岸波通信その84「セクシー心理学」

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岸波通信その84
「セクシー心理学」

1 ファーストキッスは何の味?

2 すぐにも役立つセクシー攻略法?

3 感情の貯金

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  Sexy Psychology 【2018.3.25改稿】(当初配信:2003.9.7)

「合理化って、無意識でやるから意味があるのであって、意図的にやればやるほど虚しくなるんだなと痛感した、ユウ19歳の夏のできごとでした。」
  ・・・ゆうきゆう先生

 最近、「心理学」にハマり始めました。

 というのも、自分でも無意識のうちに不用意な言葉で他人を傷つけたりすることはないかと気になってきたからです。

 特に、チャットなんかですと、お互いの表情が見えませんから、肉声で話せば「冗談」や「親しみ」と分かるような言葉も単なる「記号」になってしまうので、よっぽど注意しないと誤解を招くことになりかねません。

 オスカー・ワイルドは、彼の作品「芸術評論家」の中で、次のようなことを言っています。

Man is least himself when he talks
in his own person.
Give him a mask,
and he will tell you the truth.

人がありのままの姿で語る時、
その本音とは遥か遠いところにいる。
仮面を与えよ、
その人は真実を語るだろう。

オスカー・ワイルド「芸術評論家」

 「ありのまま」ではなくて「仮面」を被った時こそ“本音”がでる・・・ネットの中には、そういうアブナイ人もいるワケです。

 ということで、ネットのトラブルに備えるために、少し心理学でも勉強しようかと思って探していましたら、凄いところに到達しちゃいました。

 その名も「セクシー心理学」

 心理学者の「ゆうきゆう」先生が、女王様タイプの先輩マヤさんをはじめアスカさん、リオさんらの仲間と創っている300万ヒットを超える人気サイト。

 まさに抱腹絶倒、そしてためになる・・・でも、その名のとおり、非常にヤワラかいサイトなので、一応「R指定」の取扱注意ということで、実用性の高い心理学講座をご紹介したいと思います。

 よい子は、マネしちゃだめだぞっ!

 

1 ファーストキッスは何の味?

 「ファーストキッスは何の味?」と聞かれると、一番多いのは「レモンの味」という答えだそうです。ま、ほかにも「カルピスの味」、さらには「焼き肉の味」などというツワモノもいるような気がしますけれど・・・。

(焼き肉を一緒に食べている男女は、既にデキている確率が高い・・・なんて話を、別のところで見た記憶がありますが。)

 ところで、「レモンの味」という答えが返ってくる理由には「精神的な理由」「物理的な理由」の二つがあるそうです。

 まず「精神的な理由」ですが、人間、若い時には、何回か別れを経験するのが普通ですから、ファーストキッスの相手と結ばれる確率はそう高くありません。

 したがって、「最初の相手とはほぼ確実にどこかで終わる」→「悲しい思い出になる」ということで、そのつらさがレモンの酸っぱさの記憶と結びつくのだそうです。

ゆう先生

ゆう先生のprofile

名  前 ゆうきゆう
出身地 長野
生年月日 197X年2月?日
特技 すぐに眠れること あやとり
趣味 突っ込み 脱走
口癖 「その言葉を飲み込むのでした」
好きなお酒 カルーアミルク 抹茶ミルク バナナミルク
好きなアーティスト DEEN ZARD
性格を象徴する物質 水

 でも、納得いくのは「物理的な理由」の方。

 ファーストキッスに結びつくような成り行きの時には、双方ともそれとなく予知をしていて、デートの前にガシガシ歯を磨いてから勝負に出かける・・・と、当然こういうことになりますね。

(←おいっ!)

 そして、この歯磨きの研磨剤というものは、「甘みの味覚」を麻痺させて「酸味を強調する作用」があるそうで、歯磨きの後でミカンを食べると非常に酸っぱく感じたりするのは、そのせいなんですね。

 その結果、ファーストキッスの時にも、酸味が強調される研磨剤の効果で「レモンの味」として感じるというのです。

 ところが!!

