混沌の街~バラナシ~ (詩:葉羽)
訪れたバラナシで
街の喧噪をくぐり抜け
辿り着いたのはガンガー
それは時のない大河
幾星霜の生業(なりわい)を終えた魂は
数刻(すうとき)で灰塵(かいじん)に帰し
ガンガーの泡沫(うたかた)へと還る
その流れで洗濯をし
沐浴をする人々
傍らで修練に励む子供たちを
聖なる牛が見守っている
情景の全ては混沌
混沌が繰り返される日常
そう…
バラナシは不可思議を超えた街
やがて漆黒の闇が降りてくると
プージャの神儀が始まる
混沌の街で感じる
言葉にできない安らぎ
きっとここは 魂と向き合う場所
修行僧の祈りと共に
また新しい一日が始まる |