Our Way
of Ra-a-men 74
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか〜!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
前回は「うから家から」で注文を終え、目の前をちょー恐ろしげな“特盛り”もやしラーメンが通り過ぎたところまででした。
しかしナンでございますね、勢いのあるラーメン屋さんというのは店の中のオーラが違います。
元気印のスタッフはもちろん、お客さんの方も何かこう緊張感のようなものが漂っておりまして、お互い丁々発止のオーラが飛びまくりでございます。
順番を待つ間でも、期待感、幸福感・・・身悶えするような陶酔感に包まれてシ・ア・ワ・セ〜でございます♪
←(悶えてるのか・・。)daddy
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麺やうから家から
(福島市金谷川) |
読者の皆さんもよほどラーメンがお好きと見え、「ラーメン道」の記事を書くと、日ごろ音信のないメンバーからも、たちまちにしてレスが届くのでございます。
まずは、浴び酒師のケンちゃん・・・
浴び酒師のケン
うから屋からは基本喜多方ラーメンのチャーシュー麺じゃないかな。
後編みてないけど、二郎系は合わないんじゃないかなと推測。 |
まさに今回食べた“二郎系”もやしラーメンの顛末はこれから書くとして、それが「うから家から」の看板メニューになっているのは事実。
特に、若い人には圧倒的な人気を誇っておりまする。
そして、クラス会で40年ぶりの再会を果たしたTanjiさん。
Tanji
ラーメンでここまで詳しい描写と写真がアップできるって凄いね。まさにラーメン道ですね。
私は、昨日新宿で、人気が高いラーメン店に行ったけど、あまり美味しいとは思わなかった。
まあ、ラーメンはの好みは人それぞれだからね。 |
『ラーメンの好みは人それぞれ』・・・たしかにその通りで、年代によって変化することもある。
塩ラーメンが好き、細麺が好き、背脂たっぷりコッテリ系がいい、いやいやラーメンはやはり正統派醤油味だろう・・・と、好みは千差万別。
しかしそれでも、一定の支持を集めるラーメンというのは、やはりそれなりのワケがあるものでございます。
一方、『人気が高いラーメン店に行ったけど、あまり美味しいとは思わなかった』とは、カリスマ彰のラーメン道でも散見されるセリフ。あるんですよね〜僕も!
(かわいそうなので、そういう店のことは記事にしませんが。)
特に多いのは、ネットの評判に釣られて行ってみたらダメだったケース。いったいアレを書いた人の舌はどうなってるんだろう・・・と思います。
僕らの年代は、それこそ筋金入りのラーメン・ファン・・・50年以上食べ続けた“半世紀ごし”の経験に裏打ちされていますので、評価が大きく分かれるということは、まずありません。
多分こういうのって、『人を見る目』の培われ方と同じものだと思います。
(閑話休題)
さて、「麺やうから家から」に話を戻しましょう。
ということで、ラーメン道、もういっちょー!!
1 無化調ラーメン!
(女将さん)お待たせしましたお客様、奥のカウンターへどうぞ♪
お!キタキタ〜!
カウンターの一番奥、調理場が横から見える位置にケイコ、僕、親父の順番で陣取ります。
まず目が行ったのは、カウンターの上に置かれた箸立て。
をををを〜!
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箸立て
(うから家から) |
ここの箸立てには、割り箸と塗り箸の両方が入って選べるようになっている・・。
(初めてだ、こういう店。)
あらためて書くまでもなく、僕は麺類の塗り箸がキライ。
「日本人が割り箸を使わなければ地球温暖化が防止できる」という話はそもそも信じていないし、だいいち食べずらい。
しかも、「塗り箸しか置いていない飲食店」というのは、なぜか不味い店が多い。(非常に高確率)
この符合はいったいどうしたものか。うむぅ・・。
なので、選択肢を与えるこういった心遣いには感心させられます。
ふと気が付くと、隣でケイコが何かやってる・・・
ええー!
