如月の月 (詩:大和伸一&葉羽)
知人の訃報に心塞ぎ
見るともなく窓の外を見ている
お袋から結婚に反対された時も
ずっと味方をしてくれた人だった
TVのスイッチを入れると
どのチャンネルに変えても
オリンピックばかり
仕方なくあの頃の写真誌を手に取れば
昔は理解できなかった事も
染み入る様に入って来る自分がいる
しばしテーブルの地球儀に見惚れ
苦い珈琲を呷れば
想いは遥かな空へ飛ぶ
五年前の今頃
NZからIndiaをウロついていたのが
まるで昨日のようだ
ふと西の空を見ると
雪を抱いた吾妻、安達太良を
上弦の月が照らしている
あの人も・・
同じ月を見ているだろうか |