「windblue」 by MIDIBOX


新年2019年は亥(いのしし)年。十二支の一番最後の干支で、相場格言では「固まる年」と言われている。

 次の年には、再び最初の干支の「子」に循環するので、「新しいステージに向けてエネルギーやパワーを蓄える年」と言われている。

 1月4日の大発会から、日経平均は大きく下げて、2万円台を割り込んだ。

 1月7日には、また2万円台を回復したが、今後は2万円台の攻防戦がしばらく続きそうだ。

 今後は改元(5月1日)、5月10連休、7月参院選、消費税10%(10月1日から)というのが主なスケジュールだ。

 また2020年には東京五輪が控えているが、2021年以降には五輪後遺症不況の到来を予測する声も多い。

 いずれにしても、2019年はなかなか難しい年になりそうではある。どちらかと言えば弱気論が強まっている。

 WWDジャパンが毎月最終号で行っているファッション&アパレル株85銘柄騰落ランキングについては、2018年1月4日と2019年1月4日の終値比較は下表の通りだ。

◆タイトル(仮)「株価パフォーマンスから今後の業界を占う」

順位 銘柄 2018年
1月4日終値
2019年
1月4日終値
騰落率
1 ゴールドウイン 4,505 11,540 156.2
2 山陽百貨店 1,499 2,750 83.5
3 ワークマン 3,920 7,100 81.1
4 ファーストリテイリング 46,440 53,300 14.8
5 イオン 1,927.5 2,181.5 13.2
6 ドンキホーテホールディングス 6,020 6,750 12.1
7 ラピーヌ 840 900 7.1
8 セブン&アイ・ホールディングス 4,760 4,943 3.8
9 丸井グループ 2,102 2,108 0.3
10 ジンズ 5,940 5,760 -3.0
11 銀座山形屋 1,780 1,725 -3.1
12 ABCマート 6,470 6,080 -6.0
13 島忠 3,175 2,961 -6.7
14 デサント 1,985 1,838 -7.4
15 ヤマト インターナショナル 447 408 -8.7
16 タビオ 1,178 1,073 -8.9
17 ロコンド 1,540 1,386 -10.0
18 ナイガイ 595 522 -12.3
19 ライトオン 947 830 -12.4
20 ニトリホールディングス 16,290 14,240 -12.6
21 バロックジャパンリミテッド 1,046 904 -13.6
22 三越伊勢丹ホールディングス 1,418 1,226 -13.5
23 スノーピーク 1,466 1,262 -13.9
24 アダストリア 2,242 1,928 -14.0
25 カッシーナ・イクスシー 917 781 -14.8
26 山喜 274 232 -15.3
27 日経平均株価 23,506.33 19,561.96 -16.8
28 近鉄百貨店 4,185 3,475 -17.0
29 TSIホールディングス 843 698 -17.2
30 ムーンバット 949 770 -18.9
31 リーバイ・ストラウス ジャパン 1,505 1,210 -19.6
32 ワコールホールディングス 3,555 2,854 -19.7
33 はるやまホールディングス 1,067 850 -20.3
34 サックスバー ホールディングス 1,386 1,100 -20.6
35 パルグループホールディングス 3,505 2,746 -21.7
36 三陽商会 2,253 1,735 -23.0
37 ユナイテッドアローズ 4,650 3,580 -23.0
38 アシックス 1,821 1,398.00 -23.2
39 東京ソワール 1,045 801 -23.3
40 AOKIホールディングス 1,698 1,269 -25.3
41 4℃ホールディングス 3,010 2,234 -25.8
42 アツギ 1,310 968 -26.1
43 シャルレ 545 399 -26.8
44 良品計画 35,650 26,060 -26.9
45 マツオカコーポレーション 3,830 2,795 -27.0
46 コナカ 649 466 -28.3
47 西松屋チェーン 1,265 907 -28.3
48 タキヒヨー 2,397 1,696 -29.2
49 ドウシシャ 2,485 1,721 -30.7
50 ミズノ 3,330 2,292 -31.2
51 タカキュー 231 159 -31.2
52 パルコ 1,562 1,071 -31.4
53 キング 650 443 -31.8
54 松屋 1,600 1,089 -31.9
55 しまむら 12,290 8,310 -32.4
56 ハニーズホールディングス 1,184 795 -32.9
57 ダイドーリミテッド 453 301 -33.6
58 ヤギ 2,498 1,624 -35.0
59 エイチ・ツー・オー リテイリング 2,422 1,560 -35.6
60 サマンサタバサジャパンリミテッド 495 316 -36.2
61 グンゼ 6,570 4,160 -36.7
62 オンワードホールディングス 975 611 -37.3
63 青山商事 4,255 2,627 -38.3
64 クロスプラス 1,220 740 -39.3
65 川辺 2,430 1,470 -39.5
66 高島屋 2,420 1,433 -40.8
67 J.フロント リテイリング 2,146 1,260 -41.3
68 ゼビオホールディングス 2,209 1,294 -41.4
69 チヨダ 3,060 1,775 -42.0
70 ANAP 1,070 620 -42.1
71 ZOZO 3,490 1,888 -45.9
72 コックス 278 142 -48.9
73 ルックホールディングス 1,940 971 -49.9
74 レナウン 187 91 -51.3
75 コメ兵 2,261 1,048 -53.6
76 キムラタン 47 20 -57.4
77 パレモ・ホールディングス 536 219 -59.1
78 井筒屋 470 189 -59.8
79 千趣会 652 253 -61.2
80 MRKホールディングス(マルコ) 391 143 -63.4
81 ジーンズメイト 1,036 325 -68.6
82 TOKYO BASE 1,723.33 530 -69.4
83 夢展望 1,369 325 -76.3
84 堀田丸正 406 76 -81.3
85 ワールド --- 1,546 ---
86 メルカリ --- 1,849 ---
  ◆85銘柄平均 3,461 3,026 -12.6
  ◆日経平均株価 23,506.33 19,561.96 -16.8