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スプーン曲げ
←怪我で包帯を巻いている。 |
いつの間にスプーンを曲げちゃったの!? (ダメじゃない!)
違うよ、これはこうなってるの。
ん??
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一味入れ
(うから家から) |
ほぉ〜・・・。
これは、ミソラーメンに入れる『一味唐辛子入れ』。
振りかけるのではなく、このスプーンで適量を取り入れるということらしい。なるほどなぁ。
(これは、ただ者ではない・・)
←(だから、“者”じゃないって。)daddy
この「うから家から」、店の色々な所にサプライズが散りばめられている。
右側の壁面に目を転じますと・・・
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制作趣旨
(うから家から) |
かなり大き目のポップに、「うから家から」のラーメンの制作趣旨が。
『食とは・・・人を良くする為のものであってほしいと願を込めて』
言ってくれるじゃないの。「食」とは「人」を「良」くする・・・あ、確かに!
『食べるものがあなたの身体を支えています。「麺やうから家から」は食の安全に注目し生産地や無添加、無化調にこだわったおいしいラーメンづくりをしています。』
さらに大書して・・・
「体にやさしい無化調のラーメン」
下段には「富士酢」とか「料理酒/大木代吉本店」、「平飼い有精卵/ネラの卵」など、素材の解説がありまする。
これは、よほど食材を吟味している様子。
うむぅ・・・相当なこだわりと自信。ただ者ではない。
2 至れり尽くせり!
こういうきめ細かな心遣いは、個別のラーメンにも活かされているようであります。
目の前のカウンターには、「坦坦麺」についてのこんな貼紙が。
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坦坦麺のおいしさの秘密
(うから家から) |
写真では文字が小さいので解説しますと、オススメ坦坦麺の食材については・・・
『花山椒(ホワジャオ)・・・食欲をそそる香りとじわっとくる辛さ。舌にピリッとくる心地よい刺激がくせになる〜〜〜。」
〜と、こんな具合に、『特製ごまだれ』やら『自家製ラー油』やら『ルッコラ』やら『アーリーレッド』について、それぞれきめ細かな解説が付けられているのです。
(ところで、ルッコラって何だ?)
←(読めよ、解説!)daddy
さらに、その横には『現金でもOKです!』のサイド・メニューが。
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現金でもOK!
(うから家から) |
『ご飯もの 白飯(小) 100円(肉みそ付)』
〜などとありますが、確かにこういうのって「後から追加したくなる」ものでございますな。
そんな時、もう一度食券を買いに行くというのは面倒なもの。だから、この場で「現金でもOK!」〜うむむ、至れり尽くせり。
しかあしっ!
そればかりではないのです。良く見ると・・・
『人気No.1 ちゃーしゅー飯 250円』とか、『オプションNo.1 味付煮玉子 etc・・・』とか、『おつまみにすすめ! ちゃーしゅー etc・・・』など、きめ細かな解説が。
やるねぇ!
実は、つい先だって、市内の某店の「10割蕎麦割引券」なるものを入手しまして、足取り軽く心も軽く赴いたのであります。
行ってみると自販機で食券を購入するシステム。(ここと同じですね)
しかし、割引券はただの紙なので、どうしていいか分からない。ま、聞くしかないか・・。
待てよ、自販機には「大盛り200円」という券もある! ついでに聞いてみようかと。
あのぉ、この割引券もらったんですけど、自販機でどう買えばいいのか・・。
あ、ここで現金でいいですよ。
ついでに大盛りにしたいんですが、自販機で「大盛り券」を買えばいいですか?
すると、そのオバサン、調理場の中に引き返して、2〜3人のオバサンたちと何やら相談している。
ようやく戻ってくると、開口一番・・・
これは割引きなんで、大盛りはできません。
ええー!! (同じことやん!)
