雨の記憶 (詩:葉羽)
庭に雨が降り注ぐと 六月の匂いが立ち上る
それはまるで 土の底に眠っていた記憶が そっと息を吹き返すように
「雨が上がったら お前も草抜きを手伝えよ」 遠い日の母が言う 「スポスポ抜けて 気持ちいいぞ」 結局、遊び惚けて手伝いはしなかった
でも、あれから幾年月 母の居ない雨上がりの庭で 草を抜いている自分が居る
あの日と同じ 紫陽花の薄い蒼が 雨を飲んで深くなる その色に胸の奥が静かに震える
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