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「COOL!」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2016.11.15】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 転送先、地獄。

 このところ忙しい日々が続いておりまして、『デスノート Light up the NEW world』なども公開日に観に行っているのですが、それ以前に観たもので記事を書けなかったモノがいろいろあります。

 ということで、次回「デスノート」を書く前に、いくつかまとめて書いておきたいと思います。

 まずは…

GANTZ:O

(C)奥浩哉/集英社・「GANTZ:O」製作委員会

 上のスチール写真にあります『GANTZ:O』、そして『超高速!参勤交代リターンズ』『秘密 THE TOP SECRET』の三本です。

 では、早速まいりましょうか♪

 

◆『GANTZ:O』福島フォーラム:10月15日(土)

 必ず、生きて帰る。

 あまりにも有名な奥浩哉原作のコミック「GANTZ」が前・後編で実写映画化されたのが2011年。

 主演の玄野 計には二宮和也、同じく加藤 勝には松山ケンイチ、そして小島 多恵には吉高由里子が扮し、岸本を演じた夏菜ちゃんに至っては、いきなりフルヌードで空中から現れるという衝撃のシーンもありましたっけ…(遠い目)

 なんの事前情報もなく上映予定表を眺めていましたら、福島フォーラムだけで『GANTZ:O』が上映というのを見つけ、取るものも取りあえずケイ子を引き連れ向かったのであります。

GANTZ:O

(C)奥浩哉/集英社・「GANTZ:O」製作委員会

 でも待てよ… たしか実写映画・後編の『GANTZ PERFECT ANSWER』では、(原作とは異なるものの)すべての決着がついていたはず…。

 もしかすると『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』のような前日譚、GANTZが現れる以前のストーリーを新たに創作したのかな…と考えた次第。だってホラ「ガンツ:ゼロ」だし。

 ところがっ!!

 劇場で会いまみえたのはまさかのフルCGアニメ。オーマイガー!

 で何? 大阪編? ……あれって「ガンツ:(おーさかの)オー」なの!?

 …いやぁずっこけたの何のって。

 確かに、GANTZのエピソードの中では、加藤が死んでしまう「千手編」と並んで「大阪編」は大人気のストーリーでした。ま、それならしょうがないか。

GANTZ:O

(C)奥浩哉/集英社・「GANTZ:O」製作委員会

 今回の「O」は登場人物や敵の変態数を減らすなど映画の尺に合わせて設定を変えてありますが、一番違うのは加藤がこのGANTZワールドに初めて入った(※原作では千手に敗れた加藤を玄野が生き返らせた。)ことになっており、この世界のルールを仲間から聞いて一から理解していくようなっていること。

 まあ、初めてGANTZを観る人には丁寧な作り方をしています。ただ、原作やTVアニメ、実写映画などでGANTZワールドをよく理解している人しか、今回の「O」を観に来ない…とも思うのですが。

 で、映画の出来? はい、素晴らしかったですよ。原作のエッセンスをもれなくきちんとまとめてあって。

 でも… 原作のままなんですよね。見た感じが。全部知ってる・という感じ。

 これが実写映画だと、あのシーンを実写でどんなふうに再現するんだろう・とか、この俳優があの役をどんなふうに演じてくれるんだろうとか、いろいろな見どころがあるワケですよね?

GANTZ:O

(C)奥浩哉/集英社・「GANTZ:O」製作委員会

 この『GANTZ:O』に限らず、基本的には原作のファンが中心に映画を見に来ているのですから、知っている「絵」をそのまま「3D」にしたくらいでは、(いくら精緻なCGだとしても)それだけではダメでしょう。

 リブートされている『ヱヴァンゲリヲン』のように、「設定や世界観の革新」が無ければ映画化する意味はないと思います。

 

◆『超高速!参勤交代リターンズ』福島イオンシネマ:9月11日(日)

 金なし、人なし、時間なし、

 おまけに帰る 城もなし!?

