その173
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  如月の月 (詩:大和伸一&葉羽)

 知人の訃報に心塞ぎ
 見るともなく窓の外を見ている

 お袋から結婚に反対された時も
 ずっと味方をしてくれた人だった

 TVのスイッチを入れると
 どのチャンネルに変えても
 オリンピックばかり

 仕方なくあの頃の写真誌を手に取れば
 昔は理解できなかった事も
 染み入る様に入って来る自分がいる

 しばしテーブルの地球儀に見惚れ
 苦い珈琲を呷れば
 想いは遥かな空へ飛ぶ

 五年前の今頃
 NZからIndiaをウロついていたのが
 まるで昨日のようだ

 ふと西の空を見ると
 雪を抱いた吾妻、安達太良を
 上弦の月が照らしている

 あの人も・・
 同じ月を見ているだろうか

Poem by 大和伸一&葉羽
 MP3 by音楽の卵 “黒い幸福”
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   Photo by 大和伸一”真冬の寒い日”

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