こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
華氏911、それは自由が燃え上がる温度
・・・ちょっといいコピーでしょ?
だからこの映画を、かなり期待して見に行ったんですよ、カミサンと二人で。
タイトルはブラッドベリのSF「華氏451」のパロディですね。
でも、「華氏451」が映画化されたのはずっと昔だし、ヒットもしなかったので、今の若い人達にはパロディの意図が判らなかったんじゃないかな?
このマイケル・ムーアという監督は、「ボウリング・フォー・コロンバイン」でアメリカの銃社会に問題提起して賞も取っているのに、まさかこういう人物だったとは・・・。
さてその内容は?
上映開始から20分ほどは、例の「9.11」の衝撃映像が繰り返して流れますので、かなり緊張感があります。
ところが、次に出てきたのは、大統領が記者会見に臨む前のリラックス映像。
こんな映像をどうやって入手したのかも不思議ですが、そんなことより、こんな編集をした意図がまったく理解できません。
|
マイケル・ムーア
(←マジな顔してもダメ!) |
会見前に緊張をほぐす行動を取るのは当然のこと、そりゃあ傍目にはおかしな仕草に見えるでしょうが、そんなプライベート映像を見せて恥をかかせることに何の意味があるのでしょう?
また、休暇中のゴルフの映像を挟んで緊張感のなさをアピールしようとしたり、あげくの果てには、西部劇のガンマンにブッシュやラムズフェルドの顔画像を切り貼りして、言ってもいない言葉をアテレコして貶めたり・・。
要するに、「ブッシュは馬鹿だから戦争を起こした」と言いたいようですね。
|
「華氏911」
(主演:ジョージ・ブッシュ) |
また、取材の方法にも大いに疑問があります。
議会前で上院議員たちをアポなしで待ち伏せて、一人ひとりにカメラを向けながら・・・
「もし、貴方がイラク戦争に賛成なら、まずはアナタの息子を兵士として志願させる気はありませんか?」と、無茶苦茶な質問を浴びせ、コメントを強要しています。
親子と言えども別人格、戦争に行けなどと指図できる問題でもないし、ましてや個人的な派兵志願と国家の問題とは別な次元の話ですからね。
|
「華氏911」
(←ぶしつけな突撃取材。) |
どうやら僕は、大統領選挙前に、この映画を上映することについて圧力がかかった意味を取り違えていたようです。
イラクの石油資源を狙って米国石油メジャーと組んだブッシュ・ファミリーの陰謀が明らかになることを恐れたのではなく、「そんな姑息な手段でなりふり構わない中傷をすると人権問題になるぞ」と教えたかったのでしょう。
それにしても、この映画の公開が大統領選に大きな影響を与えるかのように報道したマスコミは、本当にこの映画を見ているのでしょう?
この映画に心を打たれて選挙行動を変えるような人間が本当にいるのでしょう?
映画を見終わった後の観客は誰一人喝采するわけでもなく、難しい顔をして考え込むか、ウンザリした様子で早々に席を立っていました。
うーむ・・ムーア君、こりゃあ君の負けだね。
/// end of the “cinemaアラカルト11「華氏911」” ///
(追伸)2018.2.26
岸波
はいムーア君、よく頑張りました。
でも、結果は下の写真のとおり↓
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See
you again !
|
ムーアとブッシュ
(←アンタの負け!) |
eメールはこちらへ または habane8@ybb.ne.jp まで!
Give
the author your feedback, your comments + thoughts are always greatly appreciated.
To
be continued⇒ “cinemaアラカルト12” coming
soon!
<Back | Next>
|