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一昨晩、TVをぼんやり見ていたら「男はつらいよ/幸福の青い鳥」(1986年 山田洋次監督 1時間42分)をやっていて、最後まで見てしまった。

 BSテレビ東京では、「土曜の夜は寅さん」のキャッチフレーズで、土曜日夜に「寅さんシリーズ」を放送しているが、開局20周年とかで4Kデジタル修復しているというふれ込みもあった。

 私は、寅さんシリーズのファンではないが、こんなふうに、他のことをしながら、見てしまうことはたまにある。

 1969年8月27日に第1作が公開された「男はつらいよ」も、1986年のこの頃には、渥美清(1928年3月10日〜1996年8月4日)の健康のこともあり1年に1作にペースダウンして作られていて、年末に公開されるというパターンが定着していたようである。この作品も師走感が満載だった。

 さてこの作品は、50本ある寅さんシリーズ(ギネスに認定されている最多シリーズ映画の記録は渥美清が出演した48作までである。49作と50作は回想の中にしか渥美清は登場しない)の第37作だ。

 

 寅さんを慕って、九州・筑豊から上京した志穂美悦子がマドンナ。この志穂美と画家志望の看板描きである長渕剛が恋仲になるという話で、寅さんの出番はいつもより少ない。

 この映画の前の、TV「親子ゲーム」で恋人役で共演していたが、この映画で関係が深まり、志穂美と長渕は結婚し、志穂美は芸能界を引退する。

 この志穂美最後の映画になるが、当時30歳の志穂美がなんとも魅力的なのだ。調べてみると志穂美悦子は1955年10月29日生まれで、私の1学年下なのである。

 映画では福岡弁を話しているが、志穂美は岡山市の出身だ。 旅芸人一座の座長の娘に生まれて、父が死んだ後は芸者みたいなことを炭鉱町でやっているという設定なのだが、健康的な色気があり、それでいて哀しみを内に秘めている感じもある。

 長渕との恋愛中だったせいなのか。 脇役が多士済々でいつもながら懐かしく面白い。

 市役所の結婚相談員役の笹野高史。

 

 志穂美が働く上海軒の店主は桜井センリ。

 

「寅の恋人が上海軒にいるぞ」と町中に触れ回る ヤンキー風の男役はなんと出川哲朗!

 

 1964年生まれの出川は当時21歳だ。次作の第38作にも登場。

 

 珍しい寅さんの出前姿。

 

 左端はエド・はるみ。彼女はいまどうしているのだろうか?その右は有森也実。芦ノ湖のシーン。

 その他、「とらや」の家族などのレギュラー陣は言うまでもなく、スマケイ、関敬六、笠智衆、佐藤蛾次郎、美保純などなど。懐かしい昭和の下町が展開されるのであった。

 とにかく、最初は仕事をしながら見ていたのだが最後の方は、すっかり映画に引き込まれていた次第だ。

(2020.12.25「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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