 ファーストキッスがレモンの味だったとしても、それを「酸っぱい嫌な味」と感じる人はいなくて、ほとんどの人は「少し不思議な味だけれど、これはこれで素敵な味じゃないか」というふうに思い始めるのです。

・・・これを『甘いレモンの論理』と言います。

 人は、苦労をして手に入れたレモンは「甘い」と感じるように心がコントロールしていくのです。

 この逆が『酸っぱい葡萄の論理』

 甘そうなブドウを見つけた狐がソレを採ろうとするが、どうしても手が届かない。すると狐は・・・

「フン、あんな酸っぱいブドウなんていらないよ!」

 と、捨て台詞で去っていくというイソップの有名な童話。

 つまり、苦労してゲットしたものは、例えまずくても「甘いレモン」になり、おいしくてもゲットできなかったものは「酸っぱい葡萄」になる・・・これをフロイトは『合理化』と呼びました。

 自分の心を癒すために使う方法。・・・で、この後が「ゆう先生」の実際の体験談です。

 さて、この「甘いレモン」・「すっぱいブドウ」の論理をはじめて聞いた大学生の僕は、さっそく使ってみることにしました。

 ゲームに負けたら、「どうせゲームで勝ったって何にもトクなんかないじゃないか!」

 商店街の福引きで残念賞のティッシュになったら、「ティッシュ最高~! これで鼻水人生とはおサラバだ!」

 かわいい女の子に告白してフラれたら、「いくらかわいいったって、ゴマキには負けるじゃないか!」

 ・・・・・・・・・・・。

 まさに負け惜しみ人生。

 合理化って、無意識でやるから意味があるのであって、意図的にやればやるほど虚しくなるんだなと痛感した、ユウ19歳の夏のできごとでした。

 負けるなっ、ゆう先生!
マヤ先生

マヤ先生のprofile

名  前 大和まや
出身地 横浜
生年月日 197X年1月?日
特技 合気道 スノーボード 裁縫
趣味 ユウいじめ ウィンドーショッピング
口癖 「ねえ、本気で言ってるの?」
好きなお酒 テキーラサンライズ
好きなアーティスト hyde ミスチル
性格を象徴する物質 火


 

2 すぐにも役立つセクシー攻略法?

 さて、次にご紹介するのが、恋愛の始まりに用いる「実用本位」のセクシー攻略法。

 まず最初が、セクシー・ディクショナリー1→『告白するなら体育館庭より屋上!』

 恋愛漫画なんかじゃ、よく登場するラブレターのパターンが「体育館裏で待っています」・・・でも、これはゆう先生に言わせれば大きな間違いで、本当は「校舎の屋上で待っています」が正解なそうな。

 「高いところ」に上がれば、人間誰しもドキドキする。そういう状況の中では、「告白の効果」も格段にアップするのだそうです。

 これは、『原因帰属錯誤』という心理作用の効用で、簡単に言えば「原因を間違えて考えてしまうこと」。

 つまり、「高いからドキドキ」しているのに、「目の前の異性にドキドキ」していると、勘違いしてしまうのです。

  有名な「つり橋の実験」というものがあり、危険なつり橋の上で告白した方が、被験者たちは異性により強く好意を持ったという結果が出たそうです。

 愛を告白するなら、相手に心理的恐怖感を与えるシチュエーション・・・これで成功間違いなし!

 ・・・・・・・・・・。

「ねぇケイコ、これって当たってるって思わない?」

「映画の『スピード』に出てきたオネエさんは、『異常な状況で結ばれた愛は成就しない』って言ってるわよ。」

(←ゆう先生、うちのカミサンに簡単に却下されちゃいました!)

