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 いまさらファストファッションってなんだ?もあったものではないが、ファストファッションにも色々あって、①トレンド系、②ベーシック系、③キャリーファッション系(流通素材を使って東大門あたりで作って持ち帰る原始的①)などがあるが、③は所詮「企業化」されて①になれなければ、消えていく「あだ花」だ。

 ファストファッションは、「早い」「安い」「うまい」のファストフードから派生した和製英語だが、「早い」「安い」「カワイイ・オシャレ」というところか。

ファストファッション

ファストファッション

 「ユニクロ」がカワイイ・オシャレという消費者はまずいないだろうから、商品が低価格で商品回転率が高く、商品のフェースがどんどん変わっていくブランドと考えていいだろう。

 そのほとんどはいわゆる製販一体のSPA業態である。

 ラグジュアリー・ブランドの「ルイ・ヴィトン」だって中価格帯の「アバクロンビー&フィッチ」だってSPA業態だが、もちろんファストファッションではない。

 ここまでが序説だが、「H&M」の2008年9月13日の銀座店出店による日本上陸の2日後にはリーマン・ブラザース証券倒産による金融恐慌であるいわゆるリーマン・ショックが世界中を駆け巡って、世界不況に突入。すでに経済が収縮していた日本ではファストファッションの需要が高まって当然だった。

 「H&M」に遅れること7ヵ月、ロス本拠の「フォーエバー21」も2009年4月に日本再上陸。

 ブームが加速された。

 109テナントなどに代表されるギャル系ファッションもその煽りをうけて低迷を余儀なくされたほど。

ファストファッション

ファストファッション

 それから2年。「H&M」はすでに12店舗を数え、今秋、来春に博多での2出店を予定している。

 が、どうも雲行きがあやしい。売れていないのだ。

 店舗が増え、売り場面積が増えても売り上げが増えない。

 明らかにブームは終わった。

 詳しくは小島健輔氏のブログを参照していただきたい。

 少なくとも上述した①トレンド系ファストファッションについてはどうもそう言えそうだ。

ファストファッション

ファストファッション

 もちろんどんなブームもいつかは終わる。

 しかしなんだかんだ言っても「H&M」はすでに日本で200億円を売り上げるブランドである。

 問題はブームのその後だ。

 つまり、いかに市場定着するかである。

 「H&M」は日本で第2ステージに入ったと見ていいのではないだろうか。

                

(2011.7.17「岸波通信」配信 by 葉羽&三浦彰)


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