Our Way
of Ra-a-men 外伝15
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
年度末の多忙で、多少、体調を崩しております。
職場のメンバーも風邪引きなどが多く・・・まあ、送別会が原因との説もありますが、難儀をしています。
今年度は、職場の大規模な機構改革もありまして、3月末には大引越しをしなければならないのです。
ということは、まずその前に各自の荷物や書類を梱包しなければなりません。
ところがっ!
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三椏の花
(長老亭/天戸茶屋) |
「さあて今日は、みんなで協力して荷物の箱詰めだね。」
飾り職人のヒデ 「参事、今、Toshiさんから電話がありまして・・・。」
「ん? どうしたのかな。」
「インフルエンザに罹って、今日は休みだそうです。」
「ええー!」
M主幹 「参事、大変です!」
「今度は、どした?!」
「今度は、N主任が風邪でダウンしたそうです!」
「ええー!!」
・・・まあ、そんなこんなで、何とか引越しを乗り切ったものの、僕も再び体調を崩し、一日寝込むハメになってしまいました。
さて、そんな病み上がりには、胃にやさしいお蕎麦でも食べたいところ。
ということで、今回は、福島市は在庭坂にある長老亭/天戸茶屋の巻きであります。
ラーメン道・外伝、もういっちょー!
1 イチゴ狩り計画
熱も下がった日曜の朝、ケイコが所望していたイチゴ狩りにでも出かけようかと思い立ったのであります。
目指すは、福島市校外にある“四季の里イチゴ園”!
ここは、以前、仕事で中国共産党代表団をお迎えした時に、案内してたいへん好評をいただいたところ。
何といっても粒が大きいですし、ほどよい甘みがベリー・デリシャスなのであります。
で、ケイコを車に載せて、さっそく向かおうとしますと・・・
「あのね、携帯の充電器が壊れたのでドコモに寄ってくれない?」
「え・・・ハイ。」
・・・ということで、まずは小一時間の寄り道を。
次に、道々の平成八百屋を見つけますと・・・
「あ、野菜が無かったのよね。」
「ええー! ・・・ハイ。」
・・・ということで、お野菜の買い物に。ついでに隣のトライアルで、調味料、その他雑貨も購入することに。
あっという間に時間は過ぎて、四季の里入り口にたどり着いたのはお昼時。
「やっと着いたと・・・あ!」
「どしたの?」
「“休業”の札がかかってる!」
「お昼休みじゃないの? ・・・ほんとに愚図なんだから。」
「ええー!!」 (オレかよ!)
そんなワケで、イチゴ狩りの予定は雲散霧消いたしまして、急遽、昼食の場所探しに方針変更です。
ケイコが言うには、庭坂辺りの知人から「長老亭」という美味しい蕎麦屋があるとの情報を得たと言う・・。
フルーツラインから高湯街道を西へ左折しまして、目の前には吾妻小富士の美麗な姿が迫ってまいります。
「ねえ、ホントにこの道でいいの?」
「来たことは無いんだけどね。」
「まあ、見つからない時は、そのまま好山園に行ってオニギリという手もあるし。」
「いやよ、そんな山奥は。」
「おいおい、この辺りだって結構山奥だよ。」
「あそこは山奥。ここはれっきとした山。ホラ、目の前に富士山もあるし。」
「ええー!」 (吾妻小富士じゃん)
・・・と、そんな事を言っておりましたら、それらしき看板が見えてまいりました。
かなり長い前置きになってしまいましたが、いよいよここからが「ラーメン道・外伝」であります。
←(長すぎるっての。)daddy
2 長老亭発見!
さて、大変な紆余曲折がありましたが、ようやく見つけた「長老亭」。
高湯へ向かう街道の途中、「みちのく観光果樹園」の手前を右折して北へ向かうこと5分。
その道の東側に看板が見えてまいりました。
実は、この「長老亭」、この近辺に二軒あるのです!
一軒が、この日僕たちが訪れた『天戸茶屋』で、もう一軒が百メートルほど北にある『松原』。
どういう関係かは知りませんが、きっと近親者による姉妹店なのでしょう。
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長老亭/天戸茶屋の玄関
(福島市在庭坂) |
店に入ろうとすると、その庭先に浅黄色のきれいな花を発見。
「ケイコ、なんかきれいな花だね。」
「ああ、これは“三椏(みつまた)”よ。」
「え! 和紙の原料になるヤツ?」
・・・ケイコは、武者小路千家の茶道教授でもあるので、お茶席に用いる生花にとても詳しいのです。
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三椏の木
(長老亭/天戸茶屋) |
三椏というのは、枝先が三つまたに分かれて花を付けることから着いた名だそうで、たしかにどの枝もそうなっています。
しかし、「こうぞ」とともに和紙の原料として有名な三椏ですが、その花がこんなに美しいとは知りませんでした。
←(一番最初の写真で「みつまた」の枝が確認できます。)daddy
そして、そういう三椏を愛でているこの店も・・・
(うむぅ・・・あなどれないナ。)
さて、玄関を開けると、控えめな「営業中」の看板が立ててありましたが、どうやらお客は居ないようです。
その玄関脇にあったのがこれ↓
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骨董雑貨コレクション
(長老亭/天戸茶屋) |
色々な骨董雑貨が陳列されていまして、よく見ると上段のオブジェには“栓”が付いています。
どうやらそれは、お酒の入れ物にする焼き物の瓶のようで、写真では全体が見えませんが十二支の干支が揃っているようです。
さらに、ケイコが眼を付けたのは最下段の鉄火鉢。
とても味わい深いデザインと質感があるのですが、ここのお婆ちゃんに聞いてみると、それほどの値打ちモノではないのだとの事・・・。
←(うむむむ・・・欲しいっ。)
