岸波通信その265「大波乱の会津茶会④」

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Present by 葉羽
「SUMMER IN THE ISLAND」 by Music Material
 

岸波通信その265
「大波乱の会津茶会④」

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◆「人生を振り返って」シリーズ#64「大波乱の会津茶会④

 明朝からの鶴ヶ城内「麟閣」への武者小路千家扁額奉納、そして「献茶式」、それに引き続く一般参賀の「野点席」の設営が行われる筈だったが、イベント業者の不始末で夕刻になっても準備が始まらない。

 前回は、前夜レセプションの最中に「新潟県中越地震」が勃発し、その混乱を収めたところで僕が鶴ヶ城内設営会場へ移動し、ケイ子と二人で未だに来ない設営業者を待ち続ける場面。

夜の鶴ヶ城

(ライトアップ中)

 しかし、「御宿東鳳」の前夜レセプションに関して、報告しておかなければならない事が一つあった。

 それは、小庵を匿った会津藩の歴史を重んずる千家十四代家元の不徹斎宗守の大英断により、めでたい席にはタブーとされてきた切腹のシーンを伴う「会津白虎隊」の演舞が初めて許されたのだ。

  会津白虎隊の演舞

 この「白虎隊演舞」に関しては忘れられない思い出がある。僕が福島空港利活用班の班長として就航先への「路線開設ミッション」を計画していた時の事、

 就航先地元、大阪事務所長の某氏からクレームが入ったのだ。

「就航先歓迎レセプションで、白虎隊の演舞だけは中止してください」と。

 聞けば関西方面では、維新政府に最後まで抵抗した会津藩はあくまでも「逆賊」であり、少年たちの「切腹」を美化する演舞など、目出度い席では「あってはならないもの」だと言う。

  飯森山・白虎隊墓前祭での演舞

 僕は衝撃を受けた。「忠」を信条とし「義」に殉じた少年剣士隊白虎隊は会津の誇りそのもの・・しかし場所が変われば「観方」も変わる。

 結果、中止せざるを得なくなり関係方面に頭を下げに行かなければならなかった。苦い思い出である。

福島空港

(国際線ターミナル)

 だが、不徹斎宗守はこのタブーを破った。

 そればかりか、福島官休会が「濃茶席」のために推挙した直斎一行作のお軸「ほへる(吠える)」、一翁作の茶杓「一太刀」、茶碗「若武者」と、いずれも会津魂を著す「お道具」の使用も快諾されたのだ。

 その報せを聞いたとき、福島官休会の教授面々は涙を浮かべ、僕も胸が熱くなった。逆賊の無念が晴らされる「時」がやって来たのだ。

  官休庵開祖一翁宗主追善茶会での茶道具

 そうして、場面は「前夜」の鶴ヶ城の闇の中へと戻る。イベント業者がやって来たのは、夜21時を廻ってからだった。(おーまいがー!)

 設営作業は夜を徹して行われた。寒い中、立ち続けたケイ子は体調に異状をきたしていた。

「どうしよう、もう待に合わないかもしれない・・」

 夜が白々と明け始めた。だが、設営作業は完了していない。そして更に時は流れる。

「だいたい整って来た・・けれど間もなく、みんなが会場に集まって来る時間だ!」

 先発で鶴ヶ城に入って来た教授らが、現場の惨状を見て騒ぎ始める。

「いったい、どうしてこんなことに!」

 だが、文句を言っても始まらない。とにかく間に合わせるしかないのだ。

  朝焼けの鶴ヶ城

 やがて、定刻が近づいてくる。

「もうすぐ宗主が下見にやってくるわ」

「さ、最後の緋毛氈を敷いて!!」僕が絶叫する。

「宗主がお見えになったわ!」(ええ~!)

 ・・その瞬間、最後の緋毛氈が敷き終わった。まさにギリギリのタイミングだった!

緋毛氈

(ギリギリセ~フ!)

 ケイ子がフラフラと身体を落とした。限界だったのだ。

 だが僕が倒れるわけにはいかない。ケイ子を陰の休憩所に移動させ、宗主に対して会場全体の案内をしなければならない。(宗主には、昨夜からの状況を一切、伝えていない)

 たまたま駆り出されてだけなのに、なんで自分がこんなことに・・とは思ったが、乗り掛かった舟、最後まで責任を全うしなければならない。

 ということで次回、最終回。

 当日の実際の状況を収めた「写真」が出てきたので、それに従って「扁額奉納」・「野点」などの様子を紹介しましょう。

(To be Continued⇒)

 

/// end of the “その265「大波乱の会津茶会④」” ///

 

《追伸》

 好山楽翁と葉羽の『四季彩々』を見ていたら、2004年10月11日の記事でこの当日、会津茶会の写真が残っていました。(※2003年に「岸波通信」が始まって初期の記事)

 ということで、今回が最終回の予定でしたが、もう一回追加して、当日の実際の写真をもとに開催状況をご紹介することにしました。(後日談も含め)

 あれからもう20数年が過ぎたのですね・・。昨日のように思い出されます。

 

 では、また次の通信で・・・See you again !

麟閣移築記念茶会鶴ヶ城大茶会

(令和6年)

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To be continued⇒“266”coming soon!

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【岸波通信その265「大波乱の会津茶会④」】
2026.8.26配信

 

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