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「Blue Island」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2018.1.15】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 光か、闇か・・・

 シリーズ第8作となる「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」をケイ子と共に観てまいりました。

 ほぼ1年前の2016年12月27日、映画の完成後に急逝したキャリー・フィッシャー(レイア・オーガナ役)にとって、この「エピソード8」が遺作となりました。

(キャリー・フィッシャー)

 前作「フォースの覚醒」では、敵基地に侵入しての闘いでハン・ソロが死亡。レイはカイロ・レンとの対決の中でフォースを覚醒し、ルークのライトセーバーを取り戻すことに成功します。

 また、ファースト・オーダーとの闘いに苦戦を強いられるレイア・オーガナ将軍が率いるレジスタンス軍は、R2D2が再覚醒した事で”伝説のジェダイ”ルーク・スカイウォーカーの居る星系を特定。

 レイはルークの力を借りるため、ライトセーバーを携えて惑星オク=トーを目指します。しかし…。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 伝説のジェダイ、最後の一人ルーク・スカイウォーカーは何故、闘いから距離を置き辺境の惑星オク=トーで隠遁生活を送っているのか?

 エピソード6の大勝利からエピソード7までの間にいったい何が起こったのか?

 その答えが、今回のエピソード8で明らかにされます。

 さて、本編の内容は??

 

 映画の冒頭、水の惑星オク=トーの孤島でジェダイ・マスター、ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)と邂逅したレイ(デイジー・リドリー)は、取り戻したルークのライトセーバーを差し出しながら、妹のレイア・オーガナ将軍(キャリー・フィッシャー)がルークの助力を求めている事を告げます。

 しかしルークはライトセーバーを放り投げ、「ここから去れ」と冷たくあしらうのでした。

 いったいルークに何が起こったのか?

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 かたくなな態度のルークでしたが、レイと一緒に来ていたかつての戦友チューバッカやR2D2が来訪。ハン・ソロがカイロ・レンとの闘いの中で命を落としたことを知ると大きなショックを受けます。

 そして、翌朝から、レイにジェダイの修行を指導することになります。

 一方、レジスタンスの拠点がある惑星ディカーを、ファースト・オーダーのハックス将軍が率いる大艦隊が急襲。

 巨大キャノン砲を搭載したファースト・オーダーの新戦艦ドレッド・ノートに対し、レジスタン軍のポー・ダメロン中佐(オスカー・アイザック)らは果敢に挑むも劣勢は免れないところ。

(ポー・ダメロン中佐)

 からくも最後の爆撃機によってドレッド・ノートの破壊に成功しましたが、味方艦は次々と破壊され、最後は旗艦のみという壊滅状態に。

 やむを得ず、レイア・オーガナ将軍は旗艦や基地を捨て、総員退却の指示を出すことになります。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 エピソード7「フォースの覚醒」からの三部作で、大きな謎の一つは新たなる主人公レイ(デイジー・リドリー)の出自でしょう。

 エピソード4・5・6の三部作で主人公ルークとレイア姫が実は兄妹だったこと、二人の前に立ちはだかったダース・ベイダーは二人の実の父であるアナキン・スカイウォーカーであったことなど、スター・ウォーズ・サーガは「一族の葛藤の物語」という一面がありました。

(エピソード7からの「敵役」であるカイロ・レンも、レイア・オーガナとハン・ソロの実の子ですし…。)

(カイロ・レン)

 なので、現在の主人公レイも、実はスカイオォーカー家と何らかの血縁関係があるのでは? ~というのがファンの憶測でした。

 しかし、今回のストーリーの中で、レイはカイロ・レンから「君の両親は惑星ジャクーで金に困って娘を捨てた庶民」で、スカイウォーカー家とは何ら関係がない事を明かされます。

 実際、エピソード7でレイがハン・ソロやレイアと最初に会った時、いずれも「血縁」を匂わす会話はありませんでしたし、もちろん生涯独身を通したルーク・スカイウォーカーの子であるはずもありません。

 まあ、冷静に考えても、この先のエピソードがスカイウォーカー家の「お家騒動」を扱うのではさすがにワン・パターン。(もう意外性もないですし。)

 ここいらでメンバーを一新し、過去の「しがらみ」は清算するという事でしょうか。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 「しがらみ」と言えばもう一つ。