※ゴールドウインは18年3月28日に1→2の株式分割、ムーンバットは18年12月28日終値、高島屋は18年8月29日に2→1に株式統合、ワールドは18年9月28日に1部上場、メルカリは18年6月19日に上場、ルックホールディングスは18年6月27日に5→1に株式統合。

 この1年間の株価上昇率第1位はダントツでゴールドウイン。同社が日本でのライセンス権を買って、企画・生産している「ザ・ノース・フェイス」が爆発的なヒットになっているのは街を20分も歩けば分かってもらえると思うが、それだけで株はこんなにも上がらない。

 同社が出資している合成クモ糸「クモノス」を使って商品開発している「ムーンパーカ」がいよいよ販売にこぎつけそうなのだ。

(※右の背景画像:クモノスで編んだムーンパーカ)⇒

 今、ポリエステルが全体の70%を専有している繊維の比率を大きく変える可能性があると言われている。これへの期待の高まりが株価を高騰させている。

 そして、上昇率2位の山陽百貨店は品薄株で特に材料もなく定期的に大きく上下動する不思議な株。特に論評すべきことはない。

◆株価パフォーマンスベスト15

順位 銘柄 2018年
1月4日終値
2019年
1月4日終値
騰落率
1 ゴールドウイン 4,505 11,540 156.2
2 山陽百貨店 1,499 2,750 83.5
3 ワークマン 3,920 7,100 81.1
4 ファーストリテイリング 46,440 53,300 14.8
5 イオン 1,928 2,182 13.2
6 ドンキホーテホールディングス 6,020 6,750 12.1
7 ラピーヌ 840 900 7.1
8 セブン&アイ・ホールディングス 4,760 4,943 3.8
9 丸井グループ 2,102 2,108 0.3
10 ジンズ 5,940 5,760 -3.0
11 銀座山形屋 1,780 1,725 -3.1
12 ABCマート 6,470 6,080 -6.0
13 島忠 3,175 2,961 -6.7
14 デサント 1,985 1,838 -7.4
15 ヤマト インターナショナル 447 408 -8.7

