歴史学者の磯田道史氏、感染症学者の川名明彦氏が出演。
エゴン・シーレ、なんとマックス・ウェーバーもスペイン風邪の犠牲者だった。
日本では劇作家の島村抱月が亡くなって、スペイン風邪の怖さに日本人が初めて気づいたという。
第一次世界大戦(1914〜1918年)の早期終結もスペイン風邪が原因だった。
第一次世界大戦後のパリ講和会議(1919年1月)では、穏健派のアメリカ大統領のウィルソンがスペイン風邪に感染して体調不良から対ドイツ強硬派のクレマンソーに押し切られ、敗戦国ドイツには莫大な賠償金が課せられることに。
日本では与謝野鉄幹・晶子夫妻の10人の子供がスペイン風邪に罹患。晶子は非常事態宣言を出してもっと感染防止策を徹底せよと新聞に投稿。
1918年から1920年までの日本での死亡者数の推移。
第2波、第3波の方がオーバーシュートしていて、完全に医療崩壊していたようだ。
第3波の致死率の高さにも注目。
スペイン風邪とは関係ないが、最後の将軍徳川慶喜も、本来は懐柔策の予定だったが、大阪城でインフルエンザに罹患し体調を崩して、強硬派に突き上げられて武力衝突を短絡的に容認してしまい、鳥羽伏見の戦いに突入し新政府側の思う壺になって、明治維新への道筋をつくってしまった。
インフルエンザが蔓延して、さらに為政者が罹患すると短絡的な決定に傾きがちで、歴史が大きく変わるターニングポイントになることがあると磯田道史氏。
今回のコロナ・パンデミックで歴史が動くなんてこともあるかもしれない。要注意である。さらに磯田氏はこうも語る。
「アメリカの第一次世界大戦での戦死者は11万7000人(ちなみに第二次世界のアメリカの戦死者は29万人)だが、これを今回のコロナ・パンデミックの死者(現在9万人)が上回るようだと、パワーバランスに変化があるかもしれない」と不気味な発言をしている。
今回のトランプ大統領のコロナ対策の失敗をオバマ前大統領が最近批判して、これにトランプが応酬する一幕があった。
また米中のコロナに関する批判の応酬も激しさを増している。このあたりが火種にならないことを祈りたい。
三密さけて、マスク、手洗い、顔洗い、うがいも忘れず、引きこもろう。自分の身体は自分で守る!なんのこっちゃ。