こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
若きハン・ソロを描く、スター・ウォーズ最新作!
前回に引き続き、2018年上半期の鑑賞作品について簡単にご紹介するシリーズ。
6月29日(金)封切り・鑑賞という事で、ギリチョン「上半期」だった「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」のご紹介です。
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
(C)2018 Lucasfilm Ltd. All Rights reserved
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「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」に続く「スター・ウォーズ」のスピンオフ作品第二弾。
では、早速参りましょう。
◆『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』
福島イオン・シネマ:6月29日(金)鑑賞
すべての男(ヒーロー)に、はじまりの物語があるーーー
もう一つのキャッチコピーがこちら。うん、こっちの方がカッコいいかも。
「ローグ・ワン…」はシリーズ第一作のエピソード4「新たなる希望」に繋がる直前の物語でしたが、今回の「ハン・ソロ」はそれよりさらに10年前、宇宙の密輸業者ハン・ソロの若き日を描いたストーリーです。
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
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押しも押されぬスター・ウォーズシリーズのヒーロー、ハリソン・フォードが演じるハン・ソロの前日譚ということで大いに期待は高まったのですが、新たに「若き日」を演じるオールデン・エアエンライクがハリソン・フォードに余り似ていない事もあり、若干の不安も。
彼は3000人に及ぶ候補者から選考され、製作総指揮(の一人)クリス・ミラーに「キャスティングの困難さでは史上空前の一つ」と言わしめた若手有力俳優なのですが…。
また、もう一つの不安材料は前作「エピソード8最後のジェダイ」が興行的に失敗していること。
「Episode.8 最後のジェダイ」
僕が思うに、メイン・ヒーローであるルーク・スカイウォーカーが、ハン・ソロとレイア姫の息子であるカイロ・レンをダークサイドの反乱者にしてしまうきっかけを作った人物として描かれ、イメージが大きくスポイルされた事と無縁ではないと思います。
この点に関しては演じたマーク・ハミルも大いに異を唱えましたが、結局はそのまま老いたルークを演じることに。
さて、そのストーリーですが、宇宙船の製造所である惑星コレリアにいた若き日のハン・ソロ(オールデン・エアエンライク)と恋人のキーラ(エミリア・クラーク)は悪党どもから借りた借金が返せず裏社会のお尋ね者となっています。
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
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いっそ逃げ出そうと宇宙港から密航を企てるのですが、キーラは捉えられ、二人は離れ離れとなります。
ハン・ソロはやがて帝国軍の軍人となり、戦場で知り合ったヤリ手の軍人トバイアス・ベケット(ウディ・ハレルソン)と組もうとしますが、彼の信頼を得ることができず、逆に凶暴な野獣の檻の中に入れられてしまいます。
檻の中で野獣と格闘するハン・ソロ。あわやという時に、ソロは野獣の言葉を話し、彼を仲間にすることに成功。そう…この野獣こそ彼の生涯の相棒となるチューバッカだったのです。
チューバッカ
二人(一人と一匹?)は、檻から奪取し、再度、トバイアス・ベケット(ウディ・ハレルソン)のもとへ。
ソロのタフさに感心したトバイアス・ベケットは仲間として認め、犯罪組織のリーダー、ドライデン・ヴォス(ポール・ベタニー)からのマル秘指令である超高性能燃料コアクシアムの強奪作戦に加わることとなります。
このドライデン・ヴォス(ポール・ベタニー)こそが今回のラス・ボス。
超燃料コアクシアムの入手をめぐって、丁々発止の駆け引き、裏切り、対決が繰り広げられるのです。
ドライデン・ヴォス
まあ、そんな内容なのですが、テーマとしては二つ。一つ目は生涯の相棒チューバッカとどのように出会うのか(既に出会っちゃいましたが)、もう一つは、愛機ミレニアム・ファルコン号をどのようにして入手するのか。
