12月31日から1月3日までNHKラジオ第2放送で向田邦子(1929.11.28〜1981.8.22)の短編集「思い出トランプ」の全13編が朗読されたのを昨日知った。
知らなかった!と大いに残念がったが、なんと聞き逃しインターネット配信のらじるらじるで2月25日まで聞けるのを知って早速第1日目の3作を聞いた。「かわうそ」「だらだら坂」「三枚肉」の3作だ。
朗読は青木裕子アナウンサー(あのチャラいフリーアナウンサーの方ではない)だが、朗読の名手と言われているが、ちょっと語頭のアクセントが強すぎる感じ。
その後13編を全て聞いたが、期待に違わず良かった。
「思い出トランプ」とは13の短編からなった短編集だからという。変なTVドラマよりよっぽど良い。就寝時聞いたのだが、眠れなくなってしまった。
なんとも恨み、悔恨、欲望、虚栄が入り混じった男女の世界のドロドロの裏側を描いた向田ワールドだった。こういう世界は男の作家はまず書けない。
台湾での航空機墜落事故で亡くなってから昨年は40年。生きていれば92歳か。一昨年92歳で逝った私のオフクロの2歳下なのか。
wikipediaでその生涯とエピソードを辿ってみる。
たぶん、小説に書かれていることの殆どは、自身の体験か実際に見聞きしたことなのではないだろうか。
まさに昭和に生まれ昭和に生き昭和に散った女である。こういう凄い女がたくさんいた時代が確かにあった。
(2022.1.28「岸波通信」配信 by
三浦彰 &葉羽)
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