ブレードランナー:ファイナル・カット」の5本。
まず今回は、「ファブル」から「引っ越し」までの3本でございます。
◆『引っ越し大名!』
福島フォーラム:8月30日(金)鑑賞
引っ越しは
戦でござる。
「超高速!参勤交代」の脚本を手掛けた土橋章宏の歴史小説「引っ越し大名三千里」を星野源主演、高橋一生、高畑充希の共演で映画化。
何度も国替えを命じられて藩財政がひっ迫し、ノウハウを知る国替え家老は激務のため死亡。
誰もやりたくない引っ越しの責任者に、いきなり抜擢された姫路藩書庫番の片桐春之介(星野源)の七転八倒を描いた作品。
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引っ越し大名!
(C)2019「引っ越し大名!」製作委員会
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これは大いに笑いました。 が…
驚いたのは、越前松平家の藩主松平 直矩(まつだいら なおのり)が最後に国替えを命じられたのが白河藩。そう…この福島県だったこと。
慌てて調べてみると、生涯に七度も国替えを命じられたこの松平 直矩は実在の人物で「生涯七度」も含めて実話がベースになっていた事。
史実でも七度の国替えで藩財政が極度にひっ迫し「引っ越し大名」という異名をとることになったとか。うわぁ、これは酷い!
寛政の改革を行った白河藩主松平定信は田安家(徳川吉宗の孫)なので、系譜ではない。
星野源は実にハマリ役。実直で真面目、それ故え損をするという人物を演じさせたら天下一品ですね、この人は。
一騎当千の豪傑(高橋一生)
また、女好きの豪放磊落な豪傑鷹村源右衛門を演じた高橋一生も「キャラ違うやん!」と思ったのに、ちゃんと演じている。
どんな役でも行ける演技派だと改めて感じました。
◆allcinema ONLINEの解説から引用
『超高速!参勤交代』シリーズの土橋章宏が、生涯に7度も国替えを命じられ“引っ越し大名”とあだ名された実在の大名・松平直矩のエピソードをベースに著わした時代小説『引っ越し大名三千里』を、星野源主演で映画化した痛快時代劇コメディ。ある日突然、お城の引っ越しという一大プロジェクトの総責任者に抜擢された引きこもり侍が、立ちはだかる難題に悪戦苦闘しながらも、仲間の助けを借りながら知恵と工夫で乗り越えていく奮闘の行方を描く。共演は高橋一生、高畑充希、小澤征悦、濱田岳、西村まさ彦、松重豊、及川光博。監督は「のぼうの城」「グーグーだって猫である」の犬童一心。 江戸時代の姫路藩。本の虫で書庫番を務める片桐春之介は、人と話すのが苦手で、いつも書庫にこもって静かに本ばかり読んでいた。ところが藩では姫路(兵庫)から日田(大分)への国替えという一大事が勃発。国替えは藩士のみならずその家族も含めた藩全体が引っ越しをするという桁外れの費用と労力を要する難事業。しかも藩の財政は逼迫しており、必要な予算をとても用意できない。そんな国の存亡の危機に、なんと全体を取り仕切る引っ越し奉行の重責を春之介が務めることに。すっかり途方に暮れながらも、幼なじみで武芸の達人・鷹村源右衛門と、今は亡き前任者の娘で国替えの手順に精通した於蘭の力を借りて、懸命にこの不可能とも思える一大プロジェクトに立ち向かっていく春之介だったが…。 |
◆『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』
イオンシネマ福島:8月2日(金)鑑賞
Join the Family
ドウェイン・ジョンソンが主演するカ―アクション「ワイルド・スピード」シリーズの第9作目。
前作の「ICE BREAK」から二年後の世界が舞台で、今回はシリーズ初のスピンオフ作品となっている。
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ワイルド・スピード/スーパーコンボ
(C)Universal Pictures
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この映画、後から「スピンオフ作品」と知ってようやく納得。
だって、常にファミリー(チーム)と共同作戦で悪をやっつけるというパターンなのに、当のファミリーがいつになっても出て来ないのですから。
今回の敵は殺人ウィルスの奪取を狙う国際テロ組織「エティオン」。そして相棒はホブス(ドウェイン・ジョンソン)とは犬猿の仲である元MI6のエージェント、ジェイソン・ステイサム(デッカード・ショウ)。(うわぁ、こりゃモメルわ!!)
