「windblue」 by MIDIBOX


さすがに9連休というわけにはいかなかったが、連休前半は実家の福島に帰省。東京へ帰る車中で同級生の急死の報をメールで知った。引き返そうとも思ったが、車中にて合掌して冥福を祈る。

 やはり同じ心筋梗塞で3月には同僚を亡くしたばかりでかなりショック。もう還暦間近で何があってもおかしくはない。

 連休後半は溜まった録画映画を鑑賞三昧。娘が家を出て部屋が空いて、私の鑑賞部屋化している。地デジ化の時、奮発して42型のTVを買っていたのが幸いしている? 以下私的評価の高い順。

1. 「ボッカチオ70」(1962):85点

 中学生の時に葉羽が学校に持ってきた「スクリーン」で見て以来、ずーっと観たかった映画。当時無名のモニチェリ監督とイタリア三大巨匠監督の4作オムニバス。

 日本公開はモニチェリ作品をカットして公開。今回のTV放映は2回に分けて4作すべて放映。

ボッカチオ70

ボッカチオ70

(デ・シーカ作品のソフィア・ローレン)

 モニチェリ作品も佳作だが、フェリーニとアニタ・エグバーグ、ヴィスコンティとロミー・シュナイダー(アラン・ドロンの最初の妻)、デ・シーカとソフィア・ローレンという、三大巨匠のそれぞれのお気に入り女優のフェロモン競艶という趣。

(※右の背景画像:「ボッカチオ70」シャネルを着たロミーシュナイダー)⇒

2. 「トイレット」(2010年):80点

 荻上直子監督。川瀬直美、西川美和など現代の日本の女流監督作品は世界に誇る日本のコンテンツだと思うが、これも佳作以上の出来だと思う。

 意表を衝いて舞台はアメリカ。登場人物も、もたいまさこを除いて英語を話す外人。

トイレット

トイレット

 しかし、この映画の着想源になっていると思われる森田芳光の「家族ゲーム」の影響力を強く感じた。

3.「幻影師アイゼンハイム」(2006年):70点

 19世紀世紀末のイリュージョニストのオーストリア皇太子を巻き込んだサスペンス・ロマンス。佳作。

幻影師アイゼンハイム

幻影師アイゼンハイム

 休日にはこれぐらいの映画が肩も凝らず、頭も軟化せず良い。

4.「パブリック・エネミーズ」(2009年):60点

 1930年代アメリカの実在のギャング、デリンジャーをジョニー・デップが演じた映画。

「ディオール」の広告にも起用されたマリオン・コティヤールがその情婦役で好演しているのが救い。

パブリック・エネミーズ

パブリック・エネミーズ

(マリオン・コティヤール)

 しかし、アメリカン・ニューシネマの嚆矢とされる1967年公開の同じような映画「俺たちに明日はない」から42年。アメリカ映画はほとんど進歩していない。 

5.「バイオハザードⅢ」(2007年):採点不可

 シリーズ第3作。これはシネマ・ハザードだな。

6.「蒲田行進曲」(1982年):55点

 連休後。映画癖がついて連休が明けても、休日には映画三昧が続いていた。

 こんなのまで観てしまった。バブルですな。

鎌田行進曲

鎌田行進曲

 松坂慶子が濡れ場トップレス披露なのは深作欣二監督ゆえか。

7.「必殺!HISSATSU」(1984年):採点不可

 連休後。さらにこんなのまで。これで映画熱すっかり冷めました。

番外:ドキュメント「オリバー・ストーンのもうひとつのアメリカ史」

「プラトーン」などで知られる映画監督のオリバー・ストーンが歴史学者のピーター・カズニックと共同執筆しナレーションも担当した連続10回のドキュメント。

 NHKBSで1~7回まで連休中再放映された。8~10回は6月12日以降再放映予定。

もうひとつのアメリカ史

もうひとつのアメリカ史

(オリバー・ストーン作)

 大恐慌時代のルーズベルト大統領から歴代大統領を描きアメリカの裏面史を赤裸々に追う傑作ドキュメント。

「博士の異常な愛情」「5月の7日間」「我等が生涯最高の年」「地獄の黙示録」など過去のアメリカ映画の名作が挿入されている。

 オリバー・ストーンの映画は感心しない作品が多いと思うが、このドキュメントは大傑作。90点!

                

(2013.5.4「岸波通信」配信 by 葉羽&三浦彰)

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