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「Takeoff」(佑樹のMidi-Room)
by 岸波(葉羽)【配信2013.1.5】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 最強無敵の、その先へ。

 さて、今回のcinemaアラカルトはシルベスタ・スタローンの「エクズペンダブルズ2」でございます。

エクスペンダブルズ2

(C)2012 Barney's Christmas, Inc.

 言わずと知れた、スタローン脚本・主演のオアクション・オールスター映画第二弾。(※脚本はリチャード・ウェンクとの共同)

 バーニー・ロス(スタローン)率いる命知らずの傭兵部隊「エクスペンダブルズ」が再び大活躍いたします。

 

 今回は、ネパールで誘拐された中国の富豪の救出作戦から始まって、アルバニアで墜落した輸送機から積荷の回収作戦へと。

 ところが国際テロ集団に積荷を横取りされ、仲間の一人が犠牲に。

 積荷奪還と仲間の無念を晴らすために、一行は敵のアジトがある旧ソ連軍事基地へと向かいます。

エクスペンダブルズ2

(C)2012 Barney's Christmas, Inc.

 映画の冒頭から「これでもか」という超絶アクションが展開。そう、いきなりクライマックスから突入するのです。

 こういうパターン、「007」や「ミッション・インポッシブル」でよく使われます。

 導入なんてもんじゃない。そこの部分だけで映画一本みたような満足感。お得感十分。

 で、敵のアジトに捉えられている中国の富豪、頭に袋を被せられて激しい拷問を浴びせられています。

(う~ん、コレ痛そうです。どっからキックが来るか分らないし…)

 わがエクスペンダブルスの筋肉軍団は押し寄せる敵を蹴散らし蹴散らし、遂にアジトに車ごと壁をぶち抜いて侵入。

 富豪を救出して頭の袋を取ると、中から現れたのは何とシュワちゃん!あららら…顔見世のためにここまでの舞台演出を!?

 実はシュワちゃん、ライバル会社の傭兵部隊の隊長さんだったのです。恩を売るというのも大事なこと…いえいえお金のためですけどね、あはははは!

エクスペンダブルズ2

(C)2012 Barney's Christmas, Inc.

 この映画、戦闘シーンともなれば、ひたすら敵を撃破しまくります。ひたすらそれだけの映画。でもそこが痛快。

 80年代のアクションスターたちには、内面の葛藤を描くとかそんなものは余計なこと。ヒーローは強ければいい…シンプルなメッセージが伝わってきます。

 そもそも、この軍団名の“expendable”というのは“消耗品”という意味。

 自らを“消耗品軍団”と名乗りながら、鉄壁のチームワークでどんな困難な任務も成し遂げる筋肉モリモリ、男の矜持がたまりません。

 おっと、“男の矜持”といってしまいましたが、今回の「2」では女子メンバーが加わります。

 CIAのチャーチ(ブルース・ウィリス)から依頼された「アルバニアの墜落機の金庫からマル秘データを回収する」ためには、暗号解読の専門家が必要。

 その専門家として派遣された女性エージェントがマギー・チャン(ユー・ナン)でございます。

 で、この女優さん、事前のネットの評判はあまり芳しくない。

 いわく「この配役、女性である意味が分らない」。

 いわく「あまりカワイクない」。←(たぶん、コッチの方が重要)

暗号解読家マギー・チャン(ユー・ナン)

(C)2012 Barney's Christmas, Inc.

 しかし実際に映画を見た現在、この評価には大きく異議を唱えなければなりますまい。

 たしかに顔の造作が飛びぬけて美人ということはありませんが、周囲を圧する強力なオーラを放っているのです。日本の女優さんで言えば高島礼子さんのように。

 また「女性である意味が分らない」というのは、おそらくスタローンとの艶っぽいシーンを期待した向きによる発言と思われますが、それはありません。きっぱり。

 脚本も書いたスタローンの意図とすれば、そんなあからさまな色恋を持ち込む考えは毛頭なく、むしろ男勝りのシャープな格闘キャラを入れて花を添えたかったのでしょう。←(春麗みたいなものか)

 それから今回、新メンバーに加わった元・オーストラリア特殊空挺連隊の若き天才スナイパー、ビリー・ティモンズ君。

エクスペンダブルズ2

(C)2012 Barney's Christmas, Inc.