またモメてる…。
しかし、しかしですよ…
このシリーズ、これまでの闘いでどんなツワモノであろうが、どんなハイテクを駆使して来ようが、全て完全撃破。
しかも、今回の相棒は(仲が悪いとはいえ)最強の手練れでありライバルでもあるデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)。
この最強の二人に対峙できる悪役なんてまだいるの!? …というのが最大の見所。いたんですねぇコレが。
「人類の殲滅による世界の浄化」の実現を目指す狂信的テロ組織エティオンのリーダーは、かつてホブスが射殺したはずのブリクストン(イドリス・エルバ)。
全身をサイボーグ化して蘇り、戦闘に特化したチューンナップを施した、まさに全身凶器。(狂気でもある。)
ブリクストン(イドリス・エルバ)
いやぁ、コイツは強い。人間を超えてる。(当たり前だ。)
で、最後は仲良くやっつけてハッピーエンド。
登場人物でもう一人、ジェイソンの妹でMI6エージェントのハッティ・ショウ(ヴァネッサ・カービー)もとんでもない強さ。痛快なり。
また、ホブスがサモア出身であることが初めて明かされ、「ファミリー」の代わりにホブスの本当のファミリーが、襲い来るハイテク・エティオン部隊にこん棒などローテク武器と気合で闘うというシークエンスも楽しい。
これが”Join the Family”(キャッチコピー)の意味だったんですね。
サモア・ファミリーの逆襲
それにしても…
もうこの二人の相手ができる強敵なんて、太陽系に存在しないんじゃないの?
あ…まさか!??(大笑)
◆allcinema ONLINEの解説から引用
世界的大ヒット・カー・アクション「ワイルド・スピード」シリーズの人気キャラクター、ドウェイン・ジョンソン扮する元FBI特別捜査官ルーク・ホブスと、ジェイソン・ステイサム扮する元MI6エージェント、デッカード・ショウを主人公に贈るアクション・エンタテインメント大作。世界を救うため、渋々手を組むことになったホブスとショウが、互いに衝突を繰り返しながらも、最強の敵を相手に繰り広げる壮絶な攻防の行方を、シリーズ史上最高のスケールとアクションで描き出す。共演は「マイティ・ソー バトルロイヤル」のイドリス・エルバと「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」のヴァネッサ・カービー。監督は「アトミック・ブロンド」「デッドプール2」のデヴィッド・リーチ。 ロサンゼルスに暮らすワイルドでパワフルな元FBI特別捜査官ルーク・ホブスは、娘との関係に頭を悩ませる日々。一方、おしゃれでクールな元MI6エージェントのデッカード・ショウは、ロンドンで優雅な生活を送っていた。折しも、MI6の女性エージェント、ハッティがテロ組織から危険な新型ウイルス兵器の奪還に成功するものの、肉体改造で超人的戦闘能力を備えた男ブリクストンに追われ、ウイルスとともに行方をくらましてしまう。実は、ハッティはショウの妹でもあるのだった。そこでホブスとショウの2人に、ハッティ救出のミッションが課されることに。最初は当然のように反発する2人。それでも世界を危機から救うため、渋々ながらも協力して事態解決に乗り出すのだったが…。 |
◆『ザ・ファブル』
イオンシネマ福島:6月21日(金)鑑賞
誰も殺さず、救えるか。
南勝久による人気劇画「ザ・ファブル」を岡田准一の主演で映画化。
圧倒的な強さから「ファブル(寓話)」と呼ばれる殺し屋の殺し屋が主人公。
彼は組織のボスから「一年間、人を殺さずに大阪で休養して来い」との命を受け、監視役で妹想定の女殺し屋ヨウコ(木村文乃)と共に関西の組事務所を頼って普通人の生活を目指す。
ところが、住処の世話などで厄介になっている組に内紛が起こり、関与したくないにも関わらず二人は巻き込まれ…。
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ザ・ファブル
(C)2019「ザ・ファブル」製作委員会
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うん、一皮むけましたね、岡田准一くん。
