実は禁煙中である。喉が痛んで咳と痰が止まらないのでやめてみた。それに階段を上るときの息切れがあまりにもひどかった。
そもそもピアニッシモ・ワンを1日1箱というペースなのでたいしたことはないのだが、やめても喉の痛みは変わらないし、右胸、左胸に痛みが出てきた。要するに、煙草のニコチンでこうした痛みを騙していたということがわかってくる。
タバコをやめると、しばらくは体調が確実に悪くなるのである。これもいつものことである。そこに、坂本龍一(62)の咽頭ガンのニュース。これはやめなきゃいかんと閃いた。
禁煙で一番厄介なのは太ることである。これ以上太っては逆に心臓に負担が かかる。食事制限をしないといけない。
禁煙でもっともキツイのは麻雀で不調の時である。とくに囲んでいる奴に喫煙者がいるときはキツイ。
麻雀をやらないのが一番だが、そういうわけにはいかず、我慢していると、煙草を吸う代わりに対局者の牌をよく見るようになり勝率があがった。
禁煙で次にきついのは作稿時に行き詰ったときである。が、喫煙すると文章が浮かんでくるなんて言うのは駆け出し者で、いい歳をしたオヤジがそんなことで名文が書けるなんてことは、断言するが、ない。
禁煙で困るのは飲酒時の手持無沙汰だ。そのため酒量が増えるが、体重増加のかなりの原因になる。荒療治だが酒もついでにやめてしまえばいいのだが、これはどうかな。
禁煙してわかったが、煙草が本当に旨いとすれば、朝の起きがけの一服と食後の一服、計4服だけであるが、これも疑わしい。
そもそもこうやって自戒を込めて禁煙のすすめを書いているのすら煩わしくなってきた。
タールで真っ黒になった肺と坂本龍一の写真をピンナップするだけで十分ではないか。 なあ、葉羽くん。
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(2014.8.8「岸波通信」配信 by 葉羽&三浦彰)
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