何故に大盛りができないのか、何か不都合なことでもあるのか、どう考えても納得いきません。
ま、「この人たちと話しても無駄だな」と悟って、それ以上言わなかったのですけれど、せっかくの「特典」が全くの無駄どころか「悪印象」となったのは言うまでもない。
そういうモラルの低い店と、ここ「うから家から」の心遣いは、まさに『雲泥の差』でございます。
3 うから家からの真実!
ここまで見たとおり、このお店の安全で美味しい素材へのこだわり、お客様に対する心遣いには尋常ならざるものがあります。
美人女将さんに聞いてみたところ、スープには化学調味料を一切使用せず、かつお節、煮干し、鶏のもみじ、雄の丸鶏、地産地消の安全な野菜から出汁をとっているとのこと。
もしかして原価割れしてしまうのではないか・・?いらぬ心配まで脳裏をよぎります。
うむぅ・・なぜにそうまでして?
その答えは、壁の『店主独白』にありました。
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店主独白 |
え! 33歳の若さで脳梗塞に!?
なんてこった。そこからここまで社会復帰したのか。しかも、右手と言葉に障害が残ったまま・・・
33歳の春 脳梗塞に倒れました。
少し不自由さの残る言葉と右手
それまでは気にもしなかった
健康体のありがたみを感じました。
食に携わるものとして、
安心して食す事の
できるものを作りたい。
うま味調味料を使う手軽さを捨て、
素材の持つ力だけで
「旨味」を引き出す美味しいラーメン
たとえ手間がかかり遠回りになろうとも
「本物の旨味」を追求し続ける
だから おもしろい
麺やうから家から 店主 |
・・・決して上手な字ではありません。
それもそのはず、店主は完全に自由が利かない右手でこれを書いている。
うっ・・うっうっ、えぐっ・・
うわ〜ん(号泣)
(親父) 何やってんだ、ヤス?
あ、いや、その・・。
感動しました。・・・いや、もう食べなくてもいいくらい。
←(おいっ!)daddy
さて、涙も涸れ果てたところで、少々手持ち無沙汰に・・。
ね、これできる?
ん??
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知恵の輪
(うから家から) |
なるほど、こんな時のためにこんなものまで。
見回せば、至るところに違うバージョンのものが。
ふっふっふ、私の辞書に不可能の文字はない!
なんだ、こんなもの。
こうでしょ・・で、こうでしょ・・・
あれ?
・・・・・・ ヽ(  ̄д ̄;)ノ オテアゲー!
お待たせしました!
ぅわ、びっくりした!!
4 醤油らーめん&塩らーめん!
まずは、親父の醤油らーめんから。
い〜い香りだぁ!
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醤油らーめん
(うから家から) |
これはもう、食べなくとも美味しいのが分かる。麺も太い・・・喜多方ラーメンだって言ったものな。
そしてまた、この縮れが・・・い〜い具合だ。あのお兄さんが手で揉んでたものな。
どれどれ、ひと口。
うひょー!
スープは優しい味、麺自体の美味しさが際立っております。何杯でも食べられそう。
しかあしっ!
前回の予告で「100点は付けません」と言ったワケを明かしてしまいましょう。
下の写真をご覧下さい。
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醤油らーめん
(うから家から) |
はい。これは別の日に行って食べた“全く同じラーメン”です。
ええー!(全然違う!)
麺の太さが違っております。そして麺とスープのバランスも。
良く見れば、チャーシューの質感も別物になっています。
“一年ぶり”とかではありません。これは“一週間”での違いなのです。
それぞれに美味しいのですが、注文の仕方は全く同じなのに、この変化。
ちなみに、別々の日に食べた「つけ麺」を比較したのが下です。
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ある日とある日のつけ麺 |
はい。麺のデキ、茹で方とも安定していないのがお分かりかと思います。
いずれも大変美味しいのですが、「発展途上」なのでございます。
なお、もう一つ言えば、喜多方ラーメンは“平打ち太麺”でなくてはなりませんが、“平打ち”ではありませんでした。
「喜多方」と、どういう関係があるのか聞いていませんが、何十年も喜多方ラーメンに慣れ親しんでいる僕から言えば“別物”です。
これはきっと戦略ミスでございましょう。
別に「喜多方」と標榜しなくても十分に美味しいラーメンですから、あえて喜多方を名乗る必要は無かったように思います。
ただし、この麺の打ち方も日によって変る。
それが下の参考画像。
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うから家からの平打ち麺
(※参考画像) |
ネットで拾ったものですけれど、おそらくこれは「冷たいラーメン系」。
喜多方を上回る幅広の平打ち麺。
やればできるんですね。(ちょっと幅広過ぎかな?)
