忘れ得ぬ君へ (詩:葉羽)
ふたつ年下の 君が教えてくれたのは
名前も知らない 異国の物語や
季節の終わりを 告げる風の色
週末の土手 君が広げたスケッチブック
滲む水彩 混ざり合う青と紫
「本当の色は 目に見えないところにあるの」
そう言って笑う君の 震える指先は
硝子細工のように 今にも壊れそうだった
君が僕に教えてくれたのは
この世界の 奥行きと痛み
背伸びして読み耽った哲学書の言葉より
君が描いた 未完成な空の色が
僕の心の 扉を強く叩いた
誰にも染まらない
君という不思議な季節を
僕はただ 眩しそうに眺めていた
ずっと ずっと・・ |