いつもの秋の祭りに行き損ねて
 ポッカリ空いた穴を埋めようと
 また性懲りも無く峠へと向かった

 馴染みの店への土産を携える事で目的もできた
 燻んだ紅葉には期待してはいないものの
 それでもやはり色の変化を探している

 

 途中 「よりみち展」という展によりみちしながら
 雨上がりの裏磐梯を走った

 

 

 重く垂れ込めた雲が
 より秋の深まりを感じさせ
 ススキの穂が一様に項垂れて空気を重くしている

 等と思っていたら
 厚い雲が切れて太陽が顔を出した

 やはり少しでも青空が見えると
 気持ちは前向きになるみたいだ

 同じ道は帰りたくない
 白布温泉へ小野川温泉♨️へ向かおう

 

 山の色付きには期待はしていないが
 何年か前の今頃
 途中の峠で吹雪かれたのを思い出した

 

 馴染みの店で頂いたバジルを手にしながら
 やはり花より団子かなと
 遠く色付いた山並みをボ〜ッと見ていたら
 怪訝な顔した猿が
 此方をジ〜ッと見ていた
 そうだ 白布は熊より白猿の里だった

 

 いつの間にか空は厚い雲に覆われて
 時折小雨模様となってきた

 あとひと月もしない内に雨は雪になり
 この道も閉鎖され長い冬が始まる

大和伸一【2025.10.9掲載】

 Photo by 大和伸一
 MP3 by 甘茶の音楽工房「ブナの森に舞う雪」
 Essay by 大和伸一
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