「セクシー心理学」の登場メンバー

「セクシー心理学」の登場メンバー

(OXygen)

OXygenさんは、「セクシー心理学」で、
ゆう先生やマヤ先生たちの キャラクターデザインを
担当する気鋭のCG作家。

 で、お次が、セクシー・ディクショナリー2→『1度目のデートは相手の好み、2度目のデートは自分の好み!』

 人間は、初対面の相手と向き合う時、「自分の好みと同じかどうか」で今後も相手と付き合えるかどうかを判断するのだそうです。

 だから、あらかじめ相手の好みを調べ、「僕(私)もそれ、好きなんだ。一緒に行こうよ」と誘うのが一番で、逆に2度目からは、それこそ相手が体験したことのないデートに行くのがベストだそうな。

 人間は、未体験の経験をさせてくれる相手に強い好意を抱く傾向があるのです。

 この「好みが同じ相手に好意を抱く」というのは、『類似性による親近効果』という心理作用で、2度目の「相手の体験したことのない経験を与えて好感を得る」というのは、『学習処女理論』という心理作用が関係するそうです・・・凄い用語です。

 ・・・・・・・・・・。

「ケイコ、川俣のコスキン・エン・ハポン知らないだろ? 僕が連れて行ってあげよう。」

「疲れるし・・・。行きたかったら勝手に行けば?」

(←ありゃりゃっ、またもやっ!)

valentine malloy

valentine malloy

(作:OXygen)

 セクシー・ディクショナリー3→『誘いの言葉は、必ず「○○しようよ」!』

 これはビジネスでも同じ事が言えますが、デートの誘いで最も適切な言葉は『○○しようよ』や『○○しましょう』だそうです。

 さらにその前に「一緒に」とつければまさにパーフェクトで、2人の(あるいは仲間との)一体感を相手の潜在意識に植え付ける事ができるのです。

 逆に駄目な言い方が、「○○しない?」や「○○しませんか?」・・・相手に選択を預けているのは一見親切なようですが、結局は弱気のあかしで、OKの可能性は確実に減ってしまいます。

 これは『X理論』と呼ばれていて、人間は迷っているときほど、強く指導されたいと思うもの。自信がなくても、とりあえず断定することがいい結果を導きます。

 ・・・・・・・・・・。

「ケイコ、僕はキミのご主人サマだ。」・・・どうしても断定できません。

紅葉の記憶

紅葉の記憶

(作:OXygen)

 で、最後が、セクシー・ディクショナリー4→『誘いの前には、必ず理由を!』

 人間は、理由があると無意識のうちに従ってしまうという心理傾向があるので、誘う時は「◇◇だから、○○しようよ」という言い方がいいそうです。

「映画見に行こうよ」ではなく、「新しい映画が始まるみたいだから、見に行こうよ」

「ご飯食べようよ」ではなく、「一度話したかったから、ご飯食べようよ」

 これは、人間が持つ「理由があると無意識のうちに従ってしまう」という心理傾向・・・これを『カチッサー効果』と言います。

・・・・・・・・・・。

「アナタ、財布忘れてきちゃったから、買い物の代金払っといてね。」

「う、うんっ。」

(←計画的やなっ!)

 

3 感情の貯金

 あ、さて・・・話は佳境に入ってまいりましたが、心理学用語に『イデオシンクラシー・クレジット』という言葉があります。

 イデオシンクラシーとは「個人特有の」、クレジットとは「信用」という意味で、簡単に言えば「個人の信用」

 人間関係はお互いの信頼関係が基本になっている。そして、その信用は、だんだんと積み上げられていくものなのです。

 人は、誰かに褒めてもらったり、優しくしてもらうことで、その相手に対する「好意」という“感情の貯金”が、少しずつ貯まっていきます。

 ある程度のプラスの感情が貯まり、「あぁ、この人ってイイ人かも…」と思いさえすれば、遅刻されたり怒られたりというように、多少の「マイナス」を与えられても「ま、しょうがないか・・・」と、受け入れてあげることができますね。

 つまり、人間全般のやり取りは、「感情の貯金」にたとえることができるのです。

Happy Sexy X'mas

Happy Sexy X'mas

(作:OXygen)

