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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2012.9.13】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 ODORU LEGEND STARTED!!

 最後の青島刑事、「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」を見て参りました。

 テレビドラマでブレイクし、さらに映画化しても大ブレイクして、主演の織田裕二をスターダムに押し上げた伝説の作品。前作から二年ぶりの登場であります。

 これで“最後”というのですから、何をおいても行かねばなりますまい。

 しかもっ!!

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

(C)2012 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

 シリーズ途中で亡くなった名脇役、和久さん(いかりや長介)に続いて、湾岸署盗犯係の中西係長役で親しまれた小林すすむさんが、本作のクランクアウト後に病気でお亡くなりになりました。

 テレビドラマシリーズの第一作から、深津絵里演じるヒロイン恩田すみれの上司役で「恩田君、恩田君」の名前連呼で御馴染み。

 映画のエンドロールでも「小林すすむさんの思い出とともに」という追悼メッセージが掲げられたのです。(合掌)

 1997年のドラマスタートから、はや15年。

 長い歴史の中で多くのファンに熱狂的な支持のあるこの作品。行かないわけにはいきませぬ。

 さて、最終作の内容は!!

 

 期待どおりといえば期待どおり、当然と言えば当然、9月8~9日の公開週末二日間の興行収入は8億427万円とダントツの一位。

 封切りはイレギュラーな金曜日からだったので、金曜も含めると既に10億円を突破し、前作「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」の二日間興収9億7199万円と同等の滑り出しでした。

 僕とケイコは日曜日の一番遅い回に行ったのですが、それでも取れた席はかなり前の方。

 もう「続編は無い」と思っていたのに来た訳ですから、ファンの興奮も十分理解できるところ。

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

(C)2012 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

 映画シリーズ第4作となる本作の舞台は、2012年12月の湾岸署。

 前作で署長に出世して復帰した元同僚の真下正義警視正(ユースケ・サンタマリア)の下、懐かしい顔ぶれが再結集。

 主役の青島刑事(織田裕二)はと言えば、相変わらず刑事課の係長として部下の恩田すみれ(深津絵里)らと頑張っています。

 事件は、湾岸署管内で国際サミットが開催されて署員が忙殺される中、その会場前から一人の男が誘拐されたことで始まります。

 男は数時間後に死体となって発見。ところが、凶器となった銃は警察から持ち出された押収品だったことが判明。あらららら…。

 案の定、警視庁の捜査会議では、不祥事の露見を恐れて隠蔽することが決まってしまいます。

 この映画、第一作の名台詞~「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ。」のとおり、頑張る現場を事無かれ主義の本庁が妨害するという構図がバックボーンになっていますけれど、ちょっと今回のは酷い。

 あろうことか、捜査当局は管内の素行の良くない男を被疑者に仕立て、スピード解決を図ろうと画策するのです。

う~む、さすがにこれは無理があるシナリオ。幾らなんでも…。

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

(C)2012 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

 そこで第二の殺人事件が発生。うん、そう簡単には行かないのです。

 今度の被害者は、誘拐殺人事件の被告として無罪判決を受けたばかりの人物。晴れて自由の身になったばかりなのにどうして?

 実は、最初に殺された男も数年前の誘拐殺人事件の関係者。

 一方、警察から凶器の拳銃を持ち出した人物は、どうやら湾岸署に設置された捜査本部の中にいるらしいと判明。

 現場本部の指揮をとる鳥飼管理官(小栗旬)は、「表の事件」の収束を図りながら、目の前に居る警察官たちの中から真犯人を見つけ出すという「裏の任務」を果たそうとしているのです。

しかし、見つけていったいどうするつもりなんだろう?警察官の犯罪であることを隠蔽するのは決まっているのだし。うむむむむ…。

 そうこうするうち、第三の事件が発生。

 今度は、真下正義署長の幼い息子が誘拐されてしまうのです。

こりゃあ、犯人は絶対一人じゃないな…。

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

(C)2012 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

 青島刑事は、所轄に対して捜査情報を隠そうとする鳥飼管理官(小栗旬)を不審に感じ、独自に動き始めます。

 その中で、数年前の誘拐殺人事件は、現場の判断を無視して本庁が捜査方針を切り替えたことによって誘拐された子供が犠牲になったことが分かってきます。

 今回の一連の事件は、その時現場で捜査に関わった刑事たちが、「無念」を晴らすために事件をなぞって起こしているらしい事が判明。

 その現場の刑事たちに、本庁の指示を受けて「方針変更」を命令したのは、ほかならぬ真下署長だったのです。

 さて、誘拐された真下署長の息子の運命やいかに。そして、真犯人はどこにいるのか?

 はたまた、予告編で青島刑事がもんどりうって倒れるシーンは、いったい何を意味するのか?