僕たちは、店の風格に感心しながら畳席に上がり、そしてメニューを熟慮の末・・・
「五目わっぱ飯をお願いします。」
「僕は、天ザルを大盛りで!」
3 カウンター・パンチ
さて、僕たちが陣取った畳席には、とても風情のある火鉢が付いておりました。
火鉢といっても、丸いヤツではなく、時代劇で人形町の銭形平次が家の中で使っているのと同じ形のものです。
これをケイコがいたく気に入りまして、さっそく“灰均し(ならし)”に精を出しておりまする。
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風情のある火鉢
(長老亭/天戸茶屋) |
しかし、僕はまだこの時までは、店の風格に感心はしたものの、蕎麦の味にはさほど期待していなかったのであります。
というのも、僕はラーメン以上に蕎麦の味にはうるさくて、いわゆる名店と呼ばれる店でも僕が満足できる店というのは本当に少ないのですよ。
ま、今日は、出会いがしらで期待もせずに入った店ですので、その辺は大目にみようと・・。
そんな事を思いましたのは、実は注文を取りに来た若奥さんが、化粧ッ気もなく赤ちゃんをおんぶしたまま・・。
しかも、着ていた“ねんねこ半纏”の背中一面に小さな人形を縫い付けるというステキなセンスの持ち主だったからであります。
そんな事を考えておりましたら、何故か注文もしない茶碗蒸しが二つ・・・
「あら、サービスかしら?」
「そうかも。でも僕、茶碗蒸しは苦手だからなぁ・・。」
「でもせっかくだから、いただいたら?」
「じゃ、ちょっとだけ・・・・え?」
「どしたの?」
「信じられないくらいウマイっ!!」
驚きました。
いきなりのカウンター・パンチであります。
一見、ごく普通の茶碗蒸しなのでありますが、こんな田舎の食堂には似つかわしくない(←失礼)繊細で上品な味付けであったのです。
「うーむぅ・・油断して写真を撮り損ねた。」
「だめじゃん。」
4 至福のひと時
ほどなく、ケイコ注文の「五目わっぱ飯」が到着。
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五目わっぱ飯
(長老亭/天戸茶屋) |
「おわっ! 超豪華じゃないか。」
「五目じゃなく十目はあるわよ。しかも他にいろいろ・・」
まさに目を見張るような一品であります。
続きまして、天ザルも到着・・・。
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ザル蕎麦
(長老亭/天戸茶屋) |
気が昂ぶっておりまして、写真を撮るのももどかしく、いっきにズズズ・・ズズズ・・
おおおおおお・・・!!
何なんだコレは! めっぽうウマイじゃないか。 なんでこんな田舎の店で・・ ←(失礼!)
これは流行の10割蕎麦ではなく、伝統的な二八蕎麦。
しかし、むしろそのこだわりが新鮮で、ほんのり甘い絶妙なそばつゆとあいまって、滑らかな舌触りのハーモニーがたまりません。
最近は、蕎麦通の間でも「何が何でも10割」という一辺倒は廃れ、「伝統の二八を極める」という方向に回帰する考え方があります。
そういう意味では、まさにこの長老亭は“王道の蕎麦”と言っても過言ではありますまい。
しかし、それだけではないのです・・・。
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天ザル全景
(長老亭/天戸茶屋) |
この天ぷらの旨いことと言ったら!!
写真ではよくお見せできないのが残念ですが、高級な山海の珍味を満載した揚げ方絶妙な天ぷらなのです。
「はぁー・・・うまい。」
「よかったね。」
「ふぅ・・・極楽。」
(目がいっちゃってるよ・・。)
蕎麦を食べ終えた僕は、ケイコのわっぱ飯もご相伴に預かることに。
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五目わっぱ飯
(長老亭/天戸茶屋) |
このわっぱ飯、普通盛なのにこんなにも豪華!
女性には、少し持て余すボリュームかもしれません。
これがまた美味しい。
材料が豪華なばかりでなく、一つ一つの具材の調味がとても丁寧なのです。
ほとんどゴハンを食べ終える頃、ケイコが“ある事”に・・・
「あら、この山葵は何かしら?」
「あっ! さっき『最後にお茶漬けで』って言われたじゃない!」
具材に目を奪われて、すっかり忘れておりました。
やむを得ず、ほんの少し残ったゴハンをお茶漬けに・・。
ところがっ!
これがまた絶品であったのです。
「お茶漬け」といいましたが、実はだし汁でいただく「ぶぶ漬け」で、このおダシの味加減・塩加減が絶妙なバランスなのですよ。
僕らは、この前の「屯ちんラーメン」に引き続き、またもやお気に入りの店に出会えたようであります・・・。
「アナタっ!」
「ドキッ。」
「みっともないから、急須の残ったおダシを全部飲み干すのはヤメテネ。」
「あーれー!」
/// end of the“外伝15「長老亭/天戸茶屋」” ///
《追伸》
本当に美味しい店だったなあ・・。
帰り際に調理場の中を覗いてみると、きっぷの良さそうな若旦那が天ぷらを揚げておりました。
ということは、あのナイスなネンネコを着た奥さんの旦那さんなのか?
もう一軒の長老亭から暖簾分けした若夫婦であったのかも知れません。
でも、こういう気取らない店で美味しいものと出会えると、とても得した気分になりますネ!
で、実はこの後、僕ら夫婦はフォーラム3で上映中の「カンフーピンポン」を観に行ったのであります。
期待しないで行ったこの映画の面白いの何のって・・!
その辺りは、cinemaアラカルトの方でご紹介しましょうね。
では、また「新・僕達のラーメン道」で・・・See
you again !
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映画館福島フォーラム3
←「カンフーピンポン」上映中! |
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