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今、売れているアパレルは、現代人の購買の2大テーマであるSAVING MONEY, SAVING TIMEのテーマを満たしたブランドや販売方法によっていることが分かる。

 その結果、「ザラ」「H&M」「ユニクロ」などのSPAブランドやEコマースによる販売方法が支持されている。

 そうした中で、昨今は「サステナビリティ」が消費でも大きなテーマになっており、二次流通と呼ばれる中古品(リユース)市場が活況を呈している最近では、フリマアプリ(フリーマーケットアプリ)のメルカリが大注目されている。

 Eコマースで売買されていて取り扱っている商品は中古品である。出展者と購入者がメルカリのサイト上でやり取りするのでC2Cビジネスと分類されている。

 中古品をWEBではなくリアル店舗で販売するのは、いわゆる古着屋であるが根強い人気がある。

 また二次流通の一種といっていいのだろうがシェアードサービスというのも結構人気だ。ただし昨今の新型コロナウイルス騒ぎで、フリマアプリもシェアードサービスもここ2カ月ばかり潔癖症の日本人はちょっと敬遠気味だという。

 新品だが、シーズン遅れの商品(売れ残り)やB品と呼ばれるキズモノ、色落ち品、縫製ムラのある商品を、そのブランドが自ら販売するのがアウトレットだ。

 日本ではアウトレットは、巨大なアウトレットモールの中にラグジュアリーブランドから一般のブランドまで、各ブランドが独立したショップを構えているケースがほとんどだ。その多くが観光地や高速の出口の近くの広大な敷地にある。

 このアウトレットモールは1990年代から日本では、堅実な成長を見せてきたが、ここにきて飽和状態になりつつある。

 一方、小売店が主導で様々なブランドのシーズン遅れの商品やB品を仕入れて、販売するのがオフプライスストアだ。アメリカでは、TJMAXXが主要店舗である年商4兆円の最大手企業TJXカンパニーズが成長を続けている。

 この年商は、ZARAをメインブランドにするSPA最大手のインディテックスに並ぶ。オフプライスストアという業態は、日本ではエアポケットになっていて、最近にわかに注目を集め、店舗が相次いでオープンしている。

「&Bridge」相模原店(神奈川県)はファミリー志向で子供服が充実

(Photo by KUMI MATSUSITA)

 まず大手アパレルメーカーワールドと米国のオフプライスチェーンのゴードン・ブラザースの日本法人の合弁会社&Bridge(アンドブリッジ)が昨年9月に、埼玉県さいたま市の「にしおおみやファッションモール」に「&Bridge」というオフプライスストアをオープンした。

 広さは1000㎡で100円ショップのダイソーやファッションセンターしまむらなどが他のテナントだ。

「&Bridge」が販売しているのは、ワールドのブランドはもちろん、同業他社のイトキンやストライプインターナショナルなどのブランドのほか、イタリアのジーンズブランドGASなど。目標年商は3億円。

 今年3月7日には、神奈川県相模原に「&Bridge」の2号店をニトリが運営するニトリモール内にオープンした。広さは500㎡。

 テナントは「ニトリ」の他、「GU」「アヴェイル」「いきなりステーキ」など。場所は町田から車で10分の場所で首都圏に通勤する20~30代の若いファミリー層を狙う。定価の30~50%で販売されている。

 目標年商は2億円。同社の松下剛社長は「西大宮店は予算の110%で推移し好調。3年後に30店体制にしたい」と語る。

「オフプラ」大口店(愛知県)では
ドン・キホーテお得意の圧縮陳列が見られる

(Photo by KUMI MATSUSITA)

 またドン・キホーテやユニーなどを手掛けるパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは、愛知県丹羽郡大口町にある「アピタ大口」が「MEGAドン・キホーテUNY大口店」として3月24日リニューアルオープンするのに際して、2階の専門店ゾーンに同社として初のオフプライスストア「オフプラ」をオープンした。

 広さは1000㎡で150ブランド3万3000点を取り扱う。

 ブランドのラインナップは「ナイキ」「アディダス」「ザ・ノース・フェイス」などのスポーツブランドを始め、「コーチ」「ポロ ラルフローレン」「トミーフィルフィガー」「カルバン・クライン」「サムソナイト」「セリーヌ」「ジバンシー」「ステューシー」「シュプリーム」など海外ブランドが充実している。

 商品の80%が海外買い付け品、20%がドン・キホーテの既存店の在庫。海外買い付け品のアパレルのうち70%が昨年の売れ残り、30%はそれ以前の売れ残りだという。

 パン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングスでは今夏に渋谷の「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」内に495㎡の「オフプラ」2号店をオープンする予定だ。

 いよいよ、日本にも本格的なオフプライスストアの波が来たようである。

(2020.4.10「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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