いわゆる文学青年だった私の、将来の夢はもちろん文学賞を取ることだった。
しかし文字を書いたり、校正をしたり、文章添削をしたりする商売なので、アルバイト原稿は書くが、休日に本格的に小説を書くというのは、まず難しい。
知り合いにはいまだに説家志望者がいるが、「エロか時代物か推理もの意外は可能性がないと評論家からアドバイスを受けた」そうで、時代物は資料代がかかり過ぎるし、推理物はトリックを考えるのが面倒なので、エロ小説をせっせと投稿しているが、採用されるのは年に1、2本。
独身の彼は、生活費はガードマンをやって稼いでいるが、年金なんてないだろうし、この先どうすんだろうね。
文学賞応募
私も、文学賞受賞はもう無理そうだが、それと似たような夢として、自分の文章が入試問題に採用されるというのもあった。そちらの方は、意外にあっさり実現したのだ。
最近「あなたの著作を大学の入試問題に使用しました。またその問題を過去問題と大学のホームページに掲載したくご許可をいただきたくご連絡しました」という電話があった。
なんの著作かと思いきや、「ザ・ジャパン・ニュース」という日刊英字新聞(かつてのデイリーヨミウリが改称)に書いた「サコッシュ」という最近のミニバッグに関する英文記事だった。
大学は横浜美術大学。謝礼はデジタル掲載込みで1万円。
もちろん、喜んで許可しました。英語に自信のある方は是非挑戦してみて下さい。