僕の頭の中には、昔から、極めて妙ちくりんな街がひとつあります。
日本でも外国でもない、そんな街の中で、これ迄に、「交響楽」や「主人公」が生まれました。
この、いわばMASASHING-TOWNには、勿論、色んな人が住んでおりまして、(「魔法使いの弟子」の親子もこの住人です)こうして時折、とてつもない現れ方をするのです。
~中略~
かぼちゃパイは、スイート・ポテトよりも美味いという人もある程、おいしいパイで、(僕はまだ良く理解出来ないのだが)当然の事乍ら、アイスorホットのミルクが似合うそうな。
ですから、シナモン・ティーといっても牛乳で紅茶を出した「ミルク・ティー」にシナモンの枝を使う、基本的なシナモン・ティーがよろしい。
必ずかぼちゃパイを喰べて、シナモンティーを飲み、その際使用したシナモンの、湯気の立っている奴で、窓ガラスか、ガラスのテーブルに3度、恋しい人の名を書いて、3分待ちますと、叶う恋の場合はすうっと字が浮きあがって来る、という言い伝えが古くから、MASASHING-TOWNにはあるのです。
本当は、その時、唱える呪文があるのだけれども、この際だから、教えますと、相手の名前をローマ字で右から左に3度、スラスラッと読む。
そうすれば叶うというのですが、もし叶わなくても知らないぞ。
MASASHING-TOWNでは、そうなんだが、日本でもそうかどうかは、保証しません。
(さだまさしライナーノートより) |