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「windblue」 by MIDIBOX


6月12日(金)19時開演の佐渡裕指揮新日本フィル(コンサートマスター:崔文洙)のコンサートをサントリーホールで聞いた。

 最近は土曜日、日曜日にはアマチュア・オーケストラを主にきいているので、プロオーケストラを聞くのは実に久しぶりかな。調べたら、5月24日川瀬賢太郎指揮都響(八王子J:COMホール)、3月26日オスモ・ヴァンスカ指揮都響(池袋:東京芸術劇場)、2月6日和田一樹指揮新日本フィル(中野:なかのZERO)と今年は3回聞いていた。

  サントリーホール

 ちなみに今回は今年39回目のコンサートだ。さらにサントリーホールでは、東京グリーン交響楽団(1月18日)、三菱UFJ管弦楽団(2月28日)に続いて今年3回目。

 やはり、サントリーホールの音響はいい。アマチュア・オーケストラはこのサントリーホールであまり演奏しないが、使用料が群を抜いて高いのだろうと推測する。

 なお私の席はRB5列の11番。ギリギリS席だと思うが、なにか割引があって定価10500円のS席が9615円(コンビニ発券手数料・システム使用料込)だった。SS席1万3000円などという席も売られていた。

 18時半からプレコンサートとして、モーツアルトのクラリネット五重奏曲の第1楽章を演奏し、プレトークとして佐渡裕が10分ほど話した。

「今回のマーラー交響曲第3番の冒頭のホルンによるテーマはブラームスの交響曲第1番の最終楽章のベートーヴェンの第九の歓喜のテーマにそっくりと言われたあの有名なテーマに凄く似ている。マーラーはワーグナー派と言われてブラームス派とは対立していたなんて言われるが、そんなことはなくてずいぶん影響を受けている」とのこと。

 さて演奏だが、アマチュア・オーケストラを聞き続けていると、プロのオーケストラはやはり凄いと感じる。冒頭のホルン8本の咆哮には思わずのけ反ったほどのド迫力。全曲を通じてホルンはわずかなキズはあったが、素晴らしい演奏を展開。ただしそれ以上だったのがトロンボーンで驚いた。

 トランペットも同様だったが、第3楽章でのステージ横からのポストホルンはやはりミスがあって残念だった。ポストホルンは難しい楽器のようだ。しかし弦楽器も含め全体的に、新日本フィルのレベルが佐渡裕が2023年4月に音楽監督になってからかなりレベルアップしているのを実感した。

 実は、音楽評論家許光俊(慶応大学教授)の佐渡裕に対する嫌悪感に満ちた批評(「佐渡裕は音楽のサド侯爵だ!」)を読んで以来、感化されてこの指揮者を何となく避けるようになっていた。実際一度聞いた時に、その音のバカデカさに「なんてデリカシーのない音楽」と思ったのが背景にあった。

音楽評論家許光俊

 今回も確かに馬鹿デカい音である。大半がメゾフォルテ以上で、身振りが大きくて、健康的というか、影がないというか、そういう音楽づくりなのだ。そういう音楽が、このマーラーの交響曲第3番には比較的合っているようで、今回の満足度はまずまずだった。

 しかし大体は泣ける終楽章(第6楽章)でそこまで感動しなかったのは、そうした音楽づくりによるのかもしれない。しかし、第4楽章、第5楽章で藤村実穂子の貫禄十分でスケールの大きくて深い歌唱が聞けたのは嬉しかった。

 上は、終演後の新日本フィルと佐渡裕、ブルーのドレスは独唱者の藤村実穂子。

 終演後はフィリピンでの最近の大地震への募金活動をホールの出口で行う佐渡裕。

 

 6月24日にフィリピン・マニラで新日本フィル(指揮本名徹次)は日本・フィリピン国交正常化70周年記念演奏会を行うのだという。

(20260.6.26「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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