プージャの夜 (詩:葉羽)
ガンガーの静謐な流れ
人々は祖霊と再会する夜を待つ
箱の中の舞踏と炎
響き渡るパジャンの調べ
祭壇に目を遣れば
見覚えのある後ろ姿
あれは一年前
泣きじゃくりながら祈っていた幼い修行僧
今年も同じ場所で
目に涙を溜めながら祈りを捧げている
彼はきっと この場所で
死ぬまで祈り続けるのだろう
修行が辛くて泣くのではない
ここで祈り続けなくてはならない理由が
彼にはきっとある
僅かに成長したその姿
だが
祈りの人生の道程は遥か遠い
少年の一生を思い遣れば
わが身の軽さを思わずにはいられない
異国の旅先で 再びのめぐり逢い
忘れえぬプージャの夜は更けていく
富と貧困…
愛と哀しみ…
様々な人生を抱いて
今日もガンガーは流れる |