「windblue」 by MIDIBOX


藤井聡太(22歳)の「八冠陥落」は、私の2024年残念ワースト20に入る出来事だった。

 個人的には、正月のインフルエンザと薬飲み合わせ間違いによる転倒事故、5月の財布紛失、12月のTVコンバーター内のハードディスク故障で多数の録画消失がワースト3だ。

 一方「推し」の大谷翔平、尊富士&大の里はまあ満足だったが、藤井聡太のピークが過ぎたことが明らかになったのが残念至極。

 昨年10月に永瀬拓矢王座から3勝1敗で王座のタイトルを奪取して史上初の八冠達成した際に、この後失冠するとしたら、先に4勝したら勝ちの7番勝負のタイトル(名人、王位、竜王、王将)ではなく、先に3勝したら勝ちの5番勝負のタイトル(叡王、棋聖、王座、棋王)だろうと予想されていた。

 まさに予想通りで、叡王のタイトルを6月に同学年生伊藤匠七段(21歳)に2勝3敗で奪われた。

 今年になってからのタイトル戦は、王将4勝0敗(菅井八段)、棋王3勝0敗(伊藤七段)、名人4勝1敗(豊島九段)、叡王2勝3敗(伊藤七段)、棋聖3勝0敗(山崎八段)、王位4勝1敗(渡辺九段)、王座3勝0敗(永瀬九段)、竜王は4勝2敗(佐々木八段)。一方トーナメント戦はJT杯日本シリーズが準決勝で広瀬九段に敗れ、昨日の銀河戦は決勝で2年連続の相手だった丸山九段に2年連続敗れるというテイタラクでファンをガッカリさせた。トーナメント戦でまだ残っているのは、NHK杯と朝日杯の2つだ。

 また今期(4月1日〜3月31日)は、プロ入り以来毎期続けてきた勝率8割も絶望的だ。12月21日現在36戦27勝9敗で7割5分。それでも3勝1敗ペースだから強いことは強いが、昨年までの神がかりの強さ(8割=4勝1敗ペース)ではなくなった。

 理由として、歯列矯正、段位認定賞状への署名、取材、会合、パーティーなど雑用が多くなって、研究時間が少なくなったことが考えられている。藤井聡太のピークは八冠達成した2023年だったなどと書かれないように、一層の精進を期待したいところだ。

 とりあえずは、王将戦(対戦相手:永瀬九段)と棋王戦(対戦相手:増田八段)を防衛し、来年1月から決勝トーナメントが始まる叡王戦で叡王位を奪還し八冠再戴冠が大目標だろう。今のテイタラクでは期待薄かな。

P.S.

 藤井聡太の新年2025年の最初の対局は1月8日(水)の叡王戦トーナメントの増田康宏八段戦だった。先手番111手で快勝した。これでベスト8。挑戦者決定までは、あと3勝になった。

 なお1月12日、13日には永瀬拓矢九段との王将戦7番勝負が開幕。1月19日には朝日杯トーナメントで阿久津八段戦。1月25、26日には王将戦第2局。2月に入り2月2日に増田康宏八段との棋王戦5番勝負が開幕する。

(2025.1.10「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

PAGE TOP


  banner  Copyright(C) Miura Akira&Habane. All Rights Reserved.