その166
目次へ前へ次へ

 

  いちょう並木 (詩:大和伸一&葉羽)

 ここへ来ると
 無意識に足が向いてしまう
 もうマスターは居ないと
 分かっていたはずなのに

 1984年7月
 美術館・図書館と一緒に開店
 その前は経済学部の
 学生たちが通う銀杏の並木道

 コーヒーはブラジルと
 コロンビアのブレンドだけ
 食べ物はケーキセットだけ
 でも必ず付いてくる昭和のジョーク

 綺麗好きなマスターが磨く
 大きな窓はいつもピカピカ
 近所の老夫婦や
 下宿屋の学生たちの
 談笑が絶えない店だった

 銀杏並木を撮っていると
 また一人 訪れた客が
 閉店の張り紙に
 肩を落として去って行く

 マスターが愛した
 金色の落ち葉たちが
 今年も舗道を染めて・・
 また一つ
 大切な思い出が消えて行く

Poem by 大和伸一&葉羽
 MP3 by 音楽の卵 “ミルクティー”
  Site Aranged by Habane
   Photo by 大和伸一”並木”

PAGE TOP


 

banner
Copyright(C) Habane. All Rights Reserved.