川内由美子さんが雛道具に目覚めたのは、高松宮妃喜久子様のお雛様コレクションを雑誌で目にした時でした。
箪笥の中には四季の着物、長持ちには布団、引き出しには櫛や簪が、そして全てのお道具の中には信じられないほど小さく精巧なものがぎっしり詰まっていたのです。
東京の平和島では、年に5回、古民具骨董市が開かれています。中には雛道具もありました。
川内さんは、そうした会場に足しげく通い、膨大な時間と手間をかけながら、コレクションを育てて来たのです。
2 夢想庵/古民家模型
今回の企画展で展示されている古民家模型は、いわき市在住の熱中人夢想庵こと菅野清八さんが一人で制作したものです。
この古民家模型の凄いところは、なんと言っても、その精巧さ。
特に茅葺屋根の質感、そこに生した苔の風合い、よく見ると風に乗って種が飛んできた草花まで本物そっくりに再現してあるのです。
“本物そっくり”…そう、この古民家たちは想像上のものではなく、実際に全国各地にあった古民家を一軒一軒調査し、小さな模型に再現したものなのです。