その110
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  プージャの夜 (詩:葉羽)

 ガンガーの静謐な流れ
 人々は祖霊と再会する夜を待つ

 箱の中の舞踏と炎
 響き渡るパジャンの調べ

 祭壇に目を遣れば
 見覚えのある後ろ姿

 あれは一年前
 泣きじゃくりながら祈っていた幼い修行僧

 今年も同じ場所で
 目に涙を溜めながら祈りを捧げている

 彼はきっと この場所で
 死ぬまで祈り続けるのだろう

 修行が辛くて泣くのではない
 ここで祈り続けなくてはならない理由が
 彼にはきっとある

 僅かに成長したその姿
 だが
 祈りの人生の道程は遥か遠い

 少年の一生を思い遣れば
 わが身の軽さを思わずにはいられない

 異国の旅先で 再びのめぐり逢い
 忘れえぬプージャの夜は更けていく

 富と貧困…
 愛と哀しみ…

 様々な人生を抱いて
 今日もガンガーは流れる

Poem by 葉羽
 MP3 by 音楽の卵 “沈降”
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   Photo by 大和伸一"プージャの夜”より

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