 よく友人や恋人同士で行われる「注意」や「忠告」。

「キミのためを思って敢えて言うんだけれど・・・」

 言った本人はどんなに善意で話していたとしても、それが相手にとって耳の痛い言葉なら、必ず「マイナス」の感情を起こすことになるので、プラスの感情の貯金が十分に貯まっていない間柄では、「余計なお世話」と反感を買うのが落ちというもの・・・。

(最近、実際に経験したことなので深く反省をしています。まあ、言わざるを得ない状況だったんだけれど。ああ、もっと早く「セクシー心理学」を読んでいれば・・・)

 ということで、どんなに正当性のある事を言うとしても、はっきりと何かを言われるのは、相手にとって相当きついこと。だから、それを言う前に「プラスの貯金」を貯めておかなくちゃいけないんですね。

queen of pain

queen of pain

(作:OXygen)

 そして、この感情の貯金については、ゆう先生によれば、二つの重大な法則があると言うのです。

 その一つが「プラスの感情は貯めておけばそれだけでトクをする」ということ。

 これは、心理学で『好意の返報性』と呼ばれるもの・・・一言で言えば「互いの好意は同じくらいになる」という原理です。

 そしてもう一つの法則が、「プラスの貯金は時とともに減っていく」ということ。

 人間のキモチという銀行はかなりいい加減なので、どんなに強い貯金を得ても、時間がたてば少しずつ減ってしまうのです。

 これを回避するには、どうすればいいか?

 そうです。「小口預金」を絶えず繰り返すのです。

 ほら、想像してみてください。

 「最初に100万円の貯金をおいて、後はまったく音沙汰ナシ」の人と、「毎日欠かさず1000円を貯金してくれて、これからもしてくれそうで、そしてすでに30万円がたまっている人」がいたら、あなたはどちらを選びますか?

 やはり、いつも貴方を気にかけてくれる人に信頼を寄せてしまうでしょ?

 とにかく、人間関係で大切なことは、1000円でも100円でも、相手の感情にレギュラーに貯金し続けることなのです。

 ・・・・・・・・・・。

「ケイコ、この話、ええ話やないかぁ!」 (←と、何故か関西弁・・・)

「でも、ワタシなら、いっぺんに1億円もらった方がウレシイけど・・・」

(←ゆう先生、何とかしてくださいっ!)

女悪魔マリア

女悪魔マリア

(作:ノギマノン)

 

/// end of the “その84「セクシー心理学」” ///

 

《追伸》

 いやぁ、このサイトは超強力なネタが満載なので、もう一編くらい書かせてもらおうと考えています。

 特に、マヤさんが中心になった「裏セクシー心理学」などはかなりのインパクトがあって、それさえも最後はアカデミックに収めるところが心憎い造りになっていますね。

 他にも、マヤさんとゆう先生の掛け合いの話などは、ひたすらいじめられ、追い詰められるゆう先生がどういう結末を迎えるか予断を許さない“手に汗握る”展開のコーナーもあって、これがまた抱腹絶倒。

 もう一編、紹介通信を書いた後には、このサイトのURLをお教えしようと思いますが、待ちきれない方は勝手に探してみてください。

 それから、本屋さんにもこのサイトの関連図書や漫画が置いてあるはずですので、バックナンバーを一冊購入されてみては?

 ところで、この主人公のゆう先生に、凄く感情移入している自分自身を発見しました。

 もしかすると、ゆう先生とマヤさんの関係って、僕ら夫婦の関係と同じような気がしてなんかコワイ。

 それから、このサイトの作画を担当しているOXygenさん、なんか他人とは思えない。

 何故かと考えて見たら、僕は、中学生までのあだ名が岸波の「岸」をとって「オキシ」と呼ばれていた!

 親近感が湧くわけだ。もしかして、OXygenさん、本当の名前は、僕と同じ・・・全国にも数少ない「岸波」という姓ではないだろうな?

 そんなことを考えながら、最後にもう一枚、OXygenさんの素敵なCGをご紹介しましょう。

 

 では、また次の通信で・・・See you again !

sea me

sea me

(作:OXygen)

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To be continued⇒“85”coming soon!

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