「windblue」 by MIDIBOX


30年と4カ月続いた「平成」が終わり、5月1日から新元号「令和」が用いられている。

 昭和天皇の崩御による自粛ムードがあった「昭和」から「平成」への切り替えと違って、今回は平成天皇の退位によるものだけに、令和天皇即位には祝賀ムードが漂う。

 ファッション業界でも、新元号に便乗?した商品が一斉に発表されている。なんと言っても、プリントしたTシャツが代表的商品だろう。製造が簡単だから驚くほどの数に上る。

「エフェレボル」

 東京のデザイナーブランドの「エフィレボル」ではシンプルに「令和」と後身頃にREIWAのプリント。ちなみに「令和」のアルファベット表記はLEIWAではなくREIWA。

 ドイツの120年の歴史を誇るスーツケース・ブランドのRIWAに似ていないこともない。

 ちなみに西オーストラリア州不動産協会の略称はREIWA(THE REAL ESTATE INSTITUTE OF WESTERN AUSTRARIA)だが、発音はリーワらしい。

「#FR」

 せーののブランド「♯FR」はプリントでもひとひねりしていて、「令和最初の男」のプリント(7560円?)。意味は不明だ。

 この他ではイトキンの「A.V.V.」の「enchantee Reiwa」(2990円税抜き。注:「ようこそ令和」の意味のフランス語。アクサンスマークがeeの最初のeにつくようです)。

「enchantee Reiwa」

 世界中で幅広い人気を誇るエヴィスジーンズは、バックポケットのカモメのししゅうがアイコンだが、今回は「令」と「和」を左右のポケットにプリントしたタイプを受注生産する。

エヴィスの令和ジーンズ

 ハンドバッグでは、ハンドバッグメーカーのクイーポが「令和」バッグを企画生産して、主にEコマースで売っている。

 このバッグは、キャンバス地に日本の年号の中から、字面が美しいもの、想いの強いものを選定して、ひらがなや英語に変換。

 その後、年号をその時代に合った伝統色とフォントでデザインしてプリント。その中央のレザーフレームに「令和」が収められるというもの。

 価格は税込みで2万4800円。日本の元号が248個あることにちなんでいる。

クイーポの令和バッグ

 ハンドバッグメーカーのクイーポは「原点」というオリジナル・ブランドを企画生産している。

 日本のバッグメーカーはライセンスブランドが中心になっているが、この日本語ブランド名を持った「原点」は同社の売り上げナンバーワン・ブランドであるばかりでなく、バッグ市場でも人気がある。

 「創悦」という日本語ブランド名も、この「原点」に次ぐブランド名としてスタートしたが、より日本的な要素を取り入れていて、葛飾北斎の「富嶽三十六景」から「神奈川沖浪裏」の絵を植物性タンニンなめしレザーに高精細なインクジェットプリントしたトートバッグやスモールレザーグッズなどを企画生産販売してきた。

「創悦」ブランドの北斎コラボバッグ

 漢字ブランド名は、あまりファッショナブルではないという理由からか、敬遠されているようだ。

 オンワード樫山の「組曲」「23区」「自由区」「五大陸」が知られるぐらいで、いかにも少ない。もう少し漢字名ブランドが出てもよさそうに思う。

オンワード樫山の「五大陸」

 第二次世界大戦時の鬼畜米英の反動なのか、どうも、日本人は必要以上に「日本的」なものを嫌っているように。

 急増してすでに年間3000万人を超える訪日外国人は、日本人よりも外国人が日本の良さを知っている証拠かもしれない。

 漢字ブランド名もそうだが、今後我々日本人も日本の良さを見直そうという動きは、新元号「令和」をきっかけにさらに強まって欲しいものだ。

                

(2019.5.31「岸波通信」配信 by 葉羽&三浦彰)

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