 ダース・ベイダーが銀河帝国を作り上げた皇帝ダース・シディアスの配下、ナンバー2であったように、エピソード7からのカイロ・レンもファースト・オーダーのの最高指導者スノークのナンバー2でした。

 ダース・シディアスは言わば「ラスボス」の扱いで、エピソード6の最後で息子ルークの願いに応えたダース・ベイダーが倒すことになりました。

 今回のスノークもそういう立場なのかと思いきや、早速、今回のエピソードでサプライズが。

 捉えられたレイを処刑するよう命じられたカイロ・レンはスノークに反抗。レイと共にスノークの親衛隊である「エリート・プレトリアン・ガード」と大立ち回りを繰り広げ、最後にはフォースの力を使ってスノークの胴体を真っ二つに切断するのです。あらららら・・。

(プレトリアン・ガード)

 てっきり今回も「ラスボス」になるものと思っていた僕は、これにビックリ。しかも、敵方であるレイの命を守ろうとするなど、もしかして「本当はこっち側?」なのかと。

 しかし、結局はレイを逃がすと、自分がスノークの地位を引き継いでファースト・オーダーのトップになるなど、どうも彼の正体…というか「属性(正悪)」が分かりません。

 いずれにしても、ファースト・オーダーを率いて、レジスタンス軍を追撃することになるので、当面は「敵役」確定かと。(最後はどうなるか、予断を許しませんが。)

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 それと、全身を赤スーツに包んでそれぞれが異なる武器を操る親衛隊「エリート・プレトリアン・ガード」がとてもカッコいいです。

 今後、彼らのキャラクター製品が登場するかもしれません。

 今回のエピソードで、魅力的なキャラが二人登場します。

 一人はレジスタンス軍の整備班で東洋系のファニーフェイスな女性、ローズ・ティコ(ケリー・マリー・トラン)。

 彼女はポー・ダメロン中佐やフィンと行動を共にし、敵艦メガ・スター・デストロイヤーへの潜入作戦に協力するのですが、これが、どこにでも居そうなフツーの人なのです。(失礼)

(ローズ・ティコ)

 ちょっとポッチャリ目で、性格がホンワカしている感じ。それでいて最前線での闘いを買って出るなど勇敢な面も。

 そして… どうやら彼女、フィンに「アッチッチ」な雰囲気なのですよ。彼女が登場すると無駄な力が抜け、どこかホッとする良いキャラクターだと思います。

(こういう役回りは、今までだとC3POとかが担っていた気がします。)

(フィン)

 そして、もう一人。敵とも味方とも付かない謎の情報屋DJ(ベニチオ・デル・トロ)。「DJ」とは「Don't Join(関わるな)」の略だそうで、実にアヤシイ。

 ストーリーの中では、メガ・スター・デストロイヤーへの侵入がバレて捕えられたポーとフィンが牢屋の中で出会うことになります。

 「脱獄なんかいつでもできる」と豪語するDJは、実際、ポー&フィンとの交渉がまとまると、簡単に牢破りを手伝うのですが、結局は、再び敵方に寝返って二人を売り渡します。

 こういうクセのあるキャラクターって、「ハン・ソロ」も最初はそんなふうだったので、今後、重要なキーマンとして再登場しそうです。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 もう一つ触れておかなければならないのが「フォースの進化」。

 これまでのフォースの使われ方というのは、集中力を高めて「心眼」を開いたり、テレキネシス(念動力)のように物体を引き寄せたりというくらいでした。

(レイアが破壊された宇宙船から放り出され、フォースの力で戻って来るというシーンも「空気を自分の周りに引き留める」・「自分の身体を船に向けて動かす」ということなので「念動力」の範囲だろうと思います。)

 ところが、レイとカイロ・レンが遠隔地で意識や感覚を通じ合い会話するなど、テレパシー(精神感応)も使えるようになっています。

 さらには、宇宙の遠く離れた惑星に居るルーク・スカイウォーカーが、フォースを使って、ホログラムのように別の場所に姿を現します。(最初はテレポート:瞬間移動かと思いました。)

 チョー便利なのですけれど、あまり進化させると「フォース無双」になって何でもありになりますので、リミッターはかけておいた方がいいかもしれません。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 さて、今回のエピソード8の最大の謎は、最初に書いた「ルークが隠遁生活を選んだ理由」と「エピソード6以降に何が起こったのか」ということでした。

