スナックの片隅で (詩:葉羽)
琥珀色のグラスが並ぶ
スナックの片隅で僕はマイクを握った
PP&Mの「500マイルズ」が静かに流れだす
旅人の孤独を歌う
あの懐かしいフォークソングだ
その時、カウンターの中で
グラスを拭いていた君の手が止まり
長い睫毛の先から涙が零れだした
君の心に眠っていた
どんな記憶を呼び覚ましたのだろう
遠い故郷の空か・・
置き去りにした古い恋か・・
君は慌てて涙を拭い
「煙が目に沁みて」と不器用に笑った
その強がりが 余計に僕の胸を締め付ける
誰もがみな 言えない痛みを胸に秘めて
この都会(まち)の夜に
身を寄せ合って生きている
どうか君のこれからの日々に
たくさんの幸せが訪れますように
遠い空に祈りを込めて 夜風へと歩き出す |