果たせない約束 (詩:葉羽) ~大和伸一写真館 “記憶の中の風景”より~
車窓の彼方 山の麓には 僕たちの暮らした懐かしい村
山道を降り行けば 聞きおぼえのある田植歌 君が愛した路傍の花が あの日のままに揺れている
ふいに気が付けば 目の前の不可思議な光景 ああ これは遠い日 飽きもせず眺めた水田に映る月
そうだ あれは忘れもしない 僕が君に 別れを告げた夜
明日の朝 南へと旅立つ いつかきっと 迎えに来るよ
僕の果たせない約束に 君は淋しそうに微笑んだ