 2014年公開の前作『超高速!参勤交代』を観たときは、期待していなかっただけにその面白さにびっくり…とレビュー。はい、ホントに良かったんです。

 で、今回は、佐々木蔵之介がお殿様を演じる湯長谷藩の一行が無事江戸に到着いたしまして、その帰り道、またまた大騒動に巻き込まれるという絵にかいたような二番煎じ(笑)

超高速!参勤交代リターンズ

(C)2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会

 少人数の参勤交代行列をごまかすため、なけなしの金で人足を雇い上げたり、一回番所を通り抜けた先頭のメンバーが大急ぎで最後尾に回り込んで、ぐるぐる回しの長行列に見せかけたり…も全く同じ。

 う~ん、ここまでやられるとなぁ…。

 こういのって、一作目を観た観客はもう笑えないし、初めて観たお客にしか通用しないと思うのですが、そんなにいたんでしょうか、二作目で初めて見に来た人?

 「参勤」から「交代」して湯長谷藩に戻る帰路、突然、国元に一機が発生したとの不穏な報せ。

 一行は行きの倍のスピードで帰らなくてはならない…って、どう考えても無理でしょ。「行き」の時でさえギリギリで余裕なかったもの。

 で、陰謀を巡らした黒幕が、「参勤」の時に邪魔をして藩を取り潰そうと謀った老中・松平信祝(陣内孝則)。

 前作の最後で徳川吉宗(市川猿之助)に陰謀が露見し、あれほど手厳しく叱責されたのに全然懲りなかったのかい・とある意味感心。てか呆れる。

超高速!参勤交代リターンズ

(C)2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会

 小さな笑いをとる「小芝居」は随所にちりばめられておりますが、荒唐無稽度が限界を突破し、最後には1000人の悪老中の兵隊に7人で立ち向かう。

 う~ん「七人の侍」をわざとパックたんでしょうけど、いくら煙幕で支援したって勝てるわけない。え?勝っちゃいましたか。やはりね…。

 既に全体がよく思い出せないのでWikiをめくってみましたら、『超高速!参勤交代』はあったものの『リターンズ』は誰もページを作ってない。あやうく僕が最初の投稿者になりかけたので、慌ててシャットダウン。オーマイガー!

 興行成績も振るわなかったようで、「行き」は良いよい「帰り」は怖いという結果のようでございました。

 

◆『秘密 THE TOP SECRET』福島フォーラム:8月6日(土)

『るろうに剣心』シリーズ監督最新作!

 衝撃のミステリ・エンターテインメント超大作。

 原作は、清水玲子による劇画シリーズ『秘密 -トップ・シークレット-』。実は僕、半年ほど前にkindleで全シリーズを購入して読んでいたのです。

 ジャンルは2060年の近未来日本を舞台にしたクライム・サスペンス。というか、快楽殺人者が次々登場するホラーに近い内容ですかね。

秘密 THE TOP SECRET

(C)2016「秘密 THE TOP SECRET」製作委員会

 こういうジャンルの劇画、多いんじゃないでしょうか。古くは『サイコメトラーEIJI』から『多重人格探偵サイコ』、最近映画化された『ミュージアム』etc。

 いずれもオドロオドロしいシーンが満載で、怖いけど目が離せなくなるというホラーの魅力満点ですが。

 で、この『秘密 THE TOP SECRET』にはちょっと変わったガジェットが登場する…その名も「MRI」。

 このMRIは、死んだ人間の脳に秘められた記憶を観ることができるという装置。そうです、殺人事件の被害者の脳を取り出し、何があったかをつぶさに「観る」ことで事件の真相や犯人までわかってしまうという優れもの。

 こんな装置が実用化されたら、それこそ殺人事件なんか激減する…と思われますが、実際には「プライバシーの全てを暴く」という装置の性格から運用上の様々な問題が発生し、どうしても使わなければならない事件に限定し、警視庁に特設された「法医学第九研究室(通称「第九」)」だけがMRIを使用できるようになっているのです。

 その研究室室長である薪 剛(まき つよし)警視正が本編の主人公。映画で演じるのは生田斗真君でございます。

秘密 THE TOP SECRET

(C)2016「秘密 THE TOP SECRET」製作委員会

 原作には様々な事件・犯人が扱われていますが、映画化にあたって下敷きにされたのは二つの事件。

 そのうちの一つは、全国で同じ時刻に次々と少年たちが異常な自殺を始めるというもの。この事件、かなり引き込まれます。

 で、その異常事態を引き起こした犯人は、美少年ばかりを狙って異常な殺し方をした「28人連続殺人事件」の快楽殺人者の貝沼。しかもこの人物、とっくに死刑になっていて存在しないのです(!)