 上昇率第3位のワークマンは本来作業服業界のトップ企業だが、昨年9月に東京・立川の「ららぽーと立川立飛」の3階にオープンしたカジュアル業態の「ワークマンプラス」第1号店が大ブレークして、企業の立ち位置が変わってしまった。

 第2号店は路面店で川崎市中野島、第3号店はららぽーと富士見店、第4号店は12月20日には川崎市等々力にオープン。

 2019年内に合計10店、2020年3月期末に「ワークマンプラス」を65店オープンする予定で、将来的には100店、200億円の目標を揚げている。

 アパレル業界では昨年最大の話題だったかもしれない。なぜなら「ワークマンプラス」の入店客の半分は現場作業者ではないからだ。

 作業服で培ったその高機能と低価格にひかれて購入しているのだ。これはある意味で、一種の新商品開発と言えなくもない。

 ワースト企業に目を向けると、まずある意味バケの皮がはがれたRIZAPグループの企業が上位を独占している。

 第1位の堀田丸正、第2位の夢展望、第5位のジーンズメイト、第6位のMRKホールディングス(旧マルコ)といった具合である。

◆株価パフォーマンスワースト15

順位 銘柄 2018年
1月4日終値
2019年
1月4日終値
騰落率
1 堀田丸正 406 76 -81.3
2 夢展望 1,369 325 -76.3
3 TOKYO BASE 1,723.33 530 -69.4
4 ジーンズメイト 1,036 325 -68.6
5 MRKホールディングス(マルコ) 391 143 -63.4
6 千趣会 652 253 -61.2
7 井筒屋 470 189 -59.8
8 パレモ・ホールディングス 536 219 -59.1
9 キムラタン 47 20 -57.4
10 コメ兵 2,261 1,048 -53.6
11 レナウン 187 91 -51.3
12 ルックホールディングス 1,940 971 -49.9
13 コックス 278 142 -48.9
14 ZOZO 3,490 1,888 -45.9
15 ANAP 1,070 620 -42.1

※ゴールドウインは18年3月28日に1→2の株式分割、ルックホールディングスは18年6月27日に5→1に株式統合しており本欄の株価は調整済みのもの。

 昨年の今回と同様のランキングではこれらの銘柄は上昇率の上位に君臨していたのだから、まさに天国と地獄である。

 一さらに急成長&東証一部急上場が話題になったニュータイプセレクトショップTOKYO BASEも業績の伸び悩みで大きく下げた。ショッキングだったのは、ワースト15位のZOZO。

 昨年はスマホ自動計測システムZOZOスーツをスタートさせたが大苦戦。加えて前澤友作・社長の剛力彩芽との恋愛、月旅行表明などのマスコミへの過剰露出が嫌われたのか株価はほぼ半減。巻き返しを信じているなら、ここは絶好の買い場だと思うがどうだろう。

 最近のeコマースは、ファッション&アパレルの「流通の革命」を急激に進めている。またAI(人口知能)やIoT(モノのインターネット)の導入による「生産の革命」も着々とすすんでいる。

「流通」「生産」の革命が進んでも、肝心の商品が消費者の琴線に触れなければ市場は拡大も活性化もしない。つまり「クリエイティブの革命」が起きなければ、ファッション&アパレルの分野で真の前進にはならないことを肝に命じて欲しい。

「クリエイティブの革命」を推進できるのは、どの企業なのか、どの人物なのか。実は、これこそが今のファッション&アパレルの閉塞した状況を打開できる最大のポイントだ。

 ここで述べる「クリエイティブ」とは、もちろんデザイナーたちによる斬新なデザインや、スタイリングの提案ということがあるが、そればかりではない。

 新素材の開発、徹底して機能・価格を追求したアパレル商材による新業態開発なども、「クリエイティブ」の範ちゅうに入ってくると考えていい。

 この1年で株価パフォーマンスが素晴らしかったゴールドウインとワークマンはそれを証明していると言えないだろうか。

                

(2019.2.6「岸波通信」配信 by 葉羽&三浦彰)

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