 作戦に入る前からあまり乗り気ではなく、「この仕事が終わったら、彼女と静かな生活をおくりたい」なんてことを申しますな。

 これ、いわゆる『死亡フラグ』の典型。そんなこと言った瞬間から、もう死亡確定でございます。

 案の定、墜落機捜索作戦の中途で、なんら良いところを見せる間も無く犠牲者に。

 まあ、テロリストに奪われたマル秘データの奪還作戦に、“弔い合戦”というテイストを加えるための役どころ。

 あまりにもベタな死亡フラグの立て方に笑ってしまったので、別途、葉羽のコーヒーブレイクで「死亡フラグ」の記事を書いておきました。ご覧あれ。

 >>葉羽のコーヒーブレイクその74「死亡フラグ」

エクスペンダブルズ2

(C)2012 Barney's Christmas, Inc.

 もう一人触れておきたいのは、エクスペンダブルスでフルオート・ショットガンを手にした大型銃器のスペシャリスト、ヘイル・シーザー(テリー・クルーズ)。

 この人、「1」でも参加しているのですが、とにかく無敵。でも遅れて登場する。

 仲間たちがアクションを交えた白兵戦で一進一退となった頃にようやく登場して、重火器でドッドッドッドッ…。

 これで全て解決。敵は皆殺しでございます。だったら最初からソレ使えよ。

 ウルトラマンのスペシウム光線か、お前は!(笑)

 ところが今回、もっと凄い援軍が現れます(!) その人こそ伝説のコマンド、ブッカー(チャック・ノリス)。

 戦車を相手にスタローンらが窮地に陥ると、いきなり『続・夕陽のガンマン』のテーマソングとともにチャックが登場(笑)

 たいした武器も使わずに戦車を瞬殺(!)

ブッカー(チャック・ノリス)

(C)2012 Barney's Christmas, Inc.

 並居る敵から銃撃を浴びせられるも全く動じない…というか、弾をかわそうともしない。でも当らない。

 で、たちまち敵軍を制圧。一人で。

 「無敵すぎるだろ!」と突っ込むなかれ。これは、当然の帰結なのであります。何故ならば、“チャック・ノリス”はアメリカでは『無敵』の代名詞。

 『地獄のヒーロー』シリーズなどで完全無敵の主人公を演じて以来、「最強・無敵」をあらわす『チャック・ノリス・ファクト』というジョークがネットの定番になっているのです。

 いわく…

「アメリカ人の死因TOP3 1位心臓病 2位チャック・ノリス 3位がん」

「チャック・ノリスは本を読まない。彼は、ただ彼の欲する情報が得られるまで本を睨み続ける。」

「チャック・ノリスは死を恐れてなどいない。死が彼を恐れているのだ。」

「チャック・ノリスは玉ねぎを泣かせる。」

 うん、ココ面白いので、また別の機会に書くことにします。

エクスペンダブルズ2

(C)2012 Barney's Christmas, Inc.

 今回は、クライマックスでスタローン、ブルース・ウィリス、シュワちゃんが三人並んでマシンガンを撃ちまくるシーンも。

 いやぁ、往年のアクションムービーファンにはたまりませんね。うんうん。

 この映画を観ると、国際的にも社会的にも元気がなくなっている近年のアメリカに、「強きアメリカ」を体現した往年のヒーローたちがカツを入れているように感じます。

 だから突っ込みどころは満載でも、「これでいいのだ」ということでしょう。

 とにかく痛快。細かいことは抜き。スカッとしたいならこの映画!

 

/// end of the “cinemaアラカルト144 「エクスペンダブルズ2」”///

 

(追伸)

岸波

 往年のアクション・オールスター総出演というこのシリーズですが、考えてみるとどこかで観た様な話。

 そうそう…これは仮面ライダーや戦隊ヒーローの映画化にあたってお得意のパターン。

 それぞれに見せ場を作って、最後に揃い踏みというのもしっかり踏襲しています。

 なるほどね。

 もしかして日本びいきのスタローン、日本のスーパー戦隊をヒントにしてエクスペンダブルズを創ったのでは?

 あはははは!

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

エクスペンダブルズ2

(C)2012 Barney's Christmas, Inc.

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト145” coming soon!

 

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