岸波通信その249「宿敵!小笠原③」

<Prev | Next>
Present by 葉羽
「SUMMER IN THE ISLAND」 by Music Material
 

岸波通信その249
「宿敵!小笠原③」

NAVIGATIONへ

 

◆「人生を振り返って」シリーズ#48「宿敵!小笠原

 激闘三番勝負を闘ったのち、僕と小笠原は「宿命のライバル」となった。それこそ勉強そっちのけで将棋について研究・没頭し、放課後の教室で対峙した。

 我ら両雄の闘いに触発されて参加者の数も増え、学校の「放課後将棋」は空前の大ブームとなったのだ。

放課後将棋

(イメージ)

 そんなある日、学校へ行くと小笠原の姿が見えない。「風邪でもひいたのだろう・・ふっ、軟弱者めが」と心の中でつぶやいた。

 しかし、小笠原の居ない「放課後将棋」はどこか張り合いがない。そもそも僕の相手になる対戦者が居ないのだ。最初から「勝てない」と分かっている相手に勝負を申し込むヤツは居ない。

 仕方なく僕は他の対局のギャラリーとなり、勝負後の「指し手解説」などをやることにした。(早く治れよな、小笠原・・)

  誰も居ない席

 風邪なら2~3日たてば治って登校してくるだろうと思っていたのだが、予想に反し、彼は一週間たっても教室に現れなかった。

 いったいどうしたんだ?・・クラス担任だった英語教師の授業の後、小笠原のことを訊くことにした。

  英語教師(イメージ)

 すると、彼は医大病院に入院したのだという。どうやら急性肝炎が悪化したらしい。

 肝臓病・・風邪ひきか頭痛、腹下しぐらいしか病気を知らなかった僕はその響きに不穏なものを覚えた。

幼少時「三歳まで生きられない」と医者から言われていた病弱な僕は、高校生になる頃「難聴」以外は奇跡のように回復して元気になっていた。

 とりあえず僕は、病院に行って小笠原の様子を見てきたいと思い、その放課後、チャリで医大病院へ向かった。

昔の県立医大附属病院

(県庁前通り)

 当時の医大病院は福島県庁の北側(現在は県庁駐車場)にあった。病院に着くと「下駄ばきで入れるのか」と気づいて慌てた。(あらららら・・)

 当時の福高生は冬でも「下駄ばき」が正装()で、カラカラと音を鳴らして街を歩くのが「誇り」みたいなところがあった。だがさすがに病院内ではまずいだろう。

  当時の福高生の正装(笑)

 入口で躊躇しているとスリッパが用意してあるのを見つけ(ホッ‥)、履き替えて受付に行き病室を確認した。

 彼の病室は二階の北側にあり、大部屋の扉を開けるとベッドに横たわる小笠原とすぐに目が合った。

「あ・・キシナミか、よく来たな」

「小笠原・・貴様、俺から逃げたな!()

  病室(イメージ)

 病状を訊くと、入院が長引きそうだと言う。全身がだるく食欲不振で身体に痒みがあるのだそうだ。顔がむくんでいるようにも見えた。

「学校の方はどうなんだ?」

「いつもどおりさ。あ・・今度クラス対抗のバレーボール大会をやるんだってよ。まあ、9組には元附属中学校のエースアタッカー(僕)が居るから楽勝だろ」(ブワッハッハッハ!)

学級対抗バレーボール大会

(イメージ)

「勉強は進んでいるのか?」

 なるほど・・爆速で進む福高の教科に遅れをとらないか心配してるんだな。

「まかせなさい! この俺がちゃんと指導してやろう」(ダーッハッハッハ!)

「ところで何か欲しいものはないか?本でも持ってくるか?」

「いま、振り飛車戦法の将棋本を読んでるから大丈夫」

  振り飛車奇襲戦法

「くっ・・勉学に勤しむ俺を差し置いて抜け駆けか! よぉし、今度来るときはエッチな本でも持ってきてやる!」

 うぉいっ!m9っ`Д´) (是非、頼む・・)

 それからの僕は、2~3日置きに小笠原の病室に通うことになった。もちろん授業のノートを携えてだ。

  授業のノート

 まあ、そもそもメモを取るのが苦手な僕のノートなど大して役には立たなかったが、記憶力だけは誰にも負けない。

 45分の授業を45分かけて再現できる特技もあったし。 ←(ダメだろ、そりゃ!)

 そんなこんなで一か月が経過したが、退院できる見通しが立たなかった。慢性肝炎と診断されたと言う。(可哀そうだ、長くなるのか・・)

 それでも入院当時よりは体調が回復したようで、寝てばかりの入院生活は「することがなく辛い」とカコつ。

 そんな病院見舞いのある日、小笠原は戸棚からトンデモナイものを持ち出してきた!

(To be Continued⇒)

 

/// end of the “その249「宿敵!小笠原③」” ///

 

《追伸》

 始めて医大病院に入った時には緊張しました。それまで「かかりつけ医」の診療所にしか入ったことが無かったからです。

 それがぐるぐる回って最後の職場が医大になるとは・・人生ってホントに不思議なものですね。

 僕自身、入院を何度か経験することになりますが、ほとんどは「骨折」などの外科系。

 身体自体は健康なので、この後、足掛け三年に及ぶ小笠原の長期入院生活をおもんばかると、本当に大変だったろうなと思います。

 

 では、また次の通信で・・・See you again !

宿敵!小笠原

←この右側の後ろ姿が本人にそっくり!

管理人「葉羽」宛のメールは habane8@yahoo.co.jp まで! 
Give the author your feedback, your comments + thoughts are always greatly appreciated.

To be continued⇒“250”coming soon!

HOMENAVIGATION岸波通信(TOP)INDEX

【岸波通信その249「宿敵!小笠原③」】
2026.1.14配信

 

PAGE TOP


岸波通信バナー  Copyright(C) Habane. All Rights Reserved.