|
|||
|
|||
6月17日に洪水レポートをしたところですが、昨年カローラが水没した忘れもしない7月7日、同じ日に今年最大級の洪水がありました。 これで雨季も打ち上げかと思ったら、7月10日の日曜日、早朝に用事があり街まで車で出かけたところ、突然、まさにバケツをひっくり返したような雨が降ってきました。 これはまずいと、大慌てで自宅に戻ろうと思ったのですが、わずか30分の間に、すでに道路は冠水して乗用車では通れない状況になっています。
昨年の失敗は繰り返さないように、ここは待つしかないだろうと、車の中で新聞を読みながら、途中居眠りなどして3時間も待ったのですが雨は一向に上がる気配がありません。 まあそれでも早朝からの雨なので、夕刻前には上がるだろうと、車を放置して自宅へ戻ることにしました。 しかし、目の前の真っ黒な泥水の中を歩いていく勇気もなかったので、でかい車が通るのを待つことにしました。 ちょうどいいタイミングで、現地のまるでモデルのような美しいお姉さんも、同じ狙いで傘も持たずに雨の中濡れて立っていたので、このお姉さんのコバンザメになろうという目的で、傘に入れてあげました。 その後30分ほど待ちましたが、さすがに4輪駆動のでかい車も、あまりの水量に躊躇して、Uターンして行きます。 その中で勇気ある一台がトライしようとしたので、お姉さんと一緒に乗せてもらったのですが、結局その車も途中まで行って断念。
せっかくの日曜日、やりたいことも山ほどあるのでこれ以上のタイムロスを避けるため、ついに覚悟を決めて、泥水の中を歩いて帰ることにしました。 一旦濡れてしまうと、童心に戻ったようで、結構泥水の中を歩くのも楽しいです。 (裸足なので、釘を踏みつけたりしたらもう大変。破傷風のほうがはるかに怖いので、よい子の皆さんは決して真似しないようにしましょう。) ところが水深は思ったより深く、何人か現地の人も歩いていますが、足元が見えないので、穴に落ちたりして皆な苦戦しています。 (外人で歩いているのは私くらいなので、みんな歩くコースを教えてくれたりして、とてもやさしかったです。) さらに怖いのが、巨大なトラックが通り過ぎると、水が大波になって押し寄せて来ます。 ちょうど造波プールのような感じで、思わず波に合わせて飛び上がらないと、水をかぶってしまいます。 結局20分ほど水の中をひたひた歩いてアパートまでたどり着きましたが、幸いなことにアパートは無事なようです。
車はそのまま放置しておく訳にもいかないので、夕刻、引き取りに行こうと思いましたが、その後も雨は降り続き、さらに雨足は強まっています。 これまでは、どんなに大雨が降っても、最大5~6時間で止んだので、水が引くのを待っていればよかったのですが、この日はもう12時間以上、どかっとした雨が降り続いています。 今出て行けば、これは生死にかかわるかもしれないと、止むなく車はそのまま放置することにしました。 放置した段階で、タイヤの5cm位のところまで水位は来ていたので、すでに水没していることは間違いありません。 一番気掛りだったのが、保管場所を移すために車の中に大量の米を積んであったこと。 すべて日本から苦労して持ってきたものですが、あの泥水に浸かってふやけてしまったら、貴重な日本米がもう食べられません。 がっかりしながらとりあえず寝て、早朝、まだ雨は降り続くものの、水もかなり引いたようなので、恐る恐るカローラの様子を見に行きました。 (ジョギングで10分ほどかかります。)
すでに自宅から出て来た私の運転手は車をチェックしていますが、思った通り、また完全に水没したようで水は車の中まで入り込んだようです。 車のチェック前にまずは米のチェックをしたところ、どうやら無意識の内に、シートの高い部分に米の入ったバッグを置いたようで、約15kg近い米は無事でした! ああうれしいと思った途端我に帰りましたが、車のエンジンがかかりません。 周辺に放置された車も、持ち主や運転手が来てチェックしていますが、エンジンがかかる車も、いきなりマフラーから消防車の放水のように水を噴き出したり、エンジンがキュウキュウと悲惨な音を立てています。 さて我がカローラ、どうやら完全にまた電気系統が麻痺したようで、また多額の修理代がかかると目まいがしましたが、こちらはどうしてもはずせない仕事が入っていたので、急遽レンタカーを手配。憂鬱な気分のまま職場へ向かいました。 結局、近隣の街はどこも相当に被害が出ているようで、仕事はすべてキャンセルとなってしまいましたので、再びカローラの救出に向かったところ、すでにレッカー移動して修理工場にありました。 どうやら今回は、無理やり水場を突破するような無謀なことはしなかったから軽傷で済んだようで、バッテリーをもう一度充電し直して、電気系統を乾かしたら、どうにかまた動き始めました。
しかし、車のシートはびしゃびしゃ、それでもこれで済んで本当によかったなあ、この教訓はいろいろ生かさなければいけないなあと思いました。 新聞報道によると、やはりここ10年くらいでは記録のないような大雨で、いつも行く銀行近辺も壊れた車が路上に放置され、街路樹も倒れ、未だに道路は冠水しており悲惨な状況です。 日本でもゲリラ豪雨というのが近年ありますが、しかしわずか30分で道路が川と化してしまうのだから、ある意味、多少危険は予想できる台風よりも恐ろしいかもしれません。 実際に死者も出ているようですので、今後もこのような場面に出くわしたらどうすればいいのかと思いましたが、もしあのタイミングで歩き出さないで車の中に残っていたら、まったく逃げ場もなくなり、車の屋根の上で一晩明かすことになっていたのかもしれません。 ということで、修理代は少々かかりましたが、危機回避という観点からちょっとまたじっくりと考えて見たいと思います。
|
|
| Copyright(C) Marathonman&Habane. All Rights Reserved. |