で、ケイコの塩らーめんはどうであったか。
それが、これ!
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塩らーめん
(うから家から) |
(ほぅ、これはナカナカ・・・♪)
お! これもいい香りだ!
醤油らーめん同様、麺の美味しさには群を抜くものがあります。
で、その麺の太さがかなりのもの。
ほぉ〜らね。
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どぉ〜ん!
(うから家から) |
しかし・・・
ちょっと塩っぱいね。
あらららら。
うん、ちょっと塩気が強すぎるかな。
とは言え、かなりの高レベルラーメンには間違いありません。
5 特もやしらーめん!
さて、いよいよ僕の「特もやしラーメン」でございます。
やってまいりました。
ほれ、ど〜〜ん!!
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特もやしらーめん
(うから家から) |
ぶわっはっはっは!
いや〜もう笑うしかありません。
←横から見たところ。
何だよ、この大量のもやしは。これが噂に聞く“二郎インスパイア系”か!
しかし、このもやし・・・うまいじゃん!!
もやしに背脂がかけまわしてありまして、ニンニクのパンチが効いています。
炒めすぎていないフレッシュな感じがたまりません。
しかし、この量! あーっはっはっは!
で、やっと掘り当てたオタカラの麺は、つけ麺と同じタイプの極太麺。
重厚感のあるスープとのバランスはナカナカのもの。ちょー迫力でございます。
うを〜!! これを待ってた〜!
で、ものはついででございます。
この日は自粛して、「麺・中盛」・「もやし野菜・中」で注文したワケですが、当然このままでは終われません。
翌週も行って注文したのは、もちろん禁断の「もやしラーメン」特盛でございます。
その正体はっ!?
わん・・・・・・・
つぅー・・・・・・・・・・・
すりぃ・・・・・・・・・・・・これだぁ!!
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もやし特盛らーめん
(うから家から) |
ええええ〜!!
いやっ!あのっ!そのっ・・・!
これが、もやし600グラムの大迫力。
・・ってか、喰えねーよ、ゼッタイ!
←(やっちゃったね。)daddy
・・・この後、大量のもやしに七転八倒。
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もやし特盛らーめん
(うから家から) |
麺までたどりつけないよ(涙)
最終的にはスープまで飲み干しましたが、その日はもう何も食べる気がしませんでした。
やはり、物事にはほどほどというものがあるようで。
まっいーか、旨かったワケだし。 あはははは!
ラーメンって、ホントにいいもんですね〜♪
/// end of the“その74 「麺やうから家から(後編)」” ///
《追伸》
いや〜“ラーメン道”始まって以来の大長編になってしまいました。
しかしナンでございますね、何日かかけて書き分けると、その日のテンションによってトーンが変ってしまいますね。
あまり長くするのも考えモノ。
実際二回分なので、たくさんの写真がモッタイナイと思ったら、ついついこんなことに。あはははは!
そうそう・・モッタイナイついでにもう一枚。
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コート・フック
(うから家から) |
壁にかけてあったコートをかけるフックです。
犬の尻尾がピーンと立っている形をしているのです。
ちょっと油断をすると見逃しそうな、こんな可愛いシカケがしてある。
このお店、やはりただ者ではありません。
また行かなくっちゃ。
次は、本当の喜多方風の平打ち醤油らーめんでお願いしま〜す!!
では、また次の「新・ラーメン道」で・・・See
you again !
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