 実はルークは、ハン・ソロとレイアの子カイロ・レンが生まれると、ジェダイの道場を再建し、レンほか11人の才能のある子供たちを弟子に取って修行を行っていました。

 ところが、修行中にダークサイドに落ちたカイロ・レンは仲間たちの何人かを殺し、修行場を破壊した上、他の仲間たちを引き連れて姿を消してしまったのです。

(この時一緒に逃げた弟子がスノークの親衛隊「エリート・プレトリアン・ガード」ではないか~という意見もネットにありましたが、僕もその意見に賛成。)

 絶望したルークは一線から身を引くことを決意し、ジェダイ最古の僧院がある「水の惑星オク=トー」で隠遁生活に入ったのです。

 …と、コレはレイの修行中にルークが独白した内容。(実は「真実」ではありません。)

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 レイとたびたびテレパシーで話を交わすカイロ・レンによれば、「ある夜、修行場で寝ていると殺気を感じ、目を覚ますと自分を殺そうとしている伯父(ルーク)の姿があった」と。

 ルークは、カイロ・レンの精神にダークサイドが巣食うのを感じ、思い詰めたのかも知れませんが、いずれにしても最初に手を出したのはルークで、カイロ・レンは、そこで争ううちに仲間を殺してしまったのです。

 マーク・ハミルは、監督・脚本のライアン・ジョンソンからエピソード8のルーク像を示されると「最後のジェダイのルークは、僕が演じてきたルークとは違う」・「こうなると、もうルークではなく別人の物語だ」と不満を述べたとされます。

 たしかに、あの若き日のまっすぐなルークとは別人。自分自身の疑念に捉われて血の繋がる甥を殺害しようとするのですから。

(若き日のルーク)

 マーク・ハミルがそう感じたという事は、やはり「設定上の真実」はカイロ・レンが述べた通りなのでしょう。

 マーク・ハミルは自分の発言についていったん謝罪しますが、結局は「製作側は絶対にヒットするから作れるだけ作り続けようと考えるんだ。本当に皮肉なものなんだ」と制作姿勢を批判しており、よほどルーク・スカイウォーカー像がスポイルされた事に不満を持っているようです。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 さて、ストーリーの方ですが、レジスタンス軍が身を隠した辺境の惑星クレイトにカイロ・レン率いるファースト・オーダー軍の魔の手が迫ります。

 多勢に無勢、この時のレジスタンス軍の決死の出撃シーンは、この映画のハイライト。表面が塩で覆われた真っ白な地表をかすめて出撃すると、塩の下から真っ赤な砂塵が舞い上がり、まるで血潮のよう。

 ファースト・オーダーの艦砲射撃で次々と犠牲になっていくレジスタンス軍。もはやこれまでかと思われた時、艦隊の前に一人の人物が立ちはだかります。それこそ”最後のジェダイ”ルーク・スカイウォーカーその人。

 大艦隊vs最後のジェダイ。

 いったいこの因縁の対決の末に、何が待っているのか?

 結末は是非、スクリーンで。

 

/// end of the “cinemaアラカルト198「スター・ウォーズ/最後のジェダイ”///

 

(追伸)

岸波

 スター・ウォーズを語る上で欠かせない概念である「フォース」。

 もともとこの超常パワーは、スカイウォーカー家の血筋に関わらず、素質があれば訓練次第で誰でも獲得できる能力。

 現に、アナキン・スカイウォーカーがフォースを使う前に、ヨーダをはじめ何人ものジェダイ騎士が能力を使っていましたし、敵方になるシスの側にも使い手が登場しています。

 そしてレイもまた、誰に教わるでもなく、ライトセーバーでカイロ・レンを倒したときに覚醒し、使い手となりました。

(レイ)

 つまり… 誰でもジェダイ騎士になることが可能なのです。

 映画の中で、ストーリーに関わらない、さりげないシーンで、名もない小さな少年がフォースを使うところが出てきます。

 もしかすると彼もまた、今後の作品でジェダイ騎士に成長してくるかもしれません。

 ならば、敢えて「最後のジェダイ」というタイトルを付けたのはどういう意図なのか?

 「旧世代で最後のジェダイ」なのか? もう能力者に「ジェダイ」という呼称を使わないのか? う~むぅ…この辺りは謎です。皆さんはどう思いますか?

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト199” coming soon!

 

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