実は、僕が以前「このまま在り来たりのカッコイイ役しかやらないのでは、どこかで行き詰まる」と危惧していた中堅俳優の一人が彼。
でも、この殺し屋ファブルは最凶の男でありながら、仕事モードに入る時には「思いっきり変顔」しないとチェンジできないとか、誰も評価しない三流芸人の大ファンで密かにビデオを撮り溜めているとか、似顔絵を描かせるとホンワカした子供向けの絵しか描けないとか、すごい面白設定なのです。
相棒のヨウコ(木村文乃)も大酒のみの美女でありながら、バーで言い寄る男を呑みつぶし、ぐでんぐでんになったところを介抱してHしたいというドS設定。
そう… バイオレンス漫画でありながら、大笑いできる面白ストーリーなのです。
ドSのヨウコ(木村文乃)
このファブルを岡田准一くんがどう演じるか? …ついにやってくれましたよ、思いっきりの変顔(笑)
で、悪役のヤクザたちを演じる向井理、福士蒼汰、柳楽優弥らのぶっ壊れぶりがまた凄い。向井君など、一瞬、彼と気付かなかったほど。
マンガも面白いけど、映画も一見の価値あり。
特に超美人のミサキ(山本美月)が酔っぱらったヨウコ(木村文乃)から鼻の穴に指を突っ込まれて無理やり変顔させられるシーンは爆笑もの。
もしかしてこの江口カン監督、ドSなのでは?(大笑い)
◆allcinema ONLINEの解説から引用
「SP」「図書館戦争」の岡田准一が、一般人として普通の生活を送るという過酷なミッションに挑む伝説の殺し屋を演じる痛快アクション・コメディ。南勝久の大人気コミックスを原作に、誰も殺してはならないというボスの指令を忠実に守ろうとする主人公に、次々と試練が襲いかかるさまを、迫力のアクションとともにコミカルに描く。共演は木村文乃、山本美月、佐藤二朗、安田顕、佐藤浩市。監督は「ガチ星」「めんたいぴりり」の江口カン。 どんな相手でも6秒以内に殺してしまう伝説の殺し屋“ファブル(寓話)”。ある日、彼の育ての親でもあるボスに呼び出され、一年間の休養を命じられる。しかも、その間は決して人を殺してはならないとクギを刺される。ボスには絶対服従のファブルは佐藤アキラという偽名を使い、相棒のヨウコと兄妹のフリをして、大阪の街で一般人として暮らし始める。不慣れなことばかりで戸惑いつつも、真面目に普通の生活を学び、一般社会に溶け込もうと奮闘するアキラ。バイト先の女子社員ミサキや社長の田高田とも親しくなり、少しずつ普通の生活が板についてきたアキラだったが…。 |
/// end of the “cinemaアラカルト226「引っ越し大名!+2」”///
(追伸)
岸波
そうそう…「引っ越し大名!」のラストシーンは中々に感動的。
実際、どうオチを付けるのか、予想が付かないところがあったのですが…。
大名が改易される時、同じくらいの石高の藩へ移るならまだしも、行き先が小藩だった場合、当然に今までの家臣団を召し抱える訳には行かなくなります。
この誰もやりたくない…藩士のリストラも国替え家老の重要な役目なのです。
そこで片桐春之介(星野源)は「いずれ召し抱えが可能になったら必ず藩に戻ってもらうから」と約束をします。
そしてそれが叶うのは、遥かな時を経た最後の国替え、白河藩でのこと。
しかしこの間、失意のままに亡くなった家臣、新たな土地に根を下ろして再任用に応じられくなった家臣など、それぞれの事情が生じていました。
春之介は白河小峰城の庭先に家臣団を集結させ、着任する藩主を迎えたその場で、白布を被せてあった覆いを取り去ります。
するとそこには、失意のままに亡くなった家臣らの「連名碑」と、刀を鍬に持ち替えて土着した家臣たちから忠誠を託された刀身群があったのです。
春之介は宣言します。
「これにて全員が揃いました」
万感の思いに天を仰ぐ者… 声にならない嗚咽をかみ殺すもの…
いいシーンだったなぁ…ココ。
では、次回の“cinemaアラカルト”総集編”の後編で・・・See you again !
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ブレードランナー:ファイナル・カット
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