こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
ハラゴシラエして歩くのだ。
今回のテーマは、2006年3月公開の日本映画「かもめ食堂」。
その140「ヘルタースケルター」に続き、cinemaアラカルト二回目の登場となるカリスマ彰氏のレビューでお贈りします。
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かもめ食堂
(C)2006「かもめ食堂」製作委員会
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若手女流監督の荻上直子がオール・フィンランドロケを敢行した話題作で、小林聡美、片桐はいり、もたいまさこがトリプル主演。
翌2007年の「第28回横浜映画祭」では5位を獲得した佳作映画です。
では、カリスマ彰氏の登場でございます。
(カリスマ彰)
荻上直子(おぎがみなおこ、1972.2.15~)監督の映画「かもめ食堂」(2006年公開、原作:群ようこ)をTV録画で観た。
最近同監督の「トイレット」(2010年公開)を観たばかりだが、いずれも佳作である。
日本映画の評価が世界的に高まっているが、川瀬直美、西川美和など現在注目の日本の女流監督(癒し系と呼ばれるらしい)に感じるのはその頭脳の明晰さだ。
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かもめ食堂
(C)2006「かもめ食堂」製作委員会
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荻上直子の経歴を見ると、「千葉大工学部画像工学科卒業後に南カリフォルニア大学大学院映画学科に学ぶ」とある。
いわゆる才女であるが、こういう才女が映画を撮るとこうなるという潔癖性はちょっと気になるが、それでもオバカな無頼派が撮った怪作よりは、はるかに映画のクオリティが高い。
「かもめ食堂」の舞台はフィンランドの首都ヘルシンキ。
この食堂(実在するらしい)を経営する30代女性のもとに、2人の日本人旅行者の片桐はいり(30代?)、もたいまさこ(50代?)が集って、映画は様々なエピソードを織り交ぜてゆる~く進行する。
北欧というのは、若い女子の憧れの場所なのかしら。
我々の世代にとって、北欧というのはフリーセックスとスウェーデンの映画監督イングマル・ベルイマンのことだったけれども。
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かもめ食堂
(C)2006「かもめ食堂」製作委員会
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スローライフ志向の若い女性には是非お勧めしたい映画だが、ファッション業界に棲息する私の目が「点」になったシーンがひとつあった。
スーツケースを失くした(後で見つかるが「グローブ・トロッター」!)もたいまさこが、この街で購入した大柄なプリントドレスで食堂に現れるシーンだ。
あれ、これ「マリメッコ」(1951年創設のフィンランドのライフスタイルブランド。日本ではルックが販売元)じゃないの。
もたいまさこは、その後も「マリメッコ」のドレスやブラウスを着続けるのだが、これがなかなか似合っている。
両親を介護し続けて20年、2人とも死んで自由になってヘルシンキを訪れた50女が着るドレスとして、まさにドンピシャなのである。
ヘルシンキという街にはたしかに似合っている。
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かもめ食堂
(C)2006「かもめ食堂」製作委員会
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この映画を観終わって、ヘルシンキに行って、かもめ食堂でシナモンロールとおにぎりを食べてみたいなんて女子が出て来そうだなあ。
でもヘルシンキなんかに行かなくとも、こういう食堂は、門前仲町とか青物横丁あたりにゴロゴロしてるよ。
そんなこと言わなくても、最近はすでにこういうド下町の食堂居酒屋で女子が酔いつぶれてトグロ巻いているが。
/// end of the “cinemaアラカルト147 「かもめ食堂」”///
(追伸)
岸波
カリスマ彰の映画レビューシリーズは、ファッションの達人その74「連休は映画三昧」でも配信したばかり。
※カリスマ彰のファッションの達人その74「連休は映画三昧」>>
彼の場合、劇場で新作を観るというよりは、余暇時間に自宅でDVDを観るというスタイルが多いようです。
むしろ、出かけて行くならば、映画よりはオペラやクラシック演奏というところでしょうか。
最近、ドミニクがcinemaについて書いてくれないので、カリスマ彰が書いたときには、こちらに掲載しようと思います。(うん、そのほうが僕は楽だな。あはははは!)
で、映画「かもめ食堂」のあらすじは以下の通り。
【「かもめ食堂」のあらすじ】 ~Movie Walkerの映画解説より~
夏のある日、ヘルシンキの街角に「かもめ食堂」という小さな食堂がオープンした。店主は日本人女性のサチエ(小林聡美)。
献立はシンプルで美味しいものを、と考えるサチエは、メインメニューをおにぎりにした。しかし、客はなかなかやってこない。
それでもサチエは毎日食器をぴかぴかに磨き、夕方になるとプールで泳ぎ、家に帰ると食事を作る。サチエは、毎日真面目にやっていれば、いつかお客さんはやってくると思っていた。
そんなある日、ついに初めてのお客さんの青年トンミ(ヤルッコ・ニエミ)がやってきた。
その日の夕方、サチエは書店のカフェで、難しい顔をして『ムーミン谷の夏まつり』を読んでいる日本人女性ミドリ(片桐はいり)に声をかける。
フィンランドは初めてというミドリの話に何かを感じたサチエは、自分の家に泊まるようすすめる。そして、ミドリはかもめ食堂を手伝い始める。
ある日、サチエがひとりで店番をしているかもめ食堂に、ひとりの中年男(マルック・ペルトラ)がふらりと入ってきた。
訳ありげな佇まいの男は、美味しいコーヒーを入れるコツをサチエに伝授すると、またふらりと出て行く。
そんな頃、またひとり、訳ありげな女性、マサコ(もたいまさこ)がヘルシンキのヴァンター空港に降り立った。
スーツケースが運ばれてこないために、毎日空港へ確認に行かなければいけないマサコもまた、かもめ食堂を手伝うようになる。
かもめ食堂は次第に人気が出はじめ、日々は穏やかに過ぎてゆくのだった。 |
この映画の中で記憶に残った言葉は、マサコがサチエに「いいわね、やりたいことをやっていらして」と言うと、サチエは「やりたくないことはやらないだけなんです」と。
「気まま」というより、行動の裏に「強い意志」があるということなのですね。
それから、カリスマ彰の本分にある「マメリッコ」の件ですが、全面ロケを行ったフィンランドの政府観光局の撮影協力と引き換えに、「マリメッコ」など、フィンランド企業の商品がプロダクト・プレイスメントとして登場することになったというのが真相です。
なお映画の「かもめ食堂」は、日本向けの観光ガイドブックでも紹介されフィンランドの現地食堂「カハヴィラスオミ」の店舗を使用して撮影されました。
作中にも出てくる『焼き立てシナモンロール』が目玉商品だそうです。
下の写真が、店舗を外から見た写真でございます。
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See
you again !
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かもめ食堂
(C)2006「かもめ食堂」製作委員会
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