 かつて、貝沼事件の真相を探ろうとMRIを貝沼の脳に使用した「第九」のメンバーは、それを見るなり発狂あるいは自殺をしたりして、当時の関係者では室長の薪警視正(生田斗真)しかチームに残っていない…。

 もう、このくらい書いただけで、どんな凄まじいストーリーが展開するのか興味深々でございましょう。

秘密 THE TOP SECRET

(C)2016「秘密 THE TOP SECRET」製作委員会

 で、この映画のアオリ文句をもう一度振り返って見てください(↑)

 はい、さっぱり内容が分かりませんね。それは「秘密」だからって(笑)いえいえそうではありません。

 この清水玲子の原作『秘密 -トップ・シークレット-』は、読み始めたらもう止まらない(実際、僕は三日間で全作ダウンロードして読破してしまった…)くらい面白い作品であるにも関わらず、グロテスクな描写が多用されているため、『知る人ぞ知る』・『知らない人は全く知らない』という作品なのです。

 で、配給会社は仕方なく、「るろうに剣心」の監督が撮ったんですよ~とからめ手から攻めざるを得なかった次第。うむむむむ…。

 俳優陣には、主演の生田斗真や岡田将生、松坂桃李、織田梨沙など若手のホープのほか吉川晃司、大倉孝二、リリー・フランキーらの豪華メンバーが勢ぞろい。

 俳優たちの熱演が素晴らしかったこともあり(特に死せる真犯人貝沼を演じた吉川晃司の怪演はお見事!)、興行成績がそれほど振るわなかったのは残念でなりません。

 凄まじく面白いストーリーなのですが、読者(あるいは観客)を選ぶ作品ということなのでしょう。

秘密 THE TOP SECRET

(C)2016「秘密 THE TOP SECRET」製作委員会

 ストーリーの結末はそれなりに着地し、バッドエンドにはならないので、決して後味が悪いわけではありません。

 我こそはと思わん方は、映画DVDあるいはコミックのバックナンバーを買われてはいかがでしょう。オススメです。

 

/// end of the “cinemaアラカルト180「GANTZ:O +2本」”///

 

(追伸)

岸波

 他にも書いてないのは色々とあるのですが、モノはついでということで、あと3本だけ、今年観た中からピックアップしてコメントしておきます。

 まあ… いずれも興行的に成功したと言えない作品ですけれど。

◆『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』7.9(土)鑑賞

 これは…僕的にはそれなりに面白かったんですけどね。

 ただ、子供たちを載せたバスでエリアン・ボスと戦うとか無理やりなシーン「バスvsボス?」とか、結局は前作の主人公たちが頑張っちゃうとか(コレはいいか)、予定調和が見え見え。

 その辺が、興行的にあまり成功しなかった原因かな…。

◆『64-ロクヨン-後編』6.12(日)鑑賞

 前編は見ていません。ちょっとミステリを読んでる人なら誰にでも結末は見えやすいでしょう。意外性はありません。

 演技は頑張っていると思いますが、「犯人は、まだ昭和にいる。」としたキャッチコピーの付け方(それ自体、真犯人を暗示)とか、映画のプロモーションのやり方に違和感を感じました。

◆『テラ・フォーマーズ』5.7(土)鑑賞

 いやぁ酷い実写映画化。もう「無残」としか言いようがありません。

 原作コミックではテラ・フォーマーズと地球戦士が戦う時、バグズ手術・モザイク・オーガン(MO)手術の元になった昆虫や生物の解説がカットインで入るのですが、映画でこれをやられると進行の邪魔でしょうがない。なんの工夫もない。

 トドメは、テラ・フォーマーズを最後に撃退するのが既に死んでいる仲間ってこと。死んでるのに空高く空中浮揚し、あまつさえ微笑み返す・って何ですか?

 全く説明もないし。可哀そうなのはキチガイ博士を演じさせられた小栗旬ちゃん。ああいう風にしかやりようなかったもんな…。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

秘密 THE TOP SECRET

(C)2016「秘密 THE TOP SECRET」製作委員会

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト181” coming soon!

 

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