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「AUTUMN」(Music Material)
by 岸波(葉羽)【配信2017.10.15】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 世界が限りない優しさにつつまれる…

 こちらは「フォレスト・ガンプ/一期一会」のキャッチコピー。

 カリスマ彰が、このところ立て続けに『ファッションの達人!』に映画感想をアップしているので、二回に渡り、こちらにも採り上げることしました。

 そもそも「ファッションの達人!」とこの「cinemaアラカルト」は読者層がずれているので、もったいないというのが理由です。

 まずは表題にある「フォレスト・ガンプ/一期一会」など4本。

フォレスト・ガンプ/一期一会

(C)ParamountPictures/Photofest/MediaVastJapan

 今回の記事は夏のものだったので、いきなり「暑い」から始まりますが、そこはご愛敬。

 ということで、早速入ります。なお、「ファッションの達人!」版ではありませんでしたが、ストーリー解説を映画解説サイトのallicinemaから引用して付してあります。

 

暑いですなあ。ホントに。こういう時は居間でTV映画でしょ。

 御多聞にもれず、スマホ中毒と老眼で本を読むのがかなり面倒くさくなった。

 休みの日に映画館に行くなんていうのも億劫になっているから、映画はTV録画ということになる。

 レンタルすら億劫なのだ。なんとも情けないことである。しかし、それで十分なペースである。

 しかしこう暑いとそのペースが上がる。ここ1カ月に観た4本の映画の感想を綴ってみた。

①スローターハウス5(1972年 ジョージ・ロイ・ヒル監督)

ジョージ・ロイ・ヒルは「明日に向かって撃て」(1970年)の大ヒットの後、「スティング」(1973年)を撮るまでの間に、この「スローターハウス5」を撮っている。

 プロデューサーから大ヒットのご褒美に好きな映画を好きなように撮ってよろしいと言われ、この映画を撮ったらしい。

スローターハウス5

 原作はカート・ヴォネガットの自伝的な時間旅行の話。まあ、ハチャメチャな映画だが、私は「明日に向かって撃て」よりは数段好きである。

 おまけに音楽が奇才グレン・グールドの担当でそのピアノが素晴らしい。

 余談だが、ヴォネガットがアイオワ大学で教えていた学生には「ガープの世界」を書いたジョン・アーヴィングがいる。

 「ガープの世界」は大ベストセラーで映画化されている。この映画は必見である。

◆allicinemaの映画解説から引用

K・ヴォネガット・Jrの同名SF小説の映画化作品。実業家として成功した老境の男ビリー・ピルグリム。彼は自分の回想録を書こうとする。第二次大戦の捕虜収容所、飛行機事故の大惨事、彼自身の暗殺など、ビリーの、時間と空間を超越した体験を幻想的に描くが、それを端的に描出したカットの切り替わりの巧みさが素晴らしい。奇異な原作を映画化したジョージ・ロイ・ヒル作品としては、ジャンルは違えど、後の「ガープの世界」に共通するテイストがある。

②ウォーターボーイズ(2001年 矢口史靖・監督)

 「Shall weダンス?」とか「シコふんじゃった。」「おくりびと」とかこういう感じのテーマが日本映画には向いているんじゃないだろうか。

 その源泉は伊丹十三映画だと思うが。この映画、竹中直人がちょっと濃すぎるが、ギリギリ楽しめる。

ウォーターボーイズ

 水を抜いたプールに魚がぴくぴくしているシーンでマーラーの交響曲第5番の第4楽章アダージェットが使われているのはなぜだろう?

 ともあれ妻夫木聡や玉木宏がブレークするきっかけになった映画だ。矢口史靖はやぐちしのぶと読むらしい。

 彼の映画の主人公はわずかな例外をのぞき鈴木という姓なのだという。「ハッピーフライト」なんか面白そう。TVで放映しないかな。

◆allicinemaの映画解説から引用

「ひみつの花園」「アドレナリン・ドライブ」の矢口史靖監督が“男のシンクロナイズド・スイミング”をテーマに描くスポ根青春コメディ。部員が高校3年生の鈴木ひとりという廃部目前の唯野高校水泳部。そこへ突如やってきたのは若くて美しい女性教師・佐久間。それを知った男子たちはこぞって入部するが、佐久間先生はなんと“シンクロをやる”と言い出す。これにはさすがの男子たちもあっという間に逃げていった。逃げ切れなかったのは鈴木を含め落ちこぼれの5人。仕方なくシンクロの練習を始めるが……。

③フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年 ロバート・ゼメキス監督)

 大ヒット映画を封切り23年後に観るというのもなんだが、まあ許せる範囲のアメリカン・ヒューマンな感じで、可笑しくてやがて哀しきという感じは悪くないですが。

フォレスト・ガンプ/一期一会

 初期のアップルに投資して大金持ちになったフォレストのもとに戻ってきたジェニーは、フォレストと初めてSEXした次の朝、なんで家出したんだろう?