しかし、この間に挟み込まれた「コアクシアム強奪作戦」がまるで取ってつけたような感じ。派手な宇宙戦闘シーンもあるにはあるのですが、基本は強奪作戦の活劇が中心。なので、非常に古めかしいアクション映画になってしまいました。
ミレニアム・ファルコンの入手に至っては、ラスボス・ミッションを終えた後のエピローグ的な場面で、ギャンブル好きな友人のランド・カルリジアン(ドナルド・グローヴァー)と賭け勝負をし、見事勝利してファルコン号をいただいちゃいましたとさ、メデタシメデタシ…。
と、まるでストーリーとは関係が無い。うむぅ・・。
ミレニアム・ファルコン号
実は、この「ハン・ソロ」は、制作過程でもゴタゴタ続き。
監督として抜擢されたフィル・ロード&クリス・ミラーのデュオが制作・脚本側と撮影方針が相違して途中降板。
その二日後にはロン・ハワードが後継監督として起用され、撮影の取り直しがスタート。しかし今度は、ラス・ボス役のマイケル・ケネス・ウィリアムズが別映画の撮影がバッティングして降板。新たなラス・ボスとして上述ドライデン・ヴォスのキャラが設定されてポール・ベタニーが演じることに。
またルーカスフィルムは主人公ハン・ソロ役のオールデン・エアエンライクの演技に満足せず、彼専用の演技指導者が途中参加することに。
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
(C)2018 Lucasfilm Ltd. All Rights reserved
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と、まあ、いろいろあったワケですが、とりあえず映画は完成。公開してみれば初週末三日間の全米興行収入は8330万ドルとなり、ディズニーが予測していた1億3,000万~1億5,000万ドルを大幅に下回る結果に。
この評価、分かるような気がします。何と言っても映画を見終わった後のカタルシスがない。(その点、前作の「ローグ・ワン」は笑いあり涙ありでよかった。)
ヒロインであるキーラ(エミリア・クラーク)は、結局ハン・ソロのもとを去り、シリーズの宿敵であるダース・モールの配下として帰っていくのがラスト。
ダース・モール
いや、もちろんここでキーラと別れないと、後々レイア姫と結ばれないんですから、ストーリー上仕方がないのですが、ここだけ見たら全然すっきりしない。
さらに後日談として、ランド・カルリジアンとの賭けに勝ってミレニアム・ファルコン号を入手するシーンが蛇足のように付いてくるのですから、何をかいわんや。
ローリング・ストーン誌のピーター・トラヴァースが「本作は無難すぎてつまらない」と評したそうですが、むべなるかな。
長くスター・ウォーズのファンを自任してきた僕ですが、さすがに疲れを感じる今回の「外伝」でした。
/// end of the “cinemaアラカルト207「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」”///
(追伸)
岸波
今回、若き日のハン・ソロを演じたオールデン・エアエンライクは1989年生まれ。ということは、撮影時29歳くらいということになります。
一方、ハリソン・フォードは1942年生まれ。御年75歳ですが、最初の「エピソード4」でハン・ソロを演じた時は34歳くらいのはず。
設定が「4」の10年前ということなので、多少、勘定は合いませんが、まあそこはご愛嬌という事で。
なんで改めてそんな事を調べたかというと、ハリソン・フォードだって最初に出演したときは今ほど渋くないし(当たり前だ)、そこそこヤンチャなお兄ちゃんだったはず。
僕らは、それ以降のハリソン・フォードのレジェンドを知っているから、オールデン・エアエンライクの演技に対して見方が厳しすぎるのでは、と思ったのです。
で、ふと…最近、同じような気持ちになったなと気が付いたので、考えてみたら「トゥームレイダー/ファースト・ミッション 」のアリシア・ヴィキャンデルでした。
彼女は非常に魅力的ではあるものの、やはりアンジェリーナ・ジョリーの鮮烈な登場が心に焼き付いている僕ら世代には、決してそのインパクトを超えることはできないのです。
「本歌取り」というのはなかなか難しいものですね。
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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空飛ぶタイヤ(※次回紹介!)
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