考えてみれば、世界に普遍的に知られる音楽というものは、20世紀に入ってから大きく変貌を遂げたのだ。
その理由の一つには、もともと西欧の宮廷音楽であったクラッシックが、大航海時代から産業革命を経て帝国主義に至る西欧の世界進出と軌を一つにして世界化したという経過もあるだろう。
すなわち、クラッシク音楽の世界化は西欧の覇権とともにあった。
もう一つ言うならば、そこに“キリスト教”も加えていいだろう。
西欧による世界の分割・植民地化の尖兵となったのがキリスト教会であり、次に軍事力という問答無用の“力”によって相手国をねじ伏せ、最後にクラッシック音楽を初めとする西欧文明によって征服地の民心安定と文化的教化を図ったのだ。
しかし、第二次世界大戦を経て、西欧の覇権は大きく揺らぎ、米ソの二大国時代がもたらされる。
イデオロギーの対立だ。最早、尖兵としての宗教の出番はない。
アメリカがその代わりに用いた戦略が“ハリウッド”だ。
ハリウッド映画が世界を席捲し、そのスクリーンの中にさりげなく登場する米国文化・・・コークやマックやミュージカルやカジュアル・ファッションなどのアメリカン・イメージはやがて世界に浸透し、それらを実際に輸出することで、米国の経済的な主導権確立に大きな役割を果たしたのである。
西欧クラッシク音楽とハリウッド映画音楽、それぞれの果たした役割を考えれば、冒頭のほめ言葉のより深いニュアンスが理解できるのではないだろうか?
【バレンタインの迷信2】
種になったタンポポをつみ、大きく息を吸って種を吹きます。
茎に残っている種の数を数えましょう。それが将来のあなたの子供の人数です。
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