こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
若さがいっぱい!夢いっぱい!
坂本九の最大ヒット曲映画化!
これは1962年公開、舛田利雄監督、坂本九らが主演した青春映画「『上を向いて歩こう』のキャッチコピー。
今週の当番は、カリスマ彰氏です。
今回も上記『上を向いて歩こう』以下、野村芳太郎監督の『張込み』、豊田四郎監督『猫と庄造と二人のをんな』三本・・昭和60年前後のクラシック映画短評オムニバス。
前回同様、「小タイトル」の表記をカリスマ氏自身の元ブログのタイトリングに変更しています。

◆映画「上を向いて歩こう」で実感できた1960年代
日活純愛スタア総出演!
魅力最高の青春超大作!!
カリスマ彰 NECOチャンネルで深夜見つけて懐かしくて見入ってしまったのが映画「上を向いて歩こう」(1962年 舛田利雄監督 1時間30分)だ。
いわゆる日活純愛路線スターが総出演している映画で、大ヒットした坂本九の「上を向いて歩こう」(作曲:中村八大作詞:永六輔)を主題歌のみならず随所に使っている。
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少年鑑別所を脱走したジャズドラマーを志す浜田光夫と何を目指していいのかわからない人のいい坂本九の2人。
坂本九は脱走を助けられた芦田伸介の営む運送会社に勤める。芦田伸介には養女の吉永小百合(養女であることに引け目)とその妹で実子の小児マヒで車椅子を使っている渡辺トモコ(ジェリー藤尾と結婚したが離婚)がいる。
さらにジャズ喫茶の用心棒兼ノミ屋(馬券だけでなくボクシング、相撲なども扱っている)の高橋英樹が以上に絡む。高橋英樹も妾の子だという引け目を抱いて道を踏み外していたのだ。

当時を知っている人間には懐かしい限りなのだ。あの頃は小学校の学年に一人は小児マヒの生徒がいた記憶がある。小児マヒのワクチン接種も当時はあったのが思い出される。
1時間29分の尺なのに恐るべき量のストーリーを盛り込んでいる。さらにその合間に流れる街や駅の映像がまた懐かしさを加速する。満員の通勤電車は今の比でなく人が溢れ返っている。
坂本九と吉永小百合
1962年、東京五輪を前にして、日本が好景気に沸いていた時代である。こんな時代が65年前にはあったのだ。
登場人物がなんらかのハンディキャップを持ちながら、それにめげずに生きているというヒューマンな映画で、今から見ると単純過ぎるが、これが真っ当な人間の在り方のような気もするから不思議だ。
日航123便ジャンボ機墜落事故
1985年8月12日の日航123便ジャンボ機墜落事故(乗客乗員524人中520人死亡の航空事故として史上最悪の惨事)で坂本九(1941.12.10~1985.8.12)が帰らぬ人になったが、未だにお盆になるとこの事故と坂本九のことが思い出される。
生きていたらこの映画で共演した吉永小百合(1945~)、高橋英樹(1944~)、浜田光夫(1943~)、渡辺トモコ(1944~)と同じ歳恰好である。
◆野村芳太郎監督の映画「張込み」に懐かしさ
この女は数時間の命を燃やしたに過ぎなかった!
カリスマ彰 ここ1週間でTV放映された映画を5本見たが、一番感銘を受けたのは映画「張込み」(1958年 野村芳太郎監督 1時間58分)だった。
舞台は佐賀市。松本清張原作で橋本忍脚本、野村芳太郎監督という黄金トリオの記念すべき第1作。

上記ポスター(映画はモノクロ)にクレジットされている俳優以外にも、菅井きん、北林谷栄、小田切みきなどの女優が出演。
何よりもこの映画が、私の幼年時代を彷彿とさせて懐かしい。私の母が、この映画ではないが、大木実のことを「大根役者」と言っていたのを思い出す。
私の母も父も映画好きで、私は3歳ぐらいから映画館に連れて行かれていたから、この映画も映画館で見ているかもしれない。
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結局、キネ旬のベストテンに選ばれるような名作の主役を大木実が演じたのはこの「張込み」が最初で最後だったのではないだろうか。そもそもは撮影所の照明助手をしていたが、木暮三千代に見出されて俳優に転向したとwikipediaにある。
音楽は黛敏郎。追跡シーンでのジャズっぽい音楽が印象的だ。監督を黒澤明と間違えている紹介記事があるが、なるほどその間違いは納得だ。黒澤映画を学んでいる形跡が随所に見られるのだ。
野村芳太郎監督
野村芳太郎監督は実に行き届いた映画作りと抒情表現の名匠で清張の映画化にこれほど相応しい監督はいない。最後の場面の川北温泉(川上温泉と変えている)は、大分の宝泉寺温泉でロケをしたようである。
犯人役の田村高廣(右)
不満なのは、肺病病みの強盗殺人犯役の田村高廣。全体に柔和過ぎてとても質屋に押し入って殺人をする人間には見えない点だ。
◆灼熱演技に辟易する映画「猫と庄造と二人のをんな」
わしは情にからんだ女の意地が嫌いや!
カリスマ彰 日本映画専門チャンネルがその名誉にかけて放映する蔵出し名画特集のひとつ「猫と庄造と二人のをんな」(1956年 豊田四郎監督 2時間15分)を録画して見た。
谷崎潤一郎原作。芥川也寸志音楽。八住利雄脚本、三浦光雄撮影。豊田四郎監督の前作「夫婦善哉」(1955年 原作:織田作之助 音楽:團伊玖磨)と脚本、撮影は同じ。

しかし、同じく人間の駄目さ加減を描くにしても、こちらは前作にはあったほのぼのとした雰囲気はなく人間本能を赤裸々に描いている。
さらに女特有のヒステリーと嫉妬!その鬼気迫るタッチには、ちょっと辟易してしまう。

取っ組み合いの喧嘩を演じる香川京子と山田五十鈴。前方は森繫久彌
「二人のをんな」とあるが、実際には庄造(森繁久彌)の元妻(山田五十鈴)、現妻(香川京子)に加えて実母(浪花千栄子)も二人に勝るとも劣らない重要な存在だ。
浪花千栄子が登場するオロナイン軟膏(大塚製薬)のホーロー看板が懐かしい、と書いて分かる人も少ないだろうなあ(笑)。
浪花千栄子のオロナイン軟膏看板
余談だが浪花千栄子(1907~1973)の本名は「南口(なんこう)キクノ」。「軟膏効くの!」ということで起用されたという。
この三人は熱演を超えた灼熱の演技で、前述したように感心するというより辟易してしまう。もはや病的な範疇なのだ。
1956年にこんな映画が撮られていたことに驚いてしまう。
/// end of the “cinemaアラカルト541「映画「上を向いて歩こう」で
実感できた1960年代+2」”///

(追伸)
岸波
『上を向いて歩こう』の予告編ビデオがあったので観てみたが、いや~ホントに懐かしい昭和の風景だなぁ。
坂本九と浜田光男は当時のイメージしか覚えてないけれど、若々しい高橋英樹を見れたのは嬉しい。
今やってるTVの夏ドラマ『Tシャツが乾くまで』に出てる中島歩に似てるな。いや待て・・『雑感』のツーさんに似てるかも?(笑)
それにしても吉永小百合さんは、今も全然変わらないのはどーゆー訳だ(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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猫と庄造と二人のをんな
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