 難病に冒されているのをすでに知っていたということ?サブタイトルで一期一会をつけたい気持ちはわかりますが、そりゃないよ。

◆allicinemaの映画解説から引用

知能指数は人より劣るが、足の速さとその誠実さは天下一品という一風変わった主人公フォレスト・ガンプの半生を、時代を象徴する“事件”とヒット・ナンバーで綴った心暖まるヒューマン・ファンタジー。映像化は困難と思われていた原作を映画的に奔放に脚色したシナリオも素晴らしいが、やはりこれは、多くのSFX映画の中できっちりとロマンを描き続けて来たR・ゼメキスの手腕と、まるでガンプそのもののようなT・ハンクスの存在があって初めて実現し得た作品であろう。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズでもゼメキスと組んでいたA・シルヴェストリが、数々の懐かしい名曲と並んで、まったく引けをとらない美しいスコアを書き上げている。スペンサー・トレイシーに次いで、ハンクスが2年連続主演男優賞を取った他、アカデミー賞では当然のごとく、作品・監督・脚本といった主要部門を総嘗めにした。

④ゲームの規則(1939年 ジャン・ルノワール監督)

 トリュフォーやゴダールなどフランス・ヌ―ヴェルバーグの映画監督から父のように慕われていたのが、画聖オーギュスト・ルノワールの次男のジャン・ルノワールである。

 彼の「大いなる幻影」とこの「ゲームの規則」が2大傑作に挙げられるが、こちらは今の今まで観ないで来てしまった。

 古い映画だろうと思うだろうが、バルザックの小説が古いと思う現代人がいないように、新しいとは言わないが、全く古びていない。

 それと職業柄、この映画の衣装担当がココ・シャネルというのも興味を倍増させた。

ゲームの規則

 思った通り、侯爵夫人の部屋着から夜会服、狩猟用のファッション、その女召使の実に現代的なスーツファッション、さらに侯爵の愛人のもっとくだけたセクシーなファッションやオリエンタルな部屋着などなど、1939年あたりのココ・シャネルの絶頂期を思わせるファッションがこれでもかこれでもかと登場してくる。

 ブラボーとTV画面に声をかけたくなる。そんな中、侯爵の女召使が、夫からコートを送られるシーンに注目した。

 夫が「完全防水で温かいよ」と言うと、女召使は「デザインが犠牲になっているわね」と応じる。ストーリーには全く無関係なやり取りだ。

 私の勝手な想像だが、撮影現場にいたココ・シャネルが監督にわがままを言って、この台詞を言わせたのではないだろうか。

 いかにもココが言いそうな言葉である。

◆allicinemaの映画解説から引用

ルノワールが“バロック音楽の精神に則って登場人物が動き回るような映画を作りたい”と願って撮りあげた、映画によるフランス・バロックへのオマージュ。ミュッセの戯曲『マリアンヌの気まぐれ』が直接の発想のもととなっている。主人公クリスチーヌ(オーストリアの大公夫人で彼女自身が役柄のモデルとなったグレゴール)は貴族のロベール・ラ・シュネイの妻。飛行家アンドレ(トゥータン)はその愛人だった。一方で、ロベールにも別れようとしていた愛人があった。彼らの催すパーティに大勢の名士たちが集まる。もちろん、アンドレもその一人。だが、やはり同じ階級のド・サン・トーバンと夫人が親しくしているのを見て、彼は猛烈な嫉妬に駆られる。その陰では下々の者たち、彼らの領地の密漁監視人シュマシェールが妻リゼットに配下のマルソーが色目を使ったとして怒り狂って猟銃で追い回す。そうした上を下へのインモラルな騒動をそれとはなしに見つめるのは愛すべき食客オクターヴ。この狂言回し的人物をルノワール自身が見事に演じ、悲劇と喜劇の間を揺れ動く作品自体と同質化しており、素晴らしい。彼はこの群像劇で“ゲームの規則”に囚われながら、人間社会の構造を、そして、戦争へと傾いていく時代の風潮を暗に批判している。しかし、登場人物たちに“敗者となった自分たちの姿”を垣間見た観客たちはこの映画を拒み、最初の公開は大惨敗に終わる。59年になってようやく完全版ができる(日本公開は更に20年のち)まで、本国フランスでもまさに埋れた傑作となっていた呪われた作品で、ルノワールはあまりの不評に、一時は以後の映画製作を諦めかけた、と言う。

 

/// end of the “cinemaアラカルト193「スローターハウス5+3本”///

 

(追伸)

岸波

 これらの4作品は観ていません。そう…「フォレスト・ガンプ/一期一会」だけはテレビで途中まで観ましたけれど。

 僕は彰と違って劇場で観る派なので、ちょうどこれらの作品が上映された頃はリアル生活が忙しかった時だったと思います。

 ここ10数年…「岸波通信」を開始した頃からようやく生活時間にゆとりができて再び見始まったということになるでしょうか。

 そんなわけで、特に付け加えることはありません(笑)

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

フォレスト・ガンプ/一期一会

(C)ParamountPictures/Photofest/MediaVastJapan

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト194” coming soon!

 

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