 ドキドキ、ハラハラでございます。

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

(C)2012 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

 で、感想をいくつか。

 当初レギュラーメンバーで、真下正義の奥さんとなった柏木雪乃さん(水野美紀)が、「交渉人 真下正義」以来、久しぶりに登場しています。

 この女優さん大好きなんです…というか劇中の柏木雪乃さんが好きと言ったほうが正確かも。

 なので大感激。うれしいなぁ。でも、最初にテレビドラマの「踊る」に登場したのが1997年。

 あれから15年ですか。今、お幾つなんでしょう?生年月日が1974年の6月頃だったはずなので、うーんと…あ、なるほどね。

 今回の「FAINAL」には、これまで刑事をやったメンバーがみんな再結集。もちろんスリーアミーゴスも再任用の指導員の肩書きで登場。

 香取慎吾クンも非常に重要な役で登場しています。(ふっふっふ…)

 このオールスターな感じ、最終回のお祭りということでファンにはたまりませんね。

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

(C)2012 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

 で、肝心の映画のデキというところですが、ちょっとぞんざいに作っているなと。その一つは、ストーリーがいかにも「無理スジ」であること。

 「上層部の判断の誤りで、みすみす誘拐された子供を殺されてしまった」…からと言って、自分たちで勝手に無罪判決となった犯人たちを殺したり、ましてや、本庁の方針を単に伝達したに過ぎない真下署長の子供を誘拐して殺してやろうって…説得力ないなぁ。

 第一の殺人事件で、凶器を持ち出した犯人が警察内部にいるからって、無実の人間を犯人に仕立ててまで隠蔽するって、そんな…あ、検察がよくやってるか(爆)

 また、相棒の恩田すみれ刑事(深津絵里)が辞職を考えている伏線も、おかしな回収の仕方をしています。

 これも詳しくは書けない部分ですが、「彼女が辞職を考えていたから、あそこで事件が解決してしまった」という強引な辻褄は“ありえない”に一票です。

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

(C)2012 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

 もう一つは、そんなにお金がかかっていない感じなこと。

 大規模なテロに対する電撃作戦や敵味方入り乱れた壮絶なアクションシーンがなく、事件は淡々と進むのです。

 それもどちらかというと、警察内部の対立や暗闘がメインとなった心理ドラマのような進行…陰陰鬱鬱としているのです。

 最後の実行犯逮捕劇にしても、誘拐犯人を自転車で追い詰めた青島刑事との肉弾対決なので、大仕掛けはいらないし。

ただ、ちょっとだけサプライズはあります。そこがまた荒唐無稽なのですが…。

 まさか、オールスター・キャストを集めた人件費だけで予算が尽きたのでは?

そんなことはないです(笑)

 さらに残念なのは、テレビCMでやっていた青島刑事が殉職したかのように倒れるシーンの真実。

 これは、どう書いても完璧にネタバレするのでナイショにします。それにしても、うむむむむ…。

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

(C)2012 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

 一番分からないのは「タイトル」。

 “新たなる希望”というサブタイトルがついているワケですが、映画を見終わった皆さん、何が“新たなる希望”だったか理解できましたか?

 もし、事件のまとめ方がああだったから、と言うのであれば、それこそ荒唐無稽なご都合主義としか感じられません。

そもそも警察機構が機能しないことが映画の中でも示唆されてるし。青島君のあの答え…あれが「希望」なのでしょうか?

 絶大な信頼を置いていた亀山千広作品で、こんなふうに感じるのは初めてなので、正直ボクも戸惑っています。

大ファンの一人として期待が大きかっただけに…。

ねえ、ケイコ。何か残念な映画じゃなかった?

でも、それはしょうがないじゃない。

どして?

亀山千広も歳をとったのよ。

一刀両断?!

 

/// end of the “cinemaアラカルト142「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望”///

 

(追伸)

岸波

 最近、映画を見る機会はかなり多くなりました。注目作があれば、ほぼ毎週、ケイコとワーナーマイカルに足を運んでいます。

 やはり、映画館がほとんど無い会津地方と違って、シネマ。コンプレックスが二つある福島市は映画ファンにとっては天国のようであります。

 でも、それら全てをこのアラカルトでご紹介するのはかなり難しいのです。

 結果、書くつもりでいても時間がたって細部を忘れてしまうこともしばしば。やはり歳は取りたくないものですね。

 で、上映が終わってしまうかもしれないので、結論だけを忘れないうちに。

 今、絶対見るべきなのは「るろうに剣心」です。原作のファンの方はもちろん、佐藤健クンのファンの方も、決して期待を裏切らない作品です。

両方のファンでない方は?うむむむむ…。

 「BRAVE HEARTS 海猿」…これも期待どおり。

 ま、“主人公たちは絶対に死なない”という作品なので、予定調和ではありますが、“これでもか”という絶望的な状況が積み重なる中でのカタルシス~晴れ晴れとした気持ちになれる事、ウケアイです。

 「プロメテウス」…何でしょうか、この映画??

 “人類はどこから来たのか。”というキャッチ・コピーなので、てっきりそういう内容の映画かと思いましたら、あらららら…。

 エイリアン監督のリドリー・スコットさん、過去の栄光をいつまでも引きずるのはおやめなさいと言いたくなるような映画です。

 あはははは!

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

(C)2012 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト143” coming soon!

 

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