「windblue」 by MIDIBOX


2021年も2020年同様、在宅時間が長く約140本映画を見たが、オペラ映画を4本、ココ・シャネルとマルタン・マルジェラのドキュメンタリー映画2本を映画館で見た以外は全てTV録画した映画を見た。

 なお私はNETFLIXもAmazonプライムも加入していないが、J:COMコンバーターは入っている。

 日本でもこれだけNETFLIXやAmazonプライムが普及するとTV放映映画の推薦もやりがいがある。

◆第1位は「パラサイト 半地下の家族」だ。

 今の時代の閉塞感をこれほど見事に描いた作品はそうそうない。

◆第2位 「サウダーヂ」(2010年)

 不覚にも富田克也監督率いる空族(くぞく)という映画制作集団がこんなに見事な映画を10年前に作っていたことを今になって初めて知った。

 甲府を舞台に時代の矛盾を徹底的にかつ面白く描いている。

 空族病になってTVで放映された全主要作品(「雲の上」「国道20号線」「チェンマイの娘」「バンコクナイツ」「典座」)を見てしまった。

◆第3位 「さらば愛しき大地」(1982年)

 上記の空族にかなり影響を与えた映画監督が柳町光男だが、過小評価されているのではないか。

 高度成長期の日本の歪みが見事に描かれている。

 39年前にこの作品を撮った先見性は賞賛されてよいと思う。

 この他に中上健二原作の「19歳の地図」(1979年)も見たが、やはり名作だった。

◆第4位 「髪結の亭主」(1990年)

 パトリス・ルコント監督の名作「仕立て屋の恋」と「髪結いの亭主」の2本をこの歳まで見ないできてしまったのも不覚だったが、なんとか今年2本とも見られた。

 いかにも粋なフランス映画で、佳作以上の名作であった。

◆第5位「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019年)

 タランティーノ監督作品はやはり外せない。

 待ちに待ったTV放映だったが、この映画は楽屋落ちみたいなところがあるが、やはり面白いことこの上ない。

◆第6位 「の・ようなもの」(1981)

 これも長らく見たい見たいと思っていた映画。

 森田芳光監督の没後10年ということで2021年TV放映された。

 この映画は長編デビュー作品だが、この作品の後に作られた「家族ゲーム」「ときめきに死す」までの80年代初期がピークだったような気がする。

◆第7位「マグノリア」(1999年)

 鬼才ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画もなかなか見れずに来てしまったが、「ザ・マスター」とこの群像映画「マグノリア」を2021年にやっと見ることができた。

 映画史上最大の謎のひとつと言われる「マグノリア」のラストシーンは必見だ。

◆第8位「キャピタリズム」(2009年)

 マイケル・ムーア監督の映画も大体見ているが、2021年は、この「キャピタリズム」と「ボウリング・フォー・コロンバイン」(2002年)の2本を見た。

 反資本主義のプロテスト映画に過ぎないという批判はあるが、教育的説明部分が少々気になるが、時代の腐敗と闘うムーアの悲壮感には共感してしまう。

◆ 第9位「鍵泥棒のメソッド」(2012年)

 内田けんじ監督・脚本の良くできたコメディ映画だが、現代日本のディテールが実に丁寧に描かれているので、惹きつけられるのだろう。

 主役3人が好演。

◆第10位「時の翼に乗って」(1993年)

 ヴィム・ヴェンダース作品は、この映画ともう1本SFタッチの映画「夢の涯てまでも」も見ることができた。

 甲乙つけ難いが「ベルリン天使の詩」の続編であるをこちらを挙げておく。相変わらず感傷的な映画だが、味わい深い。

 ナスターシャ・キンスキーの美しく哀しげな演技に惹かれる。

 その他悩んだ挙句にベスト10の選外にした20本も捨てがたい映画なので題名・制作年を挙げておく。

11位 未来世紀ブラジル(1985)
12位 ホーリー・モーターズ(2012)
13位 9人の翻訳家(2019)
14位 月の輝く夜に(1987)
15位 アンダー・ザ・シルバー・レイク(2019)
16位 友だちのうちはどこ?(1987)
17位 立ち去った女(2013)
18位 セブン・イヤーズ・イン・チベット(1997)
19位 ロンリーハート(2006)
20位 ラスト・タンゴ・イン・パリ(1972)

21位 群盗荒野を裂く1966)
22位 罪の声(2020)
23位 恐怖の報酬(1977)
24位 完全犯罪(1993)
25位 アウトレイジ(2010)
26位 セックスと嘘とビデオテープ(1989)
27位 運命の逆転(1996)
28位 誰よりも狙われた男(2014)
29位 ミッドナイト・イン・パリ(2011)
30位 ラスト、コーション(2007)

(2021.12.31「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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