起きて先ずすること
 空を見上げる
 そして外気を思いっきり吸う

 雲が流れ
 流れに合わせて
 陽射しが生き物の様に森を走る

 同じ景色なのに
 光で別物の様に変化する
 同じ瞬間というのは二度と無い

 

 見慣れた普通の景色が
 瞬間最高の景色に変わる

 

 アッと思いカメラを向ける時には
 何時もの景色に戻っている
 幾度となく悔しい思いをしてきたことか…
 瞼に焼き付いているから尚更だ

 

 撮る為の緊張感
 文字にすると厳しいが
 この心地良い雰囲気が好きだ

 好きにはなれない季節だけど
 この緊張感が一番多いから複雑な気持ちだ

 紅い帯がずっと下まで降りてきている
 心地良い雰囲気を求めて
 次の休みに走るコースを思いあぐねている

 

 山に入れば
 すぐそこに冬の足音が聞こえてきそうだ

大和伸一【2025.10.23掲載】

 Photo by 大和伸一
 MP3 by 甘茶の音楽工房「ブナの森に舞う雪」
